実践演習 幾何・ベクトル系

四面体の外接球の存在証明【三脚錐の活用】【2011年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

 

四面体の外接球の存在を証明させる問題です。

パッと見て思うこととしては

平面バージョン

平面上に三角形 \(ABC\) を考える。

このとき3頂点 \(A\) ,  \(B\) ,  \(C\) を同時に通る円が存在する。

という2次元での話です。

(以下ネタバレ注意)

 

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2次元での話では言ってみれば、

3点 \(A\) ,  \(B\) ,  \(C\)  からの距離が等しい点 \(P\) を探す。

ということになり、垂直二等分線(2点からの距離が等しい点の軌跡)に注目します。

今回はその拡張と考えると

4点 \(A\) ,  \(B\) ,  \(C\) ,  \(D\)  からの距離が等しい点 \(P\) を探す。

ということになるでしょう。

まずは3点からの距離が等しい点というのは「三脚錐」(勝手に私が呼んでいるだけです)を考えることで見出すことができます。

\(PA=PB=PC\) を満たす四面体 \(PABC\) のことをカメラの三脚に見立てて三脚錐と呼んでいます。

\(P\) から底面 \(\triangle ABC\) に下ろした垂線の足を Q とします。

直角三角形 \(PQA\) ,  \(PQB\) ,  \(PQC\)  が合同であることに注目すれば、Q は底面である \(\triangle ABC\) の外心ということになります。

逆に言えば、\(\triangle ABC\)の外心\(Q\) から真上に点 \(P\) をとれば \(PABC\) は三脚錐ということになり、その点 \(P\) が3点 \(A\) ,  \(B\) ,  \(C\)  からの距離が等しい点ということになるでしょう。

これにより、\(PA=PB=PC\) と仕組むことについては解決であり、残る問題は \(PA=PD\) と繋ぐことでしょう。

「こうやって点 \(P\) を取ればよい」だけでなく、「その点 \(P\) をちゃんととることが可能である」ということまでキッチリと述べる必要があります。

京大に限らず難関大においては、こういったことにまできちんと気を配れる力を欲していると思います。

特に京大は「論証の京大」と呼ばれるだけあって、そういった気を遣わなければいけない問題を意図的に出題しているように思います。

また、本問は座標でゴリゴリ計算して力でねじ伏せることも可能です。

そういった逃げ道が残されているのはありがたいかもしれません。

とは言え、それなりに汚い形と、それなりの計算量にはなりますので覚悟しましょう。

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