整数

2022/2/26

2022年度 東京大学理系第2問【漸化式と整数問題】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 漸化式によって定まる数列の整数的特徴を論じる問題です。 一般項を相手にはできませんから、漸化式を漸化式のまま扱うという力が必要です。 随所随所で 問題文で訊かれていること以上のことを見出す ということが必要になってきます。 実験し、手を動かして突破口を見出すことになるのですが、それでも最短距離でスムーズにいける人は割合的には少ないと思います。 難易度的にはやや難です。 試験場ではムキにならず、深追いしない方が得策でしょう。 解答はコチラ

2022/1/27

仮想難関大(オリジナル予想問題)【整数~累乗数の商と余り~】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回は整数と数列に関する問題です。 累乗数の商について考察します。 決して簡単ではありませんが、特別なこともしません。 少しばかり経験による知識的側面は必要としますが、難関大受験生にしてみれば常識にしておくべき知識です。 ...

2022/1/22

素数に関する不定方程式【2019年度 同志社大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不定方程式(文字の数に対して式の数が少ない方程式)の中でも少々対応力が問われる問題です。 誘導の活用力も問われます。 試験場のつもりで取り組んでみると、いい模擬訓練になるでしょう。 恐らく出題者側はある程度のレールを敷き、誘導を付けて無理のない範囲で仕立てようとしたのでしょうが、多分出題者側が期待しているように受験生は中々動いてくれないのが現状だと思います。 用いている基本事項は全て整数問題においては常套手段の一つなのですが、「100m先から ...

2022/1/19

格子点同士を結ぶ2線分のなす角度【2004年度 一橋大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 格子点同士を結ぶ2つの線分のなす角について考察する問題です。 例題は実戦要素が強く、 2直線のなす角の扱い 整数問題の捌き方 が問われてきます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 座標平面上での角度の処理 \(\angle{\mathrm{BAC}}\) という座標平面上で角度を扱おうと思うと 座標における角度の扱い ベクトルの内積を用いて \(\cos{ \ }\) として処理する 傾きと \(\tan{ \ }\ ...

2024/4/16

素数が無限に存在することの証明【1973年度 大阪歯科大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 素数が無限に存在することは紀元前から分かっていたことです。 ユークリッドの有名な数学書である原論での証明が有名で、歴史的内容を含む問題であり、思考力を試すというよりは、教養的側面の強い話題です。 現在、様々な証明法が知れ渡っていますが、ここではユークリッドの考えを基にした背理法による証明と、2006年に発表されたフィリップ・サイダック氏による証明を紹介します。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 背理法による証明 以下 ...

2022/1/9

単位分数の和【エジプト式分数】【2006年度 富山大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 自然数の逆数からなる有理数を「単位分数」といい、異なる単位分数の和として表現した分数を「エジプト(式)分数」と言います。 本問は、 2項からなるエジプト分数の最大値が \(\displaystyle \frac{5}{6}\) 3項からなるエジプト分数の最大値が\(\displaystyle \frac{41}{42}\) ということを証明せよという問題です。 表向きは入試標準的な整数問題ですが、古くから様々なことが研究されており、奥が深い話 ...

2021/12/14

定義域が整数の2次関数【1993年度 高知大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定義域が整数である2次関数に関する問題を扱います。 とびとびの整数を代入してできる値だけを考えることになるため、実数の問題の態度とはまた変わってくることになります。 ひとまず素朴な題意の問題を例題としてもってきました。 この後に類題を2題用意していますが、設定により例題で通用した態度が通じなかったり、逆に新たな別解が生じたりということで、対応に一貫性がないように思えるかもしれません。 そういった意味で観察力や対応力寄りの力が求められる問題と言 ...

2021/12/14

平方三角数とペル方程式【1994年度 津田塾大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角数かつ平方数となる数について考える問題です。 例えば、\(36\) という数は \(36=6^{2}\) \(36=1+2+3+4+5+6+7+8\) と平方数でありながら、三角数でもあります。 このようなものが無数に存在することを示すのがオチです。 この「平方三角数」を作成する際に、 \(x^{2}-2y^{2}=1\) というペル方程式が関わってくるあたりが面白く、興味深いですね。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タ ...

2021/12/10

三角形と整数問題【1990年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角形の長さに関する整数問題です。 図形ならではの隠れた条件などに目を光らせないと、手が止まってしまったり、手際が悪くなってしまったりします。 京大の「らしさ」が感じられる良問です。 スムーズに式変形ができれば、問題ないですが、手が止まってしまったときのリカバリーについても触れてあります。 結論から言えば、セオリーに基づいて式変形すればできなくはないので、諦めずに粘り勝ちを狙っていくことも可能です。 (以下ネタバレ注意)   + ク ...

2021/12/7

等式の扱いと文字消去【2002年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 中々の強面です。 与えられた関係式そのものも強面ですが、「存在条件」というのもパッと見でこわいものがあるでしょう。 そもそも問題文の意味を正しく捉えられるかという点でも結構強力なフィルターがかかっていると思います。 ただ、強面ですが、根はいいやつなので仲良くしたい問題です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 題意の把握 よく分からなければ具体例で実験してみましょう。 下手くそな \(a\) ,  \(b ...

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