有名曲線【カテナリー(懸垂線)】【2017年度 名古屋市立大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) カテナリー(懸垂線)と呼ばれる有名曲線を扱った問題を見ていきます。 カテナリー(懸垂線)とは カテナリー(懸垂線)は鎖やロープの両端をもってぶら下げたときにできる曲線と紹介されるのが有名です。 カテナリー(懸垂線)を与える式 \(a\) は \(a \gt 0\) を満たす定数とするとき、カテナリー(懸垂線)を与える式は カテナリーを与える式 \(f(x)=\displaystyle \frac{a(e^{\frac{x}{a}}+e^{-\ ...
三角比が等差数列をなす角度【sinθ,cosθ,tanθの並べ替え】【2003年度 札幌医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) この問題のオチは考えてみたくなります。 できることなら (1) や (2) の誘導なしで考えてみてほしいところですが、(1) , (2) 自体も筋が悪いとアタフタするかもしれません。 視覚的には といった感じでグラフ的にとらえると、確かに題意の主張は納得できます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 基本的には微分してゴリゴリ路線です。 \(f'_{1}(x)\) を計算 ...
有名曲線【等角螺旋と特徴的な性質】【2000年度 神戸大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 有名曲線の一つである「等角螺旋」と呼ばれる曲線について扱った問題です。 対数螺旋、ベルヌーイの螺旋など様々な呼ばれ方がありますが、性質的なものと関連付けると等角螺旋という呼び方が「名が体を表す」ような呼び方なのでここではそう呼ばせてもらいます。 本問は教科書的な力で言えば 微分法の基本的な運用力 ベクトルを用いて座標平面上の角度を扱う力 パラメータ表示された曲線の弧長を求める力 が問われています。 上記の力をはかるためには、別に等角螺旋を題材 ...
微分方程式【積分因子法】【2000年度 東京理科大学】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 微分方程式は厳密には教科書範囲では発展扱いとなっていますが、知識の差で出来具合が大きくならないように誘導をつけて出題されることはしばしばあります。 1階の微分方程式の有名な解法としては 変数分離法 積分因子法 というものがありますが、今回は「積分因子法」に焦点を当てていきます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について (1) は「関数方程式」として見ることになります。 恒等式と見ることになり ...
回転体の回転体【タイヤの回転体】【2011年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 平面内の長方形を回転させ、出来上がった回転体をさらに回転させるという問題です。 空間座標における回転体に習熟している必要があり、やるべきこと(目の付け所)がしっかりと自分のものになっていれば確保できますが、そうでない場合はインプットをしっかりとした上で、アウトプットをこなすことで「血となり肉となる」状態を作り上げましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について (1) については \(xy ...
tanの逆関数【定積分で表された関数の扱い】【2012年度 神戸大学ほか】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回は \(\tan{ \ }\) の逆関数を扱った問題を扱います。 それなりに手垢の付いている話題なので、ちょこちょこ様々な大学で出題されています。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 今回の \(f(x)\) は \(\displaystyle \int_{0}^{x}\displaystyle \frac{1}{1+t^{2}} dt\) は \(\tan{x}\) の逆関数を表します。 その知識の差が出来不出来 ...
180°しか回転しない空間座標の回転体の体積【2009年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 通常の空間座標における回転体の体積自体、東大は好んで出題する傾向にありますが、本問は 180°しか回転しない回転体の体積 について扱います。 このような「こうなったらどうする?」という味付けは教育的で、いかにも東大らしい良問だと思います。 とは言え、難易度という点では少しハードかなとは思います。 初見の方はぜひ考えてみてください。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む イメージ図について のようなイメージで ...
有名曲線【サイクロイド】【パラメーター表示された曲線の接線の扱い】【1988年度 岐阜大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) サイクロイドという有名曲線を扱った問題です。 サイクロイドとは ガムを踏んだタイヤが転がったときの、ガムの軌跡 です。 サイクロイドの中でも一番シンプルな地面を転がるタイプです。 パラメーター表示された曲線の扱いがしっかりしていれば、サイクロイドだということを知らなかったり、見抜けなかったとしても、問題自体は解くことができます。 ひとまずはパラメータ表示された曲線の扱いと言う部分の確認として利用してみてください。 本問は、簡単すぎず、難しすぎ ...
抽象的な関数【条件や定義から結論まで辿り着く】【2000年度 名古屋市立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 抽象的な関数に対する扱いをテーマとした問題です。 話を進めていくうえで、使ってよいことをしっかり整理する力が必要です。 (この問題に限らないですが。) 本問は難易度面でも適度な問題で、抽象的な関数を扱う際の「特有の脳みその使い方」を学べると思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 三角関数の加法定理? 与えられた問題の条件をよく観察してみると \(f(x)=\sin{x}\) , \(g(x)=\ ...
πが無理数であることの証明【定積分の利用】【2003年度 大阪大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円周率 \(\pi\) は無理数です。 と習ったのは中学生ぐらいでしょうか。 教わったときは「へぇ~、そうなんだ」と流してしまう人がほとんどでしょう。 自分もその一人でしたが、心のどこかで「なんでだろう」という引っかかりをもってはいました。 本問は一応「高校で学習する内容の範囲」で 円周率 \(\pi\) が無理数であるという結論まで辿り着けるように設計されています。 もちろん、厳密性を言い出したらキリがない部分もありますが、なぜ \(\pi ...