モニック方程式【最高次が1である高次方程式】【2019年度 東京学芸大学ほか】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 最高次の係数が 1 であるような整数係数 \(n\) 次方程式を \(n\) 次のモニック多項式と呼びます。 入試においては名前まで無理に覚える必要はありませんが、名前がついているものについては 「あ~、モニック方程式の話題ね」 みたいに、シナリオやストーリーを端的にキーワードとして頭に整理しておけるというメリットがあると思います。 モニック方程式は独特な流れとシナリオがあります。 中には知らなきゃ厳しいという内容の式変形を要求 ...
全称命題 第4講【整数問題の基本手法の運用に帰着】【1991年度 金沢大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 全称命題シリーズ第4講です。 シリーズ一覧はこちら 今回は第3講に引き続き整数問題に関する全称命題です。 全称命題に関する基本的な対応については第1講で扱っていますが、今一度ここでも確認します。 step1全称命題だと見抜く 「任意の」「どんな」「全ての」\(\cdots\) という類の言葉は発見のシグナルです。 step2「じゃあ \(\cdots\)」と屁理屈(考えやすい簡単なケース)を言って答えの候補(必要条件)を出す。 ...
全称命題 第3講【整数問題】【一般項か漸化式どちらを扱うか】【1997年度 一橋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 全称命題シリーズ第3講です。 シリーズ一覧はこちら 今回は整数分野の全称命題を扱います。 必要条件を言う部分で整数問題としての処理が求められるでしょう。 その後の十分性の確認では第2講の内容が存分に現れるので、前回の内容の確認もできると思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む \(a_{n}=5^{n}+an+b\) とおきます。 全称命題と捉えて \(a_ ...
全称命題 第2講【一般項と漸化式】【1986年度 東京工業大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 全称命題シリーズ第2講です。 シリーズ一覧はこちら 全称命題についての対応は第1講で学びました。 全称命題特有の処理を施すわけですが、その後については「分野」ごとの常識力が問われる問題に帰着します。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 全ての自然数 \(n\) について \(a_{n}\) を割り切る素数を探すので、 \(a_{1}\) も割り切る必要があるよね? という屁理屈 ...
素数の各桁の数を係数にもつ2次方程式【素数という条件の活かし方】【1977年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題の主張が高級です。 シンプルな主張ですが、難問の匂いが漂ってきます。 数学が好きな人は気を付けてください。 試験場だと深入りし、下手にムキになろうものなら冷静さを失って時間バランスが崩壊しかねません。 時間を気にせず粘り強く考えるという観点から見れば、本問は良問です。 比較的目につきやすい特徴から愚直に崩していく方針【解1】と、急所を突けば一撃で倒せる方針【解2】という2路線の解答を用意しました。 見えてしまえばなんてことは ...
積の形からの約数拾い【素因数の振り分けの工夫】【2005年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 約数を拾うタイプの問題で、定番の問題に見える一方、解き進めていくと、本問がもつ個性に注目して解き進める必要性も出てくるため、非常にいい問題です。様々な解法も考えられるため、教材として採用したくなりますし、実際様々な問題集などで採り上げられています。 問題自体は「積の形から約数拾い」という方針が目につく形です。 最初の一手である因数分解は恐らくすぐに気が付けると思います。 \(a(a-1)=2^{4}5^{4}M\) という形を得 ...
不定方程式【積の形から約数拾い】【2016年度 東京理科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 本問は不定方程式に関する基本的な確認から、少し対応力が必要な設問まであります。 整数問題の有力方針 積の形から約数の拾い 余りで分類 評価する(範囲を絞る) と、整数問題に対する有力な方針は3つあります。 もう少し単純な例題で確認したい方は以下に折りたたんでおくので、「+マーク」をクリック(タップ)して確認してみてください。 + クリック(タップ)して続きを読む 積の形から約数の拾い上げ ...
ピタゴラス数 第4講【イェスマノヴィッツ予想】【有名事実】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シリーズ一覧はこちら 非常にシンプルな問題ですが、難問です。 本問は歴史的には1955年にシェルピンスキーという数学者によって解決されました。 その後、この問題は一般のピタゴラス数についても成り立つか?という疑問に変わっていきます。 すなわち \(a\) , \(b\) , \(c\) を \(a^{2}+b^{2}=c^{2}\) を満たす正の整数とする。 \(a^{x}+b^{y}=c^{z}\) を満たす正の ...
ピタゴラス数 第3講【拡張版の等式】【2000年度 横浜国立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ピタゴラス数についてのテーマ別演習第3講です。 シリーズ一覧はこちら 今回はピタゴラス数の拡張として \(a^{2}+b^{2}+c^{2}=d^{2}\) を満たす自然数 \(a\) , \(b\) , \(c\) , \(d\) について扱います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 聞かれていることについては第1講で扱った平方剰余に近いものがあります。 そこで、(1) で ...
ピタゴラス数 第2講【原始ピタゴラス数の一般解】【1999年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ピタゴラス数についてのテーマ別演習第2講です。 シリーズ一覧はこちら 第2講では原始ピタゴラス数の一般解について考えます。 この問題だけ見ると、 「なんだこのオチ」 と思うかもしれませんが、実はこのオチからもう少し話を進めると 原始ピタゴラス数の一般解 \(m\) , \(n\) を \(m \gt n\) を満たす互いに素で、偶奇の異なる自然数とする。 この \(m\) , \(n\) を用いて、\(a^{ ...