実践演習 整数系

フェルマー数【各種性質】【2006年度 岐阜大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

本問のように、\(n\) を \(0\) 以上の整数として、\(a_{n}=2^{2^{n}}+1\) という形で与えられる数を

フェルマー数

と言います。

フェルマー数を小さい方から並べると

\(a_{0}=2^{1}+1=3\)

\(a_{1}=2^{2}+1=5\)

\(a_{2}=2^{4}+1=17\)

\(a_{3}=2^{8}+1=257\)

\(a_{4}=2^{16}+1=65537\)

となり、ここまでは全て素数です。

フェルマーはこの先も素数となることを予想しましたが、残念ながら

\(a_{5}=2^{32}+1=4294967297=641 \times 6700417\)

と、\(a_{5}\) が合成数となることがオイラーによって発見されました。

素数を生み出し続けるいわば「素数生成式」の発見は数学者にとって大きな夢でしょう。

そこに挑んだ数々の数学者たちの想いやドラマも多々あります。

本問はそんな様々あるトピックスの一端です。

(以下ネタバレ注意)

 

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隣接2項間の関係

本問 (1) のように

\(a_{n+1}=(2^{2^{n}}-1)a_{n}+2\)

という関係が成立します。

証明ということになると、もちろん

  • 左辺から右辺に式変形していく。
  • 右辺から左辺に式変形していく。

のいずれかを考えることになるでしょう。

比較的シンプルな左辺をいじって、複雑な右辺に辿り着こうとするよりも

複雑な右辺を式変形していったら、シンプルに \(a_{n+1}\) とまとまった。

という路線の方がやりやすいと思います。

その他の関係

フェルマー数の隣接2項間の関係としては

\(a_{n+1}=(a_{n}-1)^{2}+1\)

という関係もあります。

証明については【総括】で触れてあります。

積との関連について

本問 (2) のように

\(a_{n}=a_{0}a_{1} \cdots a_{n-1}+2\)

という関係が成り立ちます。

今回の問題では「数学的帰納法」という解法縛りがあるため、方針面で困ることはないはずです。

帰納法で用いることになる漸化式についても (1) で準備済みのため、あとは指数だらけの式変形でミスしないことに集中すればよいでしょう。

数学的帰納法という解法縛りがなければ、

\(A^{2}-B^{2}=(A+B)(A-B)\)

という和と差の積を繰り返し用いながら、直接書き下していくこともできます。

それについては【総括】の中で触れてあります。

相異なるフェルマー数は互いに素

実は原題はこの設問はありませんでした。

ただ、フェルマー数にまつわる大きな性質の一つであるため、この流れの中で盛り込むことにしました。

(2) の性質を用いると、ほぼ即座に矛盾します。

とは言え、何の抵抗もなく

「あれ?(2) の結果から即言えないか?」

と見えるかどうかについては、差がつくと思います。

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