場合の数・確率系

2021/7/30

通・不通問題【到達可能かどうかを考える】【2013年度 学習院大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 頂点を結ぶ線分が「通れるか通れないか」がランダムに決まり、最終的にある頂点からある頂点へ「到達可能か」を考える問題です。 今回3題もってきましたが、扱う図形は様々です。 様々であるがゆえにマニュアル的な態度ではなく、その図形的特徴を考慮してその場で急所を掴んでいく 「その場力」 がものを言う問題でしょう。 例題は ...

2021/7/16

漸化式の視覚化【視覚的な意味と操作の意味を考える】【2015年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\displaystyle \frac{1}{2}\) からスタートし、2種類の関数を用いて次々と値を出して数列を作っていくという操作について考えます。 京大らしく、シンプルな問題ですが簡単ではありません。 これまた京大の特徴の一つである「誘導がない」形式での出題なので、構想から自分で組み立てる必要があります。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む この数列の振る舞いをどう捉えるか 簡単な実験をしてみて ...

2021/7/11

蛇経路【経路問題の難問】【1994年度 千葉大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定番の経路問題をベースとして、プラスアルファの思考要素が入った問題です。 (1) は落としたくないレベルですが、(2) は難問です。 東大に現役で合格するような受験生でも、このタイプは初見だと四苦八苦します。 逆に、割合は少ないですが、あっさりと解決してしまう人もいるので見える人には見えるのでしょう。 なお、(2) のモデルケースを考えてみると、蛇みたいな経路に見えるので、蛇経路と呼んでいます。 (私が勝手に呼んでいるだけで市民権はありません ...

2021/7/1

サイコロの出た目の最大公約数と最小公倍数【2020年度 北海道大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) サイコロを \(n\) 回投げ、出た目の最大公約数を考える問題です。 1991年度筑波大学、2007年度大阪大学、2016年度九州大学などでも出題されています。 特に、最大公約数が \(1\) となる場合をどのように処理するかはきっちりと差がつくでしょう。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 最大公約数が 3 とは 最大公約数が \(3\) ということは 毎回 \(3\) か \(6\) が出る というの ...

2021/6/26

正多面体の色の塗り分け【双対構造の利用】【2016年度 久留米大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 正多面体の色の塗り分け問題です。 よくあるのは立方体の色の塗り分けですが、本問は少しそれを発展させて正八面体の塗り分けを考えてみます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 円順列の基本 円順列(回転による一致)を考える際の基本は 誰か一人の眼から見て、他がどうなっているか ということです。 例えば、遊園地にあるコーヒーカップというアトラクションがありますね。 あれに、お父さん、お母さん、息子の3人が乗ると思ってください ...

2021/6/24

巴戦【状態を追えるかの判断】【2016年度 東京大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 巴戦という形式の勝者の決め方を題材にした問題です。 大相撲の千秋楽で同じ勝率の力士が3人いた場合に用いられます。 有名ネタであり、類題も散見されます。 本問のように、野球の試合で巴戦というのは時間的に相当かかるので1日でやるのは現実的ではないでしょうね。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 方針決定するうえで 確率の大きな方針決定の指針として 漸化式を導入するか否か ということが考えられます。 回を重ねて ...

2021/6/22

ポリアの壺【仮定を味方につける】【2007年度 産業医科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ポリアの壺と呼ばれる有名問題です。 経験がないと、右往左往することになると思います。 結果自体は分かりやすく、インパクトがあるものですから今後の糧としてもよいと思います。 とは言え、難しさを実感したり、困難の素はどこにあるのかを実感し、それをどのように解決するかという数学を学ぶにあたり大切な態度を養ういい機会となる問題なので、初見であってもまずは限界まで考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ...

2021/6/11

取り出したカードの数が等差数列となる確率【2005年度 京都大学】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) とてもシンプルな問題ですが、いざ考えてみると難しく感じるという、いかにも京大らしい問題です。 愚直に押し切る方法と、見方を変えればあっさりと解決できる方法があります。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 愚直に解くとなると \(n=3\) のとき \((1 \ , \ 2 \ , \ 3)\)  \(\cdots\) 公差 1 \(n=4\) のとき \((1 \ , \ 2 \ , \ 3)\) ,  ...

2021/5/26

簡易的なポーカー【ストレートとフラッシュの確率】【1995年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題をよくよく観察してみると、トランプのポーカーをモデルにしているということが分かります。 同じ色が揃うというのは、ポーカーでいうと「フラッシュ」ということですし、番号が連続するというのは「ストレート」ということでしょう。 枚数などがオリジナルのルールとは若干違いますが、計算量などの調節のためでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む フラッシュについて まずは、\(P_{n}\)について考えてみます。 例えば赤が ...

2021/4/30

確率漸化式【状態推移をとらえる練習】【立式した漸化式の処理】【2007年度 お茶の水女子大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   難関大頻出テーマである「確率漸化式」をテーマとした問題です。 難関大において、確率漸化式の問題は基本的なものから、凝ったものまで幅広く出題されていますが、本問は 難関大に向けた演習として負荷が適度である ということを意識して選びました。   (以下ネタバレ注意)     + クリック(タップ)して続きを読む 漸化式の立式 (1) という設問が、 \(n-1\) 回目と、\(n\) 回目の状態推移を考 ...

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