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仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。
「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」
という方はぜひご活用ください。
今回は座標に関する問題です。
翻訳の仕方によって体感の処理の重さが変わってくると思います。
ひとまずはいけるところまでは手を動かしてみてください。
人によっては途中、吐きそうな処理に出会うと思います。
そこで初めて観察力を要求されます。
そこまでは何とか辿り着いてほしいですし、何なら最後まで完走してほしいと思います。
試験場だとパニックになりかねない要素もあるため、本番を想定してやってみるとよいでしょう。
(以下ネタバレ注意)
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設定される順に翻訳していく
本問の構造としては
- 点 \(\mathrm{A}\) の座標が \((a \ , \ a^{2})\) と与えられる。
- 点 \(\mathrm{A}\) における接線の式が決まる。
- 接線と \(y\) 軸との交点 \(\mathrm{B}\) が決まる。
- 線分 \(\mathrm{AB}\) の中点 \(\mathrm{M}\) の座標が決まる。
- 円 \(C_{2}\) が決まる。
- 放物線 \(C_{1}\) と 円 \(C_{2}\) の交点 \(\mathrm{P}\) が決まる。
という構造で求まっていきます。
この流れに沿って順次
- 点 \(\mathrm{A}\) の座標が \((a \ , \ a^{2})\) と与えられる。
- 点 \(\mathrm{A}\) における接線の式が求まる。
- 接線の式から \(y\) 軸との交点 \(\mathrm{B}\) の座標が求まる。
- 線分 \(\mathrm{AB}\) の中点 \(\mathrm{M}\) の座標が求まる。
- 円 \(C_{2}\) の中心と半径が求まったことから円 \(C_{2}\) が立式できる。
- 放物線 \(C_{1}\) と連立することで交点 \(\mathrm{P}\) の情報に迫る
という流れで考えていくのが自然かつ素直な方針でしょうか。
最後の
- 放物線 \(C_{1}\) と連立することで交点 \(\mathrm{P}\) の情報に迫る
部分で
\(x^{4}+x^{2}-ax-a^{4}=0\)
という \(4\) 次方程式が得られます。
この解が \(C_{1}\) , \(C_{2}\) の交点の \(x\) 座標を与えることになります。
ただ \(C_{1}\) , \(C_{2}\) の交点の一つは点 \(\mathrm{A}\) であり、この \(4\) 次方程式が \(x=a\) を解にもつことは最初から分かっていますから
\((x-a)\{x^{3}+ax^{2}+(a^{2}+1)x+a^{3}\}=0\)
と因数分解できることに注意しましょう。
もちろん、\(x=a\) は点 \(\mathrm{A}\) の \(x\) 座標を与えるため、点 \(\mathrm{P}\) の \(x\) 座標は
\(x^{3}+ax^{2}+(a^{2}+1)x+a^{3}=0\)
の方から得られます。
これが因数分解できればいいのですが、これ以上因数分解できそうにありません。
ここからが腕の見せ所となります。
路線2:直径を直交条件で捌く
人によっては、線分 \(\mathrm{AB}\) が円 \(C_{2}\) の直径となっており、点 \(\mathrm{P}\) がこの円 \(C_{2}\) 上の点であることから
\(\angle{\mathrm{APB}}=90^{\circ}\)
として話を進めることを考えるでしょう。
この場合、例えば
\(\overrightarrow{\mathrm{PA}}\cdot \overrightarrow{\mathrm{PB}}=0\)
と、内積が \(0\) という翻訳が考えられます。
この場合、やってみると分かりますが、最後の最後に
\(108a^{3}-216a^{2}+93a-10=0\)
という吐きそうな \(3\) 次方程式が待ち構えています。
あることを看破していないと、この \(3\) 次方程式を因数分解するのは絶望的でしょう。
まとめ
方針によって処理の重たさが変わりました。
厄介なのは路線2でも、特に変なことはやっておらず試験場だとパニックになりかねません。
試験場であれば、一旦他の問題に移るなどムキにならず冷静に対応しましょう。
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