年別アーカイブ:2022年

2022/10/2

素数の階乗【ウィルソンの定理】【素数砂漠】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 素数の階乗を用いた興味深い性質について見ていきます。 問題のオチは素数が無限に存在するということの証明で、この事実の証明自体は で扱っていますが、アプローチは素数の階乗を用いたものです。 上の記事は素数の積を用いたアプローチですが、本問は \(p!\) を用いたものです。 まぁ、\(p!\) の因数の中には \(p\) 以下の素数が全て入っていますから、基本的に全く別のことをやっているというわけではないでしょう。 (以下ネタバレ注意) &nb ...

2022/8/15

仮想難関大(オリジナル予想問題)【不等式の証明~形を活かす~】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回は不等式の証明問題です。 アイデア一つでスパッと斬れると気持ちよいと思います。 ただし、インスピレーションの素となる部分が極力匂わないように、巧妙に消臭していますので、 「解かせる気あるのか」 というクレームは覚悟の ...

2022/8/11

面積比のとり得る値【1997年度 九州大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 決して派手な問題ではありませんが、ベクトルに関する基本的な扱いを要求し、最後は面積比の最小問題がオチという実戦的な演習問題です。 角度を共有する三角形の面積比については手際よく立式したいところです。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(\overrightarrow{\mathrm{OG}}\) についてですが、\(k\) 倍する前の \(\overrightarrow{\mathr ...

2022/8/6

下に凸の曲線と直線で囲まれた部分の面積【1991年度 鹿児島大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 下に凸の曲線と直線で囲まれた部分の面積についてのキレイな結論を証明する問題です。 \(f(x)\) が具体的に決まっていない抽象的な状態で話を進めていかなければならないため、差がつくでしょう。 この問題は、「知識や経験、勉強量」によるものではなく、単純に「頭の使い方」によって差がつくと思います。 解けた人→「えっ?何が難しいの?」 解けなくて解答を見た人→「なんでこれができなかったんだ?」 という感想が出てくるのではないかと思います。 試験場 ...

2022/8/3

連続する累乗数【ミハイレスクの定理】【2018年度 東北大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(3\) の累乗数と \(2\) の累乗数で連続するものを考えるという問題です。 \(3^{1}\) と \(2^{1}\) というのはほぼ自明な解ですが、その他はどうでしょうかということがこの問題の趣旨です。 1844年にカタランという数学者によって カタラン予想 \(x\) ,  \(y\) ,  \(m\) ,  \(n\) を \(1\) より大きい整数とするとき \(x^{m}-y^{n}=1\) を満たす \(x\) ,  \( ...

2022/11/3

3垂線の足による三角形の傍心【1999年度 和歌山大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 鋭角三角形 \(\mathrm{ABC}\) の各頂点から対辺に下ろした垂線の足によってできる三角形の傍心が頂点 \(\mathrm{A}\) ,  \(\mathrm{B}\) ,  \(\mathrm{C}\)  となっているという、分かりやすく面白い主張です。 三角形の五心 重心 外心 内心 垂心 傍心 のうち、傍心は影が薄い存在かもしれませんが、この問題を解いた後だと 傍心、意外とやるじゃん と思えるかもしれません。 この問題の三角形 ...

2022/7/29

一般化 第4講【分野の拡張】【2007年度 京都大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のテーマ別演習では「一般化」という考え方を自分のモノにします。 問題文で与えられている特殊なシチュエーションを、より一般のシチュエーションに拡張して考えるという手法です。 このシリーズの一覧はコチラ 第4講では、「分野の拡張」ということをテーマとします。 一般化することで強力な武器が手に入ることを実感してくださ ...

2022/7/25

一般化 第3講【定積分の扱い】【1968年度 筑波大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のテーマ別演習では「一般化」という考え方を自分のモノにします。 問題文で与えられている特殊なシチュエーションを、より一般のシチュエーションに拡張して考えるという手法です。 このシリーズの一覧はコチラ 第3講では、「定積分の扱い」ということをテーマとします。 今回のテーマである一般化以外にも様々な解法が考えられますが、今回のテーマに即した倒し方をぜひ考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して ...

2022/7/25

一般化 第2講【欲しいものを準備する】【2002年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のテーマ別演習では「一般化」という考え方を自分のモノにします。 問題文で与えられている特殊なシチュエーションを、より一般のシチュエーションに拡張して考えるという手法です。 このシリーズの一覧はコチラ 第2講では、「欲しいものを準備する」ということをテーマとします。 基本的には第1講で学んだように、形を見て、 「これが欲しい」 という気持ちが湧きあがるかどうかが大切です。 今回は第1講の要素に加えて、少し深みのある問題です。 (以下ネタバレ ...

2022/7/25

一般化 第1講【形から関数を設定する】【2015年度 信州大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のテーマ別演習では「一般化」という考え方を自分のモノにします。 問題文で与えられている特殊なシチュエーションを、より一般のシチュエーションに拡張して考えるという手法です。 このシリーズの一覧はコチラ 第1講では、形から関数を設定する力を身につけることを目標とします。 例題の問題は非常にシンプルですが、しっかりと基礎的な部分で差が付きます。 数学の発想の素となる 「こういうことをしてみたい(調べてみたい)」 という素朴な気持ちや感性を鍛えて ...

© 2024 MathClinic