場合の数・確率系 実践演習

大小関係の決まった順列【取り出した番号が単調増加となる確率】【2015年度 滋賀大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

単元学習や定期考査段階では上級テーマに位置づけられる問題です。

ただ、入試の実戦段階では定番のテーマであり、対応できてほしいタイプの話題です。

(1) ,  (2) は基本で、 (3) ,  (4) が今回のテーマである「大小関係の決まった順列」を扱った設問です。

(以下ネタバレ注意)

 

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(1) について

取り方の総数は \(9^{4}\) 通りです。

このうち、4回とも異なる数字を取るという取り方は

1回目:9通り

2回目:1回目で取った数以外の8通り

3回目:1回目、2回目で取った数以外の7通り

4回目:1~3回目で取った数以外の6通り

であり、\(9\cdot8\cdot7\cdot6\)通りです。

もちろん、\({}_9 \mathrm{ P }_4\) 通りとやってもよいです。

(2) について

題意の取り方は \(a \ , \ a \ , \ b \ , \ b\) というような取り方です。

\(a\) , \(b\) の決め方は  \({}_9 \mathrm{ C }_2\) 通り

この \(a \ , \ a \ , \ b \ , \ b\) の並べ方の数だけ、\((a_{1} \ , \ a_{2} \ , \ a_{3} \ , \ a_{4})\) の決め方があるため、求める確率は

\(\displaystyle \frac{{}_9 \mathrm{ C }_2 \cdot \displaystyle \frac{4!}{2!\cdot2!}}{9^{4}}\)

ということになります。

(3) について

単元学習の段階でやらせてみると、頭を抱えてしまう人が多いです。

結局、9つの数の中から、異なる4つの数を選びさえすれば

小さい方から \(a_{1}\) , \(a_{2}\) , \(a_{3}\) , \(a_{4}\) に対応させる

だけです。

つまり、求める確率は

\(\displaystyle \frac{{}_9 \mathrm{ C }_4}{9^{4}}\)

ということになります。

頭を抱えていた人は、解答を聞くと悔しそうな顔をしています。

(4) について

等号が入ると勝手が違ってきます。

\((a_{1} \ , \ a_{2} \ , \ a_{3} \ , \ a_{4})=(3 \ , \ 3 \ , \ 7 \ , \ 8)\)

のように

  • 重複が許される
  • (3)同様に使う数だけが問題(組合せの問題)

という、いわゆる「重複組合せ」の問題です。

重複組合せの問題では

重複組合せのポイント

〇と仕切りを並べて対応を考える

というのが基本になります。

具体例

今回は4つの〇と8本の仕切りを用意します。

8本の仕切りによって9つの領域に分かれます。

この9つの領域にある〇の個数を左から

1の個数 ,  2の個数 ,  \(\cdots\) ,  9の個数

と対応させることにします。

例えば

||〇|〇||||〇〇|

という並びは

3を1個、4を1個、8を2個使用する

ということを表し、

\((a_{1} \ , \ a_{2} \ , \ a_{3} \ , \ a_{4})=(3 \ , \ 4 \ , \ 8 \ , \ 8)\)

に対応します。

本問はこのように

どの数字を何個使うのか

という「個数の内訳」だけが問題です。

ある意味この「個数の内訳」という急所が「〇仕切り問題」をインスピレーションするシグナルになっていきます。

なお、解くこと以上に記述の仕方が難しいと思います。

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