場合の数・確率系 実践演習

2変数の確率【シンプルな難問】【1998年度 九州芸術工科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

題意はメチャクチャシンプルなのですが、やってみると結構手こずります。

本問は元々誘導があったのですが、今回は方針決定から組み立てる力を磨くことを目的としたいと思い、心を鬼にして誘導をカットしました。

悩んだ挙句に解ききった快感は大きいでしょうし、たとえ途中でギブアップしてしまってもそこまでに頭を沸騰させていればそれは無駄にはなりません。

ぜひ考えて見てほしいと思います。

(以下ネタバレ注意)

 

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漸化式の導入

直接考えて見ても中々埒があかないと思います。

そこで、途中経過が複雑であればあるほど効果を発揮する武器である

漸化式

を導入して倒す方針を考えてみます。

今回は \(n\) ,  \(k\) という \(2\) 変数に依存する確率なので、題意の確率を

\(P_{n \ , \ k}\)

と設定します。

どのように場合分けをするか

確率漸化式を立式するにあたり場合分けを行うのですが、その際の基本は

漏れなく・重複なく

という基準で場合分けをするのが基本です。

今回は

[1]:\(n-1\) 回目までに題意を満たしている

[2]:\(n-1\) 回目までに題意を満たしていない

というように分けたいと思います。

\(n-1\) 回目までに題意を満たしているとき

\(n-1\) 回目までに題意を満たしているならば、\(n\) 回目は何が出ても題意を満たします。

よって、その確率は \(P_{n-1 \ , \ k}\) ということになります。

\(n-1\) 回目までに題意を満たしていないとき

\(n-1\) 回目までに題意を満たしていないとなると、

\(n\) 回目の目は \(1\) である必要がある

ということになります。

\(n\) 回目の目が \(1\) でないと、題意を満たさないまま \(n\) 回のコイン投げが終わってしまうからです。

\(n-1\) 回目までに題意を満たしておらず、\(n\) 回目の \(1\) の目で題意を初めて満たすわけですから

  • \(n\) 回目の \(1\) の目は \(k\) 連続の \(k\) 個目

ということが言えます。

このことから、次のようなイメージがもてればほとんど勝負ありです。

前半に並んでいる \(n-k-1\) 個の □ ですが、条件 \(n \leq 2k\) より

\(n-k-1 \leq k-1\)

ですから、前半の \(n-k-1\) 個の □ に \(1\) が \(k\) 個以上連続して並ぶことはあり得ません。

このイメージがあれば

\(\displaystyle \frac{5}{6} \cdot (\displaystyle \frac{1}{6})^{k}\)

という確率で片付くことになります。

場合分けをまとめると

結局以上から、確率漸化式として

\(P_{n \ , \ k}=P_{n-1 \ , \ k}+\displaystyle \frac{5}{6^{k+1}}\)

と立式できることになります。

\(n\) ,  \(k\)  という \(2\) 変数入っている確率漸化式なので、見るべきところをしっかり見ておかないと立ち位置を見失いかねません。

\(n\) に注目すると、\(n\) について等差数列であることが読み取れると思います。

ただ、色々ケチをつけられたくないので、【解答】では

\(P_{n \ , \ k}-P_{n-1 \ , \ k}=\displaystyle \frac{5}{6^{k+1}}\)

と差を取り、

  • \(P_{n \ , \ k}-P_{n-1 \ , \ k}=\displaystyle \frac{5}{6^{k+1}}\)
  • \(P_{n-1 \ , \ k}-P_{n-2 \ , \ k}=\displaystyle \frac{5}{6^{k+1}}\)

\(\vdots\)

  • \(P_{k+1 \ , \ k}-P_{k \ , \ k}=\displaystyle \frac{5}{6^{k+1}}\)

として辺々を加える方向でまとめていきたいと思います。

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