漸化式と群数列の融合【2019年度 名古屋市立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 得体のしれない漸化式による数列に関して色々考察させる問題です。 本問はその場で考えたり判断する力(その場力)と、それに基づいて立式したものを処理する基礎の運用力のバランスが個人的に素晴らしいと思います。 この問題そのものが今後まんま出題されることを期待はしてはいけませんが、この問題を通じて得られるものが今後の糧となることは十分にあり、演習問題として良問です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 得体のしれ ...
対称性のある連立漸化式【2008年度 信州大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3種の数列 \(\{a_{n}\}\) , \(\{b_{n}\}\) , \(\{c_{n}\}\) についての連立漸化式の扱いを考えます。 特に今回は対称性のある連立漸化式について見ていきます。 連立漸化式については、テーマ別演習「漸化式基本パターン」 の第8講で扱っていますが、今回は「3種の数列」「対称性」という実戦的な話題にスポットを当て、実践演習という位置づけで扱います。 なお、本当は誘導の設問がついていましたが、今回は誘導が ...
特殊な置換を用いた極限【ノーヒントの場合の考察あり】【2016年度 宮城教育大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角関数による置換を用いた極限に関する問題です。 例題としてもってきた問題は丁寧な誘導がついているため、誘導に従っていけば完答することも難しくはないはずです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(\theta_{n+1}=-\displaystyle \frac{1}{2} \theta_{n}+\displaystyle \frac{\pi}{2}\) という漸化式を解くわけです。 ...
答案の趣旨を読み取る【他人の答案を説明する力】【2013年度 佐賀大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 他人の答案の趣旨を説明するという、多くの人にとっては目新しく感じる問いかけでしょう。 本問は2013年度佐賀大学の文化教育学部の問題ですが、教員としての説明力や様々な解答を理解する力が問われており、問題を解くのとは別の部分の脳みそを使います。 「知識・技能」だけでなく、「思考力・判断力・表現力」 を謳い文句とする新課程、共通テストが好みそうな出題の仕方です。 個人的に新課程、共通テストに対して言いたいことは多々ありますが、ここだと話が逸れるの ...
群数列の基本と運用【良問集合】【2002年度 山形大学ほか】
問題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題3はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 群数列の基本とその運用に関して確認し、足固めする問題です。 基本的に群数列は「めんどくさい」と思う人も多いです。 確かに 「何?何?何?ちょっと待て、え~っと」 と、設定が複雑な問題も多々あります。 群数列の目の付け所や話の進め方は基本的に一本道です。 今回は極力設定がシンプルで、その目の付け所や話の進め方に集 ...
ラメの定理【ユークリッドの互除法の計算回数】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ラメの定理と呼ばれる、ユークリッドの互除法のアルゴリズムの回数に関する上限を与える定理について考えてみます。 今回はラメの定理の主張を、誘導を付ける形での問題形式として考えてみることにします。 ユークリッドの互除法のアルゴリズムが最も長引くケースにフィボナッチ数列が関わってくる部分に面白さを感じます。 ユークリッドの互除法って何?という方は ユークリッドの互除法が何なんだ?という方は 確認 で原理とイメージ寄りの話をしています。 ユークリッド ...
三角比が等差数列をなす角度【sinθ,cosθ,tanθの並べ替え】【2003年度 札幌医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) この問題のオチは考えてみたくなります。 できることなら (1) や (2) の誘導なしで考えてみてほしいところですが、(1) , (2) 自体も筋が悪いとアタフタするかもしれません。 視覚的には といった感じでグラフ的にとらえると、確かに題意の主張は納得できます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 基本的には微分してゴリゴリ路線です。 \(f'_{1}(x)\) を計算 ...
折れ線と極限【階差数列と無限等比級数の運用】【1988年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 座標平面上において折れ線状に動く点の動きを考察する問題です。 「点 \(P\) が \(x=b\) を横切る」ということを式的に論じるにはどうすればよいか について翻訳力が問われるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む イメージの把握 のように \(y\) の値が整数になるごとに傾きが \(s\) 倍になっていきます。 イメージとしては媒質の異なる層を光が屈折していくような感じでしょうか。 確かに ...
2種類の数列を並べ替えてできる数列【2004年度 岡山大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 典型的な問題ではなく、その場での観察力や、式での翻訳力、見通しをもって解き進める力などの総合的な力が問われます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 実験して要領を掴むための設問です。 \(a_{1}=2\) , \(a_{2}=5\) , \(a_{3}=10\) , \(a_{4}=17\) , \(a_{5}=26\) , \(\cdots\) \(b_{1}=6\) , ...
全称命題 第3講【整数問題】【一般項か漸化式どちらを扱うか】【1997年度 一橋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 全称命題シリーズ第3講です。 シリーズ一覧はこちら 今回は整数分野の全称命題を扱います。 必要条件を言う部分で整数問題としての処理が求められるでしょう。 その後の十分性の確認では第2講の内容が存分に現れるので、前回の内容の確認もできると思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む \(a_{n}=5^{n}+an+b\) とおきます。 全称命題と捉えて \(a_ ...