年別アーカイブ:2022年

2022/1/20

関数方程式と微分の定義【1994年度 芝浦工業大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 関数方程式の問題で、最終的には微分方程式に帰着するタイプです。 場数を踏むことで、このトピックスに対する勘所を掴んでいきましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 与えられた手持ちの武器は \(f(x+y)+f(x)f(y)=f(x)+f(y)\) という式しかなく、具体的に \(f(x)\) が与えられているというわけではありません。 この等式から \(f(0)\) に辿り着くために、 特殊な値 ...

2022/1/19

格子点同士を結ぶ2線分のなす角度【2004年度 一橋大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 格子点同士を結ぶ2つの線分のなす角について考察する問題です。 例題は実戦要素が強く、 2直線のなす角の扱い 整数問題の捌き方 が問われてきます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 座標平面上での角度の処理 \(\angle{\mathrm{BAC}}\) という座標平面上で角度を扱おうと思うと 座標における角度の扱い ベクトルの内積を用いて \(\cos{ \ }\) として処理する 傾きと \(\tan{ \ }\ ...

2024/4/16

素数が無限に存在することの証明【1973年度 大阪歯科大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 素数が無限に存在することは紀元前から分かっていたことです。 ユークリッドの有名な数学書である原論での証明が有名で、歴史的内容を含む問題であり、思考力を試すというよりは、教養的側面の強い話題です。 現在、様々な証明法が知れ渡っていますが、ここではユークリッドの考えを基にした背理法による証明と、2006年に発表されたフィリップ・サイダック氏による証明を紹介します。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 背理法による証明 以下 ...

2022/1/11

組分け問題【区別のあるなし問題】【1999年度 立教大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題3【腕試し用類題】はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 場合の数や確率の分野に対する苦手意識をもつ人を量産するタイプの問題です。 何を区別して何を区別しないか について例題から徐々にステップアップしていき、最終的には東大後期の問題を倒してみたいと思います。 (以下ネタバレ注意) &nbs ...

2022/1/9

単位分数の和【エジプト式分数】【2006年度 富山大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 自然数の逆数からなる有理数を「単位分数」といい、異なる単位分数の和として表現した分数を「エジプト(式)分数」と言います。 本問は、 2項からなるエジプト分数の最大値が \(\displaystyle \frac{5}{6}\) 3項からなるエジプト分数の最大値が\(\displaystyle \frac{41}{42}\) ということを証明せよという問題です。 表向きは入試標準的な整数問題ですが、古くから様々なことが研究されており、奥が深い話 ...

2022/1/8

微分法の方程式・不等式への応用【1994年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 見た目は、どこにでもありそうな微分の運用問題のように思えます。 ただ、型通りの問題で終わらないよう、言葉にすることが難しい「センス」を要求してくるあたりが流石東大です。 本問は1994年度東京大学理系第1問です。 「これはテンプレ問題だ。いける」 と試験開始直後に意気揚々と取り組み始め、計算量の多さに血の気が引いていく当時の受験生の様子が目に浮かびます。 第1問という位置取りも相まって、平常心を失いかねない問題と言えましょう。 (以下ネタバレ ...

2022/1/7

2乗した関数と合成関数の恒等式【関数方程式】【1976年度 信州大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2乗した関数と、合成関数が恒等式となるような整式 \(f(x)\) を求めるという問題で、 この関係式を満たす \(f(x)\) なぁ~んだ? という「関数方程式」です。 愚直な方法で処理することも可能ですし、計算をほとんどすることなく捌くこともできます。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 方針1:恒等式の処理 \(f(x)\) が整式であるということが分かっているならば、まずは 何次式なのか というこ ...

2022/1/6

球の追加による確率【1970年度 九州大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 壺から壺へ球を移動させていき、最後の壺から白球が取り出される確率を考えます。 人によっては直感で分かってしまう人もいるかもしれません。 難易度的にはキッチリ差が付くちょうどよい難易度でしょう。 どちらかというと、問題の構造を分析してその場で対応する力を要する問題です。 問題文を見て睨めっこしてしまうタイプの人を弾くフィルターが付いています。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む いきなりが難しければ実験 い ...

2022/1/4

抽象的な関数の不等式【2000年度 早稲田大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(f(x)\) が具体的に与えられていない中で、不等式を解かせるという問題です。 根拠として使用してよいことと、マズイことがしっかり分かっているかを試す問題です。 論証という点において重きが置かれていると考えてよく、結論が合っているかどうかだけで判断せず、 言及すべき部分をきちんと言及しているか ということもきちんと確認したいポイントです。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む モデルケースで言えば 関数 ...

2022/1/3

積分方程式【ハイブリッド型】【1995年度 大阪市立大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 教科書の項目的には「定積分で表された関数」という項目に属する問題です。 本問は 「この関係式を満たす \(f(x)\) なぁ~んだ」 という「方程式」です。 積分に関する方程式ゆえ、積分方程式と呼ばれます。 積分方程式には「定数型」「変数型」「ハイブリッド型」と3タイプありますが、その中でも今回は「ハイブリッド型」を扱います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 積分区間を見てみると 今回与えられた等式に ...

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