座標

2023/3/16

2023年度 九州大学理系第3問【任意の格子点が斜交座標においても格子点となる条件】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ベクトルに関する論証問題ですが、1次変換に伴う斜交座標への変換という話題を扱っており、現行課程に行列がないため受験生はイメージが掴みにくいでしょう。 成分を用いて噛み砕いていくことで、数式的に処理していけますので、特別な知識は必要ありません。 ただ、問題の条件を適切に咀嚼する顎の力が必要です。 また、最後の (3) は全称命題としての独特の捌き方をします。 「任意の(全ての)」や「存在する」といった言葉をきちんと汲み取る力も求められ、文字も多 ...

2023/2/27

2023年度 東京大学理系第4問【球と三角形が共有点をもつ条件】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間座標に関する問題で、ベクトル特有の機械的処理要素もありつつ、図形的な考察力も要する良問です。 (1) ,  (2) までは東大受験生であれば確保したいレベルで、(3) は差がつくでしょう。 一気に処理しようとせず、一つずつ丁寧に状況を整理していくと、全体像がつかめてきます。 全体像がつかめればこちらのもので、やるべきことや目の付け所が浮かんできやすくなります。 図形的な考察要素を好む東大らしい一問でしょう。 今年のセットの中では他の問題に ...

2023/2/26

2023年度 東京大学理系第3問【円の接線と放物線の弦】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線と円の位置関係から始まり、円の接線が放物線によって切り取られる長さについて考える問題です。 (1) は距離に注目したり、円周上の点をパラメータ表示したり色々捌けるでしょうが、(2) のことを考えるとパラメータ表示をする方が方針面での接続はよさそうです。 (2) はひとまず \(L_{\mathrm{P}}\) を立式するところまでが一つの山場です。 点 \(\mathrm{P}\) における接線の式を立てる \(y=x^{2}\) と連 ...

2023/1/17

アステロイドの射影【ベクトル方程式の活用】【1999年度 お茶の水女子大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) アステロイドに光を当てたときにできる影について考える問題です。 立式さえできれば、曲線の長さという基本的な計算になりますので、この影が表す図形をどのように立式するかがポイントになってきます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む イメージ図 ひとまずは問題の図形 \(D\) ,  \(D'\) のイメージを掴みたいと思います。 図形 \(D\) の境界線が表す曲線を \(C\) ,  図形 \(D'\) の境界線が表す曲 ...

2023/1/6

空間における2円【1999年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間座標における2つの円を扱う問題です。 空間の図形問題は苦手意識をもつ受験生も多く、差がつきやすいトピックスでしょう。 本問は題意の把握、把握後の立式、立式後の処理と各ステージで山場があり、完答するためには確かな力が必要となります。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 題意の把握 一見、 「ん?どういう状況だ?」 と身構える問題です。 条件 (a) を見た印象としては 「原点中心、半径 \(1\) の球 ...

2023/1/3

幾何・座標・ベクトル【解法の選択】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 見た目はベクトルの問題ですが、様々な解法が考えられます。 そのままベクトルで捌くのもいいですし、少し凝った解法で捌いてもよいでしょう。 正攻法に攻めても問題なく捌けるという点は試験場ではありがたいですね。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 路線1:ベクトル 見た目通りベクトルの問題として捌いていくことを考えてみます。 まず、3点 \(\mathrm{A}\) ,  \(\mathrm{B}\) ,  \ ...

2022/12/15

仮想難関大(オリジナル予想問題)【幾何~垂心~】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回は幾何の問題です。 重心や外心、内心などは幾何的性質も豊富ですが、垂心についての幾何的性質については中々スポットが当たらないので、これを機に考えてみてほしいと思います。 難易度は冷静な状態であればやや易でしょうが、試 ...

2022/10/22

2乗和と1乗和の解法選択【1993年度 一橋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 単位円上の4点 \(\mathrm{A}\) ,  \(\mathrm{B}\) ,  \(\mathrm{C}\) ,  \(\mathrm{P}\) について \({\mathrm{PA}}^{2}+{\mathrm{PB}}^{2}+{\mathrm{PC}}^{2}\) \({\mathrm{PA}}+{\mathrm{PB}}+{\mathrm{PC}}\) という2乗和、1乗和について扱う問題です。 2乗和、1乗和によって取りたく ...

2022/6/20

円を折り返した折り目の存在範囲【1992年度 千葉大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円を折り返したときの折り目の存在範囲を考える問題です。 シンプルな題意ですが、解き進めていくといくつかの上級テーマが次から次へと襲い掛かってくるため、完答するためにはそれらを払いのけるだけの確固たる力が必要です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 座標の設定 まずは座標の設定です。 自然に設定するとしたら \(\mathrm{A}\)\((-1 \ , \ 0)\) ,  \(\mathrm{B}\)\((1 \ , ...

2022/5/20

放物線の交点による四角形の対角線【2011年度 立命館大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線の交点によってできる四角形の対角線の方程式を求めるという問題です。 まともにカチ合うと茨の道であることは目に見えると思います。 テーマ的には 交点を通る図形の方程式 というテーマです。 よくあるのは 円と円の交点を通る円または直線 について扱った問題で、単元学習時点ではクセの強さゆえ、中々自分のものにするのが大変なトピックスだったと思います。 本問はそのような基本問題をしっかりと自分のものにしているという前提で、その考えを使いこなす応用 ...

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