2023年度 九州大学理系第3問【任意の格子点が斜交座標においても格子点となる条件】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ベクトルに関する論証問題ですが、1次変換に伴う斜交座標への変換という話題を扱っており、現行課程に行列がないため受験生はイメージが掴みにくいでしょう。 成分を用いて噛み砕いていくことで、数式的に処理していけますので、特別な知識は必要ありません。 ただ、問題の条件を適切に咀嚼する顎の力が必要です。 また、最後の (3) は全称命題としての独特の捌き方をします。 「任意の(全ての)」や「存在する」といった言葉をきちんと汲み取る力も求められ、文字も多 ...
2乗和と1乗和の解法選択【1993年度 一橋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 単位円上の4点 \(\mathrm{A}\) , \(\mathrm{B}\) , \(\mathrm{C}\) , \(\mathrm{P}\) について \({\mathrm{PA}}^{2}+{\mathrm{PB}}^{2}+{\mathrm{PC}}^{2}\) \({\mathrm{PA}}+{\mathrm{PB}}+{\mathrm{PC}}\) という2乗和、1乗和について扱う問題です。 2乗和、1乗和によって取りたく ...
2変数の漸化式【1996年度 北海道大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(n\) , \(m\) という2変数が絡む漸化式の問題です。 試験場だと「ウッ」となるやもしれません。 ふたを開ければ、難関大受験生にとっては基本の処理となりますが、 ふたがそれなりに重い ふたが開けられても、その後の処理は差がつく という要素をもっており、完答するためには「確かな力」が必要となります。 試験場で見慣れない未知の問題に出会ったら、という耐性をつけるという想定で臨んでみてください。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タ ...
合成関数と割り算【複2次式の割り算とその発展】【1999年度 防衛大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 題意はすぐに読み取れるでしょう。 例題に関しては正直煮るなり焼くなり色々出来ると思います。 どちらかというと例題は噛ませ犬的な立ち位置で、実際に考えてもらいたいのは類題の方です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 例題について 例題はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 方針1:頭とケツを見て因数分解 ひとまず、 ...
リプシッツ連続【全称命題とその運用】【2004年度 信州大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 必ず成り立つ不等式を文字通り絶対不等式と言います。 本問はある程度の演習をこなしている人からすると、あるものがインスピレーションされると思います。 そして、本問の \(k\) の最小値について予測できてしまうとも思います。 ただし、細かな部分まで詰めていこうとすると結構ウルサイ問題です。 採点基準にもよりますが、自分の手ごたえと実際の得点率にはギャップがある問題かもしれません。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 形的 ...
全称命題 第5講【楕円についての論証】【1990年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 全称命題シリーズ第5講です。 シリーズ一覧はこちら そもそも、今は「全称命題」というシリーズとしての問題としてこの問題と向き合っているから頭が全称命題モードになっていて、屁理屈を言おうと思えるかもしれません。 しかし実際試験場では何が出題されるか分かりません。 色々な問題に紛れてポンとおいてあったときに、冷静に全称命題だと見抜いて必要条件を出せるのかといった難しさがあると思います。 分野的にも整数や数 ...
全称命題 第4講【整数問題の基本手法の運用に帰着】【1991年度 金沢大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 全称命題シリーズ第4講です。 シリーズ一覧はこちら 今回は第3講に引き続き整数問題に関する全称命題です。 全称命題に関する基本的な対応については第1講で扱っていますが、今一度ここでも確認します。 step1全称命題だと見抜く 「任意の」「どんな」「全ての」\(\cdots\) という類の言葉は発見のシグナルです。 step2「じゃあ \(\cdots\)」と屁理屈(考えやすい簡単なケース)を言って答えの候補(必要条件)を出す。 ...
全称命題 第3講【整数問題】【一般項か漸化式どちらを扱うか】【1997年度 一橋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 全称命題シリーズ第3講です。 シリーズ一覧はこちら 今回は整数分野の全称命題を扱います。 必要条件を言う部分で整数問題としての処理が求められるでしょう。 その後の十分性の確認では第2講の内容が存分に現れるので、前回の内容の確認もできると思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む \(a_{n}=5^{n}+an+b\) とおきます。 全称命題と捉えて \(a_ ...
全称命題 第2講【一般項と漸化式】【1986年度 東京工業大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 全称命題シリーズ第2講です。 シリーズ一覧はこちら 全称命題についての対応は第1講で学びました。 全称命題特有の処理を施すわけですが、その後については「分野」ごとの常識力が問われる問題に帰着します。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 全ての自然数 \(n\) について \(a_{n}\) を割り切る素数を探すので、 \(a_{1}\) も割り切る必要があるよね? という屁理屈 ...
全称命題 第1講【恒等式として等号が成立するための条件】【1990年度 東京工業大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 「全称命題」というテーマ性のある話題を扱います。 これは分野は関係なく、「考え方」に難しさがあり、独特な議論の進め方をします。 対応を知らないと、白紙になってしまったり、見当はずれなことを場当たり的に書いて終了してしまいかねません。 全称命題だと見抜く「眼」と、見抜いた後の「対応」の両輪をきちんと揃えておき、ライバルに差をつけましょう。 シリーズ一覧はこちら 今回は恒等式となるための条件を考えるという問題です。 見た目が仰々しく ...