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チェビシェフの多項式と呼ばれる有名テーマを扱った問題で、大学入試においても様々な角度から切り込まれています。
初見だと厳しい内容もありますので、代表的な問題を今回シリーズものとして扱うことにしました。
今回は第4弾です。
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チェビシェフの多項式 第1講【第1種チェビシェフ多項式】【2008年度 東京慈恵会医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) チェビシェフの多項式と呼ばれる有名テーマを扱った問題で、大学入試においても様々な角度から切り込まれています。 初見だと厳しい内容もありますので、代表的な問題を今回シリーズものとして扱うことにしました。 このシリーズのまとめはこちら まず、 \(\cos{n\theta}=T_{n}(\cos{\theta})\) を満たす多項式 \(T_{n}(x)\) のことを(第1種)チェビシェフの多項式といいます。 例をあげ ...
チェビシェフの多項式 第2講【チェビシェフの多項式が満たす漸化式】【2015年度 千葉大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) チェビシェフの多項式と呼ばれる有名テーマを扱った問題で、大学入試においても様々な角度から切り込まれています。 初見だと厳しい内容もありますので、代表的な問題を今回シリーズものとして扱うことにしました。 今回は第2弾です。 このシリーズのまとめはこちら 今回はチェビシェフの多項式 \(T_{n}(x)\) が満たす漸化式について考えます。 チェビシェフの多項式 \(T_{n}(x)\) は チェビシェフの多項式が満たす漸化式 $$ ...
チェビシェフの多項式 第3講【第2種チェビシェフの多項式】【1996年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) チェビシェフの多項式と呼ばれる有名テーマを扱った問題で、大学入試においても様々な角度から切り込まれています。 初見だと厳しい内容もありますので、代表的な問題を今回シリーズものとして扱うことにしました。 今回は第3弾です。 このシリーズのまとめはこちら 前回までに \(\cos{n\theta}=T_{n}(\cos{\theta})\) を満たす多項式 \(T_{n}(x)\) について考えてきました。 じゃあ \(\sin{n ...
チェビシェフの多項式 第4講【チェビシェフの多項式のグラフの特徴】【1997年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) チェビシェフの多項式と呼ばれる有名テーマを扱った問題で、大学入試においても様々な角度から切り込まれています。 初見だと厳しい内容もありますので、代表的な問題を今回シリーズものとして扱うことにしました。 今回は第4弾です。 このシリーズのまとめはこちら 今回のテーマは \(y=T_{n}(x)\) のグラフの特徴です。 本問は前回までと違って \(\cos{n\theta}=T_{n}(\cos{\theta})\) といったよう ...
チェビシェフの多項式 第5講【変形チェビシェフの多項式】【2004年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) チェビシェフの多項式と呼ばれる有名テーマを扱った問題で、大学入試においても様々な角度から切り込まれています。 初見だと厳しい内容もありますので、代表的な問題を今回シリーズものとして扱うことにしました。 今回は第5弾です。 このシリーズのまとめはこちら これまでのチェビシェフの多項式 \(T_{n}(x)\) と似ていますが、\(\cos{n\theta}\) ではなく、\(2\cos{n\theta}\) や、\( ...
チェビシェフの多項式 第6講【変形チェビシェフの多項式のグラフ】【2004年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) チェビシェフの多項式と呼ばれる有名テーマを扱った問題で、大学入試においても様々な角度から切り込まれています。 初見だと厳しい内容もありますので、代表的な問題を今回シリーズものとして扱うことにしました。 今回は第6弾です。 このシリーズのまとめはこちら 背景的知識を抜きにしても本問を解くことはできますので、まずは正攻法で挑んでほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリ ...
チェビシェフの多項式 第7講【ミニマックス原理との関連】【1977年度岐阜大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) チェビシェフの多項式と呼ばれる有名テーマを扱った問題で、大学入試においても様々な角度から切り込まれています。 初見だと厳しい内容もありますので、代表的な問題を今回シリーズものとして扱うことにしました。 今回は第7弾です。 【前回までの内容】 今回はミニマックス原理というものが背景にある問題を扱います。 一連の流れが非常に独特です。 誘導があるならともかく、誘導なしの場合、初見で対応するのはかなり難しいと思います。 ...
今回のテーマは \(y=T_{n}(x)\) のグラフの特徴です。
本問は前回までと違って \(\cos{n\theta}=T_{n}(\cos{\theta})\) といったようなチェビシェフの多項式を前面に押し出すキーワードがありません。
そして、特にチェビシェフの多項式に関する前提知識を知らなかったとしても、解くことは可能です。
まずは自由に考えてみてください。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む \(\cos{1\theta}=\cos{\theta}\) より、\(T_{1}(x)=x\) \(\cos{2\theta}=2\cos^{2}\theta-1\) より、\(T_{2}(x)=2x^2-1\) \(\cos{3\theta}=4\cos^{3}\theta-3\cos{\theta}\) より、\(T_{3}(x)=4x^3-3x\) \(\cos{4\theta}\) \(=2\cos^2{2\theta}-1\) \(=2 (2\cos^2{\theta}-1)^{2}-1\) \(=8\cos^4{\theta}-8\cos^2{\theta}+1\) より、\(T_{4}(x)=8x^4-8x^2+1\) これらのグラフをかいてみると のように \(x=\pm1\) , \(y=\pm1\) によってできる正方形に収まっています。 これは \(y=T_{n}(x)\) のグラフの大きな特徴です。 本問の話に戻ります。 \(x\) , \(y\) , \(z\) は問題の中で使われてしまっているので、\(f(X)=2X^2-1\) とします。 \(y=f(x)\) , \(z=f(f(x))\) というように、\(f\) を次々と施してできる \(a_{n+1}=f(a_{n})\) という構造による数列のふるまいを目で見るときに、\(Y=f(X)\) のグラフとともに、\(Y=X\) のグラフを添えることで動きを追っていくということは、よくやる常套手段です。 なので、前提知識がなかったとしても、グラフを書いてみようという気になってほしいところなのです。 そして、そのグラフを基にして前提知識なしに解くことも可能です。 ただ、このグラフの特徴を見落とさずにチェビシェフの多項式をインスピレーションできるようになれば、今後の糧になると思います。 解説の中では、もう少し踏み込んでみます。