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不等式の証明からスタートし、それを用いて n \leq 2\log_{2}n を満たす正の整数 n を求めるという内容です。
(1) の不等式の証明では、与えられた条件式、特に (a) をどのように活用するかが問われます。
(1) の主張は大まかに
- x \geq 2 \log_{t}x ならば、x+1 \gt 2 \log_{t}(x+1)
という構造になっており、さながら帰納法の橋渡し的な内容です。
これを用いて (2) を解くのであろうということを見抜くことがポイントとなります。
なお、(2) の主張は
\log_{2}2^{n} \leq \log_{2}n^{2}
すなわち
2^{n} \leq n^{2}
を満たす正の整数 n を全て求めるということに他なりません。
通常、この問題を解く際には、n が大きくなるにつれて基本的に指数関数の方が大きくなるということを考え、一定以上の n では
2^{n} \gt n^{2}
が成り立ってしまうということを数学的帰納法で裏付けるのがよくある流れです。
それと比べると、本問の誘導は少々窮屈感を感じ、やりづらさを感じた受験生も一定数いたでしょう。