高次方程式と因数定理【2005年度 早稲田大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 高次多項式に関する求値問題で、難易度としては基礎寄りの基本問題です。 因数定理の運用に関する問題としては適度な難易度であり、ポイントが絞られていることもあり、例題として扱いたい要素があります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(Q(1)=Q(2)=\cdots=Q(2006)=0\) という強力な条件は、因数定理をインスピレーションさせるでしょう。 \(2006\) 次式 \(Q( ...
存在命題と全称命題【1991年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 有名な難問であり、多くの上級参考書にも収録されています。 色々な上級テーマが含まれており、一つ一つは難関大を目指すうえで糧となるポイントなのですが、逆に 結局何が大事なのか を見失う可能性もあります。 この問題を扱うにあたっては 大枠としてのポイント 存在命題と全称命題の扱い 処理上のポイント \(a\) , \(b\) を互いに素な整数としたときの \(ax+by\) の扱い に絞りたいと思います。 その他、周期性に関する別解なども考えら ...
2本の対称軸をもつグラフ【1999年度 京都府立医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 対称軸を2本もつグラフについて考察させる問題です。 このような論証に慣れていない受験生も多いことでしょう。 感覚的には「そりゃそうだよな」と思える部分もあります。 主張が割と本格的なものであり、難問の匂いが漂います。 結果論から申し上げれば、解答を聞くと特別なことは特に何もしていないと感じると思います。 人によっては「難問?」と思う人がいても不思議ではありません。 ただ、寂しいかな現実的にはアタフタして終わってしまう人の方が多数でしょう。 差 ...
定義域が整数の2次関数【1993年度 高知大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定義域が整数である2次関数に関する問題を扱います。 とびとびの整数を代入してできる値だけを考えることになるため、実数の問題の態度とはまた変わってくることになります。 ひとまず素朴な題意の問題を例題としてもってきました。 この後に類題を2題用意していますが、設定により例題で通用した態度が通じなかったり、逆に新たな別解が生じたりということで、対応に一貫性がないように思えるかもしれません。 そういった意味で観察力や対応力寄りの力が求められる問題と言 ...
4次方程式の解法【オイラーの手法】【2008年度 横浜市立大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 元々4次方程式の解法についてはフェラーリの方法が有名ですが、今回はオイラーさんにスポットが当たっています。 4次方程式の解法について 「オイラーさんがこういう方法を考えたんだけど、一緒に解いてみよう」 というN◎K的な問題です。 逆に言えば、言われたことをやっていればできてしまうとも言えます。 根号が次から次へと飛び交うため、整理力がモノを言います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について ...
内積と軌跡【軌跡の範囲】【2002年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 本問の料理名は 軌跡のベクトル風味仕立て~範囲のスパイスとともに~ でございます。 定番の味付けの中に、ピリッとアクセントの効いた味わいをお楽しみください。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について まずは前菜でございます。 点 \(\mathrm{A}\) \((a \ , \ a^{2})\) , \(\mathrm{B}\) \((b \ , \ b^{2})\) という設定により、 ...
等式の扱いと文字消去【2002年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 中々の強面です。 与えられた関係式そのものも強面ですが、「存在条件」というのもパッと見でこわいものがあるでしょう。 そもそも問題文の意味を正しく捉えられるかという点でも結構強力なフィルターがかかっていると思います。 ただ、強面ですが、根はいいやつなので仲良くしたい問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 題意の把握 よく分からなければ具体例で実験してみましょう。 下手くそな \(a\) , \(b ...
複素数の実数条件と軌跡【2004年度 岡山大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数の実数条件と、それを満たすような点 \(z\) の集合について考える問題です。 試験場で遭遇したと想定したら、確保したい標準的な難易度でしょう。 複素数平面の問題は様々な解法が考えられ、方針によって労力が変わってくることも珍しくありません。 方針というのは、ある意味「翻訳の仕方」と言ってもよいと思いますが、今回は複素数が実数であるということをどのように翻訳するかという部分を確認していきます。 (以下ネタバレ注意) + クリ ...
tan1°は有理数か【sin1°とcos1°についても考える】【2006年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 言わずと知れた伝説の問題です。 出題された当時、大きく話題になりました。 通常シンプルな問題というのは振り切った難問になりがちですが、本問は常識の範囲内の難問で収まっています。 複雑な計算はいらず、ボリュームも膨らまず、洞察力をシンプルに問う良問です。 とは言え、試験場での出来はよろしくなかったようです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 大枠は背理法 無理数だということは直感的に分かりやすいでしょう。 ...
3変数対称式の最大値【1996年度 大分医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3変数の対称式に関する最大問題で、難問と言ってよいと思います。 今回の3変数は独立3変数なので、例えば、\(y\) と \(z\) を固定し、ひとまず \(x\) の関数として捉える、といったような 予選決勝法 を睨むのが第1感ですが、まともにぶつかると結構厳しいものがあると思います。 そこをどう乗り越えていくかが本問の山場です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 与式を大きくしようという気持ち 与式である \(\d ...