最短経路に関する応用問題【1981年度 高知医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 最短経路に関する問題は大抵の場合 場合の数・確率 の分野の問題です。 本問は最短経路に関する場合の数ではなく、最短経路を題材として式の扱いや論証力を試す最大最小問題です。 経験と思考力の双方が求められます。 割合的には思考力寄りの問題で、アイデア一つで困難を乗り越える感覚が味わえる好きな問題の一つです。 そのアイデアも突拍子もないものではなく、難関大受験生なら一度はどこかで目にしたことのあるアイデアです。 また、そのアイデアをインスピレーショ ...
角度の評価【2013年度 お茶の水女子大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\tan{ \ }\) の値が与えられ、その角度に関する評価を考える問題です。 先日 という \(\cos{ \ }\) の値に関する評価問題を考えましたが、本問は \(\tan{ \ }\) にスポットが当てられています。 難易度は難関大に合格するためには試験場では確保したいレベルです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(\alpha\)が鋭角なのであれば という図を考えれば ...
様々な関数方程式【1960年度 神戸大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 数学では珍しい一問一答的な問題です。 ただ、その中でも 特徴的な形を見逃さない 特徴を抽出する という力を養ううえでいい訓練になると思います。 特に最後の \(f(2x)=f(x)\) を満たす \(f(x)\) については、人によっては苦戦するでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(f(-x)=-f(x)\) は奇関数がもつ特徴的な性質です。 (というより、この特徴をもつ関 ...
三角形の内角のtanの和【1966年度 金沢大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 非常にシンプルな問題です。 切れ味鋭く捌くこともできますし、腕力で押し切ることもできます。 いずれの路線にせよ、確かな力が必要です。 類題としては などがあります。 原題では誘導設問がついていましたが、それだと面白くなくなってしまうのと、誘導がなくても現実的に処理可能であるということ、試験問題ではなく教材としての提供であることを考え心を鬼にして誘導をカットしました。 ぜひ構想を含めて手を動かしながら考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ ...
2乗した関数と合成関数の恒等式【関数方程式】【1976年度 信州大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2乗した関数と、合成関数が恒等式となるような整式 \(f(x)\) を求めるという問題で、 この関係式を満たす \(f(x)\) なぁ~んだ? という「関数方程式」です。 愚直な方法で処理することも可能ですし、計算をほとんどすることなく捌くこともできます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 方針1:恒等式の処理 \(f(x)\) が整式であるということが分かっているならば、まずは 何次式なのか というこ ...
抽象的な関数の不等式【2000年度 早稲田大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(f(x)\) が具体的に与えられていない中で、不等式を解かせるという問題です。 根拠として使用してよいことと、マズイことがしっかり分かっているかを試す問題です。 論証という点において重きが置かれていると考えてよく、結論が合っているかどうかだけで判断せず、 言及すべき部分をきちんと言及しているか ということもきちんと確認したいポイントです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む モデルケースで言えば 関数 ...
双曲線の接線【2017年度 大阪大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 双曲線の接線に関する基本問題です。 難易度面で言えば、基礎の位置づけになると思いますが、本問が主張する内容的な部分も味わってみると興味深いものがあります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 双曲線の接線公式 双曲線の接線公式 双曲線 \(\displaystyle \frac{x^{2}}{a^{2}}-\displaystyle \frac{y^{2}}{b^{2}}=1\) 上の点 \((x_{0} \ , \ ...
円の包絡線【2002年度 神戸大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円に沿って動く接線の通過領域について考えるという問題です。 \(t\) の値によらず円に接しているという、強力な事実が先に与えられているため、(2) の通過領域については (1) が求まればなんとかなりそうです。 範囲付きの処理となるため、そのあたりがどこまで処理量に響いてくるかが問題かなというのが第一印象でしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 様々な解法が考えられます。 路線1 ...
積と和が等しい複素数の組【2000年度 群馬大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(xyz=x+y+z\) という関係式を満たす自然数の組を求めさせる問題は整数問題の典型問題としてよくありますが、複素数としての問題で考えようという問題です。 題意が分かりやすく、共有しやすい問題です。 最初から手際よく処理できれば問題ないですが、泥臭く完答を狙っていくこともできますので試験場のつもりで取り組んでみてください。 本問は医学部の問題で、完答するためにはそれなりにスタミナが必要になるでしょう。 (以下ネタバレ注意) ...
巡回群【2001年度 京都府立大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 巡回群を背景とした問題で、話の進め方は高校生ではあまり馴染みのないものです。 古典作品の観賞のつもりで楽しむぐらいの気持ちで取り組んでくれればと思います。 感覚的には「そりゃそうだろ」という気持ちになるかもしれませんが、きちんと論証しようとなると難しさを感じるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について とにかく例をつくればいいということで 見つけたもん勝ち です。 複素数には 値とし ...