サイコロの目の約数と論証【2014年度 奈良女子大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) サイコロを投げて出た目の数の約数の番号の付いたカードを裏返していくという問題です。 実は、この設定で昔作問したことがありました。 当時は自分の中で新作問題のつもりで模試用に作問したのですが、後に奈良女子大で出題されていた本問を発見し、 そりゃこのぐらいシンプルな設定であれば被るわな と思ったのを思い出します。 その問題は最後に類題としておいておきますので、よかったらどうぞ。 なお、以下の解説では赤面の状態をR、白面の状態をWと表し、左から番号 ...
等差数列の和の最大【2004年度 群馬大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 数列分野の中で一番最初に学習する基本的な数列である等差数列。 その等差数列と和について扱った問題です。 大抵この分野の問題は難易度的には基本レベルの問題になりがちですが、本問は定番の話題である等差数列の和の最大問題をベースとした運用力の上に 洞察力 構想力 処理力 などが求められる難問です。 各種スタミナが必要であり、機械的な態度だけでは完答するには厳しいでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 等 ...
高次方程式と因数定理【2005年度 早稲田大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 高次多項式に関する求値問題で、難易度としては基礎寄りの基本問題です。 因数定理の運用に関する問題としては適度な難易度であり、ポイントが絞られていることもあり、例題として扱いたい要素があります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(Q(1)=Q(2)=\cdots=Q(2006)=0\) という強力な条件は、因数定理をインスピレーションさせるでしょう。 \(2006\) 次式 \(Q( ...
存在命題と全称命題【1991年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 有名な難問であり、多くの上級参考書にも収録されています。 色々な上級テーマが含まれており、一つ一つは難関大を目指すうえで糧となるポイントなのですが、逆に 結局何が大事なのか を見失う可能性もあります。 この問題を扱うにあたっては 大枠としてのポイント 存在命題と全称命題の扱い 処理上のポイント \(a\) , \(b\) を互いに素な整数としたときの \(ax+by\) の扱い に絞りたいと思います。 その他、周期性に関する別解なども考えら ...
折れ線と直線で囲まれる図形の面積【1994年度 工学院大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルだけどフィルターがちゃんとかかっていて、見るべき部分を見なければ解けない という良問の要素を含んでいます。 今回の題意の面積は所詮三角形の面積の総和です。 とは言え、誘導もないため、構想から組み立てる必要があり、なめてかかると想定外の負荷がかかるかもしれません。 「解説を聞いてしまえばそれまで」というタイプの問題なので、ひとまずは自力で解き進めていきましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ...
2本の対称軸をもつグラフ【1999年度 京都府立医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 対称軸を2本もつグラフについて考察させる問題です。 このような論証に慣れていない受験生も多いことでしょう。 感覚的には「そりゃそうだよな」と思える部分もあります。 主張が割と本格的なものであり、難問の匂いが漂います。 結果論から申し上げれば、解答を聞くと特別なことは特に何もしていないと感じると思います。 人によっては「難問?」と思う人がいても不思議ではありません。 ただ、寂しいかな現実的にはアタフタして終わってしまう人の方が多数でしょう。 差 ...
確率の最大【隣接2項比較】【2003年度 京都産業大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 確率の最大を求めるという問題を扱います。 恐らく単元学習の段階では解法のクセの強さと、考え方に慣れていないため、難問という位置づけだったと思います。 ただ、演習段階においては定番の類の問題と言ってよく、学習の定着度があらわれるテーマです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 3回目の1で操作終了ということを噛み砕いてイメージすれば というように 直前の \(n-1\) 回目までにリーチが ...
定義域が整数の2次関数【1993年度 高知大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定義域が整数である2次関数に関する問題を扱います。 とびとびの整数を代入してできる値だけを考えることになるため、実数の問題の態度とはまた変わってくることになります。 ひとまず素朴な題意の問題を例題としてもってきました。 この後に類題を2題用意していますが、設定により例題で通用した態度が通じなかったり、逆に新たな別解が生じたりということで、対応に一貫性がないように思えるかもしれません。 そういった意味で観察力や対応力寄りの力が求められる問題と言 ...
平方三角数とペル方程式【1994年度 津田塾大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角数かつ平方数となる数について考える問題です。 例えば、\(36\) という数は \(36=6^{2}\) \(36=1+2+3+4+5+6+7+8\) と平方数でありながら、三角数でもあります。 このようなものが無数に存在することを示すのがオチです。 この「平方三角数」を作成する際に、 \(x^{2}-2y^{2}=1\) というペル方程式が関わってくるあたりが面白く、興味深いですね。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タ ...
余事象を正しく捉える【1997年度 名古屋市立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) いわゆるランダムウォーク(酔歩)と呼ばれる類の問題です。 様々なバリエーションがありますが、本問は正三角形上の辺を通って下段に降りていくという設定です。 この分野の問題らしく、その問題特有の設定や急所を見抜きながら対応していく「その場力」が必要な問題です。 計算量自体はそこまで多くはなく、洞察力寄りの力が求められます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 2回の移動で \(\mathrm ...