実践演習 極限・微分積分系

指数関数と対数関数の共有点【逆関数同士の交点について注意】【2018年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

\(y=a^{x}\) と \(y=\log_{a}x\) という逆関数同士のグラフの交点について論じる問題です。

まずは何も見ずにノーヒントでこの問題に対峙してみてください。

恐らく、落とし穴にはまると思いますので。

落とし穴に嵌まりすらせずにギブアップしてしまったという人はそれはそれで問題ですが。

(以下ネタバレ注意)

 

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この年の多くの受験生は (1) の問題において

「逆関数だから \(\cdots\)」

といったように、「逆関数」という一言で切り上げてしまったようです。

この年の受験生を指導していてそのような声が多かったことも記憶しています。

中には、

「どうやって、\(y=a^{x}\) と \(y=\log_{a}x\) が逆関数同士かを示すのかという部分がうまくいきませんでした」

などという声まであったほどです。

\(y=a^{x}\) と \(y=\log_{a}x\) が互いに逆関数の関係にあることは、本問においては問題ではありません。

なぜなら、

逆関数同士の交点でも \(y=x\) 上にないことは十分あり得る

からです。

これが意味することは「逆関数だから」というのは理由にならないということです。

これについては解答後の【総括】のなかで具体例について触れておきました。

いずれにせよ、名古屋大がどういう意図で、そしてどの程度期待して出題したのかは分かりませんが、もしそのあたりまできっちり書くことを期待していたのであれば、採点現場はお通夜だったでしょう。

現実にそこまで論じきれる受験生(特に現役生)は多くはないと思います。

とは言え名古屋大を含む難関大志望者において、「受かるべくして受かる」という受験生はこのあたりに妥協することなく仕上げてくるものです。

添削指導などをしていても、「これはピカイチだな」「この子は抜け目ないな」という答案は毎年一定数あります。

まずはラフでもいいから、考えきって結論まで辿り着けるような力をつけ、その後細部を詰められる力を段階的に身につけてくれればと思います。

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