高次方程式

2023/4/5

2023年度 名古屋大学 理系 第1問【複素数平面上の円上の点を解にもつ4次方程式】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面上での円上の点が表す複素数を解にもつ4次方程式についての問題です。 図形的な意味合いと式的な意味合いを結びつける力も要求され、総合的な力が問われています。 (1) はなまじ形がキレイな結論であるため、逆にアタフタするかもしれませんが、冷静に沈めたいところです。 (2) は \(p\) ,  \(q\) ,  \(r\) ,  \(s\)  を解 \(\alpha\) ,  \(\beta\) の情報を含む \(t\) ,  \(u\ ...

2023/3/14

2023年度 九州大学理系第1問【相反方程式と複素数平面における三角形の形状決定】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 相反方程式と、複素数平面における三角形の形状決定問題です。 相反方程式とは、 係数が外側から左右対称になっている方程式 のことで、特有の捌き方をするテーマ性のある話題です。 知識的側面が強いですが、難関大を目指すにあたっては準備していて然るべき定番の話題とも言えます。 相反方程式については を参考にしてください。 (2) の複素数平面における三角形の形状決定問題については、\(\alpha\) ,  \(\beta\) ,  \(\gamma ...

2023/3/11

2023年度 東北大学理系第4問【1の5乗根に関する論証】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(1\) の \(5\) 乗根に関する論証問題です。 \(1\) の \(5\) 乗根に関する整式の問題は今年の京大でも出題がありました。 (1) で \(\alpha\) が \({\alpha}^{4}+{\alpha}^{3}+{\alpha}^{2}+{\alpha}+1=0\) を満たしていることが分かりますから、\({\alpha}\) が \(1\) の \(5\) 乗根であることを見抜くのは、東北大受験生であれば無理はありま ...

2023/3/2

2023年度 京都大学理系第1問【定積分の計算・高次式の余り】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 京大が定期的に取り入れる小問集合形式の問いです。 いずれも完答は現実的な範疇ですので、ここをキッチリと取って勢いにのっていきたいところです。 問1は基本的な定積分の計算問題で、部分積分一発で沈みます。 問2は年度に絡めた高次式 \(x^{2023}-1\) を \(x^{4}+x^{3}+x^{2}+x+1\) で割ったときの、余りについて考える問題です。 \(x^{4}+x^{3}+x^{2}+x+1\) という形を見て \(x^{5}-1 ...

2023/2/13

高次式と余り【2020年度 広島工業大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題3はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 高次の多項式に関する余りを求める問題で、頻出のトピックスです。 例題からスタートし、徐々に難易度が上がっていきます。 最後の類題3については、難易度は高めです。 この類の問題に一度でも経験があると舐める人もいそうですが、逆にそういう人の足を掬うよう ...

2023/1/20

積分変数の変換【2017年度 富山大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(t\) に依存する3次方程式の解 \(\alpha\) ,  \(\beta\) ,  \(\gamma\) に関する定積分の値を考える問題です。 完答できるかどうかの差はつきやすい問題で、解決する人はあっという間に解決してしまうと思います。 「簡単な難問」、「難しい易問」という言葉がありますが、どちらかというと個人的には難しい易問だと感じました。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(x^{3 ...

2022/10/12

3次方程式と整数解【違和感や作為を読み取る】【1970年度 防衛大学校】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 古い問題ですが、3次方程式が整数解をもつという設定はよくある設定であり、今でも十分に演習価値のある問題です。 本問は手なりに進めていくと、「ん?」と思う部分が自然に出てくるはずです。 基本的には違和感やこの問題の作為を見落とさない観察力の問題なのですが、見るべきところを見る経験に裏打ちされる要素も若干は含んでいるでしょう。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 方程式と解に関する路線 方程式と解に関する問題 ...

2022/4/17

3文字の対称式の値【2003年度 慶應義塾大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3文字の基本対称式の値から、4乗和と5乗和という対称式の値を導出するという内容です。 なめてかかると、5乗和の方で「ん?」となるかもしれません。 確かな力があればそのまま押し切ることもできますし、エスケープしてリカバリーすることもできます。 様々な解法があるため、色々考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 基本対称式の値 解と係数の関係から $$\begin{eqnarray} \left\{ ...

2022/3/21

2022年度 大阪大学 理系第2問【3次方程式の有理数解】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\cos{n\theta}\) が \(\cos{\theta}\) の \(n\) 次式で表せるという チェビシェフの多項式 という有名ネタをベースとした問題です。 阪大受験生であれば、この類の類題は経験したことがあるとは思います。 流れが独特なところもあるため、経験による部分が大きい問題ではあります。 特に最後のオチの (3) については、 整数係数方程式特有の話題 \(a_{n}x^{n}+a_{n-1}x^{n-1}+ \cdot ...

2022/3/14

2022年度 名古屋大学 理系第1問【整式の割り算】【3次方程式の実数解の個数】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 整式の割り算をベースにした問題で、最後は3次方程式の実数解の個数に帰着します。 2,3年ほど前の凶悪なセットをガンガン出題していた頃からすると拍子抜けしてしまうレベルで、実際に割り算をし、余りを導出して手なりに状況を翻訳していけば、特別なことをせずとも解決できる問題です。 あまりに捻りがないため、逆に勘繰ってしまいますが、凝ったことをやろうとして時間をかけるよりも愚直に進めた方が得策です。 (1) が (2) のどこかで効いてくるのかと身構え ...

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