場合の数・確率

2021/12/13

余事象を正しく捉える【1997年度 名古屋市立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) いわゆるランダムウォーク(酔歩)と呼ばれる類の問題です。 様々なバリエーションがありますが、本問は正三角形上の辺を通って下段に降りていくという設定です。 この分野の問題らしく、その問題特有の設定や急所を見抜きながら対応していく「その場力」が必要な問題です。 計算量自体はそこまで多くはなく、洞察力寄りの力が求められます。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 2回の移動で \(\mathrm ...

2021/12/8

自然数の和分割【2002年度 大阪教育大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 自然数を和として分割する方法について考える問題です。 シンプルでキレイな題意は、アレンジしようにもそれ以上手を加える余地があまりなく、それ以降出題を考えても二番煎じになってしまうためかえって出題を敬遠されるかもしれません。 ただ、シンプルで分かりやすく、難易度が適度におさまり、かつ手垢の付いていない良問というのはそう簡単には生み出せるものではありません。 本問は上述の良問要素を含んでいると思います。 (もちろん見る人が見たら手垢はついていると ...

2021/12/1

確率と極限【1987年度 2003年度 東京大学】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 確率と極限の融合問題ですが、実質的にはまずは確率をきちんと計算できるかが要求されます。 正六角形の頂点に印をうっていき、直角三角形ができるできないを考えるという、よくありそうな設定です。 ただ、意外と「ウッ」となる受験生は少なくないでしょう。 よくある設定のなかで、考えづらい要素を含むボディーブローのような問題です。 東大って結構そういう出題が特徴的だったりしますね。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む ...

2021/11/9

円周上の点で作る三角形【シグマで数える】【2001年度 大阪大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円周上の正 \(4n\) 角形の頂点を用いて三角形を作るという、素材としてはよくある問題です。 ただ、素材は定番でも中身はマニュアル的態度で倒す態度の問題ではありません。 「結局こうなっていればいい」 ということを見抜く観察力や洞察力を要する問題です。 最後の最後まで気が抜けない要素も含んでおり、試験場では全体のセット次第で撤退するかどうかの判断に迫られる類の問題でしょう。 難易度的には絶妙な難易度です。 (以下ネタバレ注意)   ...

2021/11/7

場合の数と論証【隣り合う隣り合わない問題】【1998年度 大阪市立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 順列に関する問題で、数が5個しかないので全部は大変にしても部分的にゴリゴリ押し通していけばできなくはありません。 最後にモノを言うのは基礎の運用ですが、 何を求めればよいのか を要約する「咀嚼力」が求められます。 「何を求めればよいか」に辿り着けるからこそ、次の「どう計算すればよいか」に繋がってきます。 場合の数や確率分野である程度のところで頭打ちになっていて、そこからのブレイクスルーを起こすためには、まさにその部分が必要でしょう。 本問は「 ...

2021/10/28

2変数の確率【シンプルな難問】【1998年度 九州芸術工科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 題意はメチャクチャシンプルなのですが、やってみると結構手こずります。 本問は元々誘導があったのですが、今回は方針決定から組み立てる力を磨くことを目的としたいと思い、心を鬼にして誘導をカットしました。 悩んだ挙句に解ききった快感は大きいでしょうし、たとえ途中でギブアップしてしまってもそこまでに頭を沸騰させていればそれは無駄にはなりません。 ぜひ考えて見てほしいと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む ...

2021/10/23

仮想難関大(オリジナル予想問題)【確率~座標平面の点の移動~】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回は確率の問題です。 ルールと構造を把握し、急所を的確に把握する力が要求されます。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 終了の仕方 9回目の移動、すなわち \(x\) 軸方向の移動 ...

2021/9/20

n桁以下の自然数を並べてできる数【1997年度 慶応義塾大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ルール自体はシンプルなルールな問題です。 難易度自体も標準的な難易度だと思いますが、 急所を抽出する 抽出した急所を処理する のどちらの力が欠けていても完答は遠のくでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 具体的な場合の検証的設問です。 イメージとしては というイメージを持ち、並んでいる数字の個数が桁数であることを考えると \(1\cdot 9+2 \cdot 90+3 \cdot 900\) ...

2021/9/20

完全順列 攪乱順列 モンモール数【2013年度 成城大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 完全順列、攪乱順列、モンモール数などと呼ばれる話題の問題で、1994年度慶応大、2004年度東工大など類題も多く見られます。 本問のように \(5\) 人といったような具体的な場合であれば、樹形図をかき、腕力で押し切ることも可能でしょう。 (ただ、工夫しないとそれなりの大木になるでしょう。) ただ、ここでは一般的な \(n\) のときでも話が通じる態度である漸化式を立てる方針で考えてみます。 完全順列に対する漸化式の立て方は独特なものがありま ...

2021/8/6

ババ抜きの確率【1995年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題をよく見てみると、「ババ抜き」をモデルにした問題だと分かると思います。 2人でやるババ抜きはあまり面白くありませんが、数式的には、京大の入試問題として成立するぐらいの問題にはなります。 本問で言う 0 がババに相当します。 この状態でババをもっている \(A\) からスタートしたら、確実に(自動的に)手が進み \(\{0 \ , \ 1 \ , \ 2 \ \cdots \ , \ n\}\) , \(\{1 \ , \ 2 \ , \ ...

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