東京大学 理系
2022年度 東京大学理系第1問【微分法による最小値の導出】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 微分法により、関数の最小値を導出するという基本問題です。 インテグラルを含んだままの関数ですから、最後の最小値の導出にあたっては積分計算についても問われることになります。 やることが明確であるため、方針面で迷うことはないでしょうし、計算の内容や計算量についても標準レベルと言ってよい穏やかなレベルです。 それだけに試験場では確保したい問題と言えましょう。 解答はコチラ
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 漸化式によって定まる数列の整数的特徴を論じる問題です。 一般項を相手にはできませんから、漸化式を漸化式のまま扱うという力が必要です。 随所随所で 問題文で訊かれていること以上のことを見出す ということが必要になってきます。 実験し、手を動かして突破口を見出すことになるのですが、それでも最短距離でスムーズにいける人は割合的には少ないと思います。 難易度的にはやや難です。 試験場ではムキにならず、深追いしない方が得策でしょう。 解答はコチラ
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 「十分離れている」という言葉を定義し、その定義に関して何が言えるのか、どうなっていればよいのかを考えさせるという その場力 を要求している問題です。 ソーシャルディスタンスを意識したような用語だなと感じました。 解き終わってみると、特別難しいわけでもなく、計算量自体もそこまで多くはないのですが 様子を掴んだり状況を把握するのにエネルギーを使う と思います。 問題自体の難易度と、試験場での体感難易度には大きなギャップがあるでしょう。 問題自体の ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3次関数についての性質について論じる問題ですが、 全称命題 任意の○○に対して△△が成立する 存在命題 ある○○が存在して☆☆が成立する というような 全称命題、存在命題 を真正面から扱うことになります。 ひとまず出題者との会話のキャッチボールができるかどうかという部分でのフィルターとしてはたらくことになるでしょう。 また、 感覚的に「そりゃそうだろ」 とか、 「この部分直感的に処理しちゃいたいな」 というようなことが多々あるのですが、それを ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間における立体の体積問題で、東大が好んで出題するテーマの一つです。 通過領域が絡んでいるという点でも東大らしく、「らしさ全開」と言ってよい問題でしょう。 回転後の立体 \(K\) を想像しようとしても難しいでしょう。 ひとまず回転前の状況で \(\mathrm{M}\) が動き得る範囲を捉え、その後その範囲を \(z\) 軸周りに回転させます。 回転前に限定しても動くものが \(\mathrm{P}\) , \(\mathrm{Q}\) ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題文が長く、威圧感がありますが、ルール自体はそこまで複雑ではありません。 (1) の実験的設問でどこまで核心に迫れるかが問題です。 正直、(1) は愚直に全て書き出してもタカが知れています。 ただ、腕力だと (1) は押し切れても (2) で手詰まりの可能性が高いでしょう。 したがって、完答を目指すのであれば (1) の段階から (2) に繋がるような解き方をする必要があります。 本問は要するに 結局移動の方向は3方向しかない 裏が出ると、 ...
2022年度東大理系 各解説記事 150分 6題 記述式 と、形式に変更はありません。 分野的トピックス 2017 年度を最後に姿を消した確率分野からの出題があり、久々に東大らしい分野のセットとなりました。 近年よく出題されていた複素数平面からの出題はありませんでした。 各大問について 第1問(やや易) 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定積分で表された関数についての最小値を求める問題です。 方針面でやることは明確であり、計算量自体もそこまで膨らむということもなく、質・量とも ...
京都大学 理系
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 年度問題として、見た目のインパクトが大きい問題です。 対数は道具として使うことが多く、 この対数がどれぐらいの大きさなんだろう という対数そのものに対する興味がないと、問題意識がもてないかもしれません。 そういった意味で京大はこういうボディーブローのように受験生が「ウッ」となるところをつついてくるのがうまいですね。 例えば \(\sqrt{2022}\) がどれぐらいの大きさか と言われたときに何をすればよいのかで迷う人はいないでしょう。 そ ...
2022年度 京都大学 理系第2問【距離が2以上離れる3整数についての確率】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 京大らしいシンプルな題意です。 2005年度の京大に類似する設定の過去問があります。 題意を満たす整数の組 \((X \ , \ Y \ , \ Z)\) の個数を数え上げるわけですが、複数の方針が考えられます。 方針1 愚直に数える方針としては \(Y=k\) などと固定すると、 というようなイメージで考え、 \(X\) のとり得る値としては \(1\) から \(k-2\) までの \(k-2\) 通り \(Z\) のとり得る値としては ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 第3問もシンプルな題意です。 3つの整数の最大公約数をいきなり扱おうとしても中々難しいものがあると思います。 ひとまず2つの最大公約数を考えようとするのが自然でしょう。 そこで、\(n^{2}+2\) と \(n^{4}+2\) の最大公約数 \(G_{n}\) について考えてみます。 \(n^{4}+2=(n^{2}-2)(n^{2}+2)+6\) ですから、ユークリッドの互除法により \(G_{n}\) は \(n^{2}+2\) と \ ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 四面体に関する各種考察問題です。 京大は過去、対称性を意識したような四面体に関する論証を割とよく出題していました。 本問はパッと見ただけでは対称性というのは見えませんが、よくよく観察してみると結構対称性が隠れています。 ただ、本問の場合、機械的にベクトルでゴリゴリ進めていって何の問題もありません。 試験場においても、下手に時間を失うリスクを考えれば確実にベクトルで処理した方がよいと思います。 ベクトルで処理していって処理量が爆発するようだと考 ...
2022年度 京都大学 理系第5問【面積計算と面積比の評価】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) (1) , (2) は京大受験生であれば確保したい典型的な微積分の問題です。 (1) は実質 \(\displaystyle \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \cos^{3}x dx\) という積分計算に過ぎません。 (2) も \(f(t)=t\cos^{3}{t}\) と、即立式でき、 \(f'(t)=\cos^{2}{t}(\cos{t}-3t\sin{t})\) となります。 \(3t\sin{t}\) という関数 ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2種類の数列 \(\{x_{n}\}\) , \(\{y_{n}\}\) に対して、その差を取った数列 \(\{x_{n}-y_{n}\}\) の一般項 \(x_{n}-y_{n}\) を求めるという問題です。 \(\{y_{n}\}\) の方は具体的に与えられているので、そこまで恐れる必要はないでしょうが、問題は数列 \(\{x_{n}\}\) の漸化式の方です。 構造上 \(x_{n}\) が分かって、次の \(x_{n+1}\) が求 ...
2022年度京大理系 各解説記事 150分 6題 記述式 と、形式に変更はありません。 分野的トピックス 対数、確率、整数、ベクトル(幾何)、微積分、数列 と、バランスよく出題されていました。 数学Ⅲからの出題は第5問のみで、比較的ⅠAⅡB中心の出題でした。 各大問について 第1問(やや易) 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 見た目のインパクトが大きい年度絡みの問題です。 対数は普段道具として用いることが多いですが、そもそもは「数」であり、大体どのぐらいの数なのか、それを調べ ...
東北大学 理系
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 整数を自然数や非負整数の和の形に分割する方法は割と定番の話題として、単元学習においても触れる話題です。 ただ、本問を一見すると 「ん?奇数?」 と怯むかもしれません。 ただ、正の奇数 \(l\) , \(m\) , \(n\) を \(L\) , \(M\) , \(N\) を非負整数として $$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} l=2L+1 \\ m=2M+1\\ n=2N+1 \e ...
2022年度 東北大学 理系第2問【4次関数の極値と最小値】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 4次関数に関する極値や最小値に関して考える問題です。 パッと見の印象はそこまで怖そうではありませんが、 手を進めていくうちに段々と血の気が引いていく という感覚になっていくでしょう。 まともにぶつかるとなると相当ツライ処理を強いられます。 見るべき部分があっちにいったりこっちにいったりと、目線の移動も激しく強靭な整理力や把握力も求められます。 現実的に処理しきるためには計算上の工夫もある程度必要です。 相当厳しい問題ですが、 \(f(x)\) ...
2022年度 東北大学 理系第3問【不等式証明とはさみうちの原理】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不等式証明からの、はさみうちの原理という流れ自体はパッと見で読み取れるでしょう。 ただ、(1) の不等式証明は 聞けば簡単だが、意外と単純ではない という問題で、案外バカにはできません。 腕力で押し切ることも可能ですが、工夫の余地はあります。 そのあたりは【解1】【解2】【解3】あたりでご確認ください。 (2) は (1) で証明した不等式を用いてはさみうちの原理で仕留めるんだろうな 形的に区分求積法が狙えそうだな ということになることは予見 ...
2022年度 東北大学 理系第4問【2直線に接し外接する2円】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) という状況はよくあるシチュエーションで、この構図を扱ったことのある受験生は多いかもしれません。 様々な文字が飛び交う一般的な設定なので、何を何で表すのかということを見失わないようにしっかりと整理していきたいところです。 オチについては、前半の (1) , (2) が確保できれば割とボーナス問題です。 特別な解法を必要とするわけではなく、素直に状況を立式していけば結論まで辿り着けます。 ただ、色々解法が目につき、目移りするかもしれません。 確 ...
2022年度 東北大学 理系第5問【空間における直線のベクトル方程式と漸化式】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題文が長く、何を言っているのかを把握するのに集中する必要があります。 まじめな受験生ほど、律儀に絵を描こうとして、この題意の把握に時間をとられてしまう恐れはあります。 正確な図を描こうという心意気は大切ですが、 立式するために必要な見やすい図 が描ければ事足ります。 というように、 \(l\) , \(l'\) がそれぞれ \(\vec{a}\) , \(\vec{b}\) を方向ベクトルにもつ。 交互に垂線を下ろしあう という状況をし ...
2022年度 東北大学 理系第6問【球と円柱の共通部分の体積】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 球と円柱の共通部分の体積というシンプルな題意です。 難関大ではよく出るトピックスで、このあたりをキッチリと準備してきている受験生もいるでしょうが、本問の場合、半径が \(r\) という文字で与えられているため、 切って断面積を求めて積分 という正攻法で行こうと思うと中々大変です。 ひとまず \(x^{2}+y^{2}+z^{2} \leq r^{2}\) \(x^{2}+y^{2}=1\) , \(0 \leq z \leq \sqrt{3 ...
2022年度東北大学理系 各解説記事 150分 6題 記述式 と、形式に変更はありません。 分野的トピックス 第1問:場合の数 第2問:微分法(数Ⅱ) 第3問:微分法・極限(数Ⅲ) 第4問:図形と方程式・三角関数・極限 第5問:ベクトル・極限 第6問:積分法(数Ⅲ) という出題で、微積や極限に若干寄ってはいますが、何とか他の分野の問題も入れようという思いがうかがえるセットでした。 各大問について 第1問(やや易) 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 整数を自然数や非負整数の和の ...
九州大学 理系
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間において折れ線の長さの最小値を考える定番の話題です。 オチ自体が典型的な話題ですし、そのオチに向けた誘導もしっかりついています。 第1問ということもあり、本問をしっかり確保することで勢いに乗りたい標準的な問題です。 MathClinic では においてしっかりと扱っています。 勉強している人ほど、様々な解法が目につくため、逆に目移りしてしまうかもしれません。 翻訳の仕方の違いで多少の計算量は増減しますが、劇的に変化するというほどでもないた ...
2022年度 九州大学 理系第2問【3次式で割った余りと極限】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 訊き方をもう少しマイルドにすれば手が付く受験生も多少増えるとは思いますが、敷居の高い訊き方をしているので、(1) から怯んでしまった受験生も多かったと思います。 (1) は要するに \(x^{n}\) をうまく式変形して \((x-\alpha)(x-\beta)^{2}Q(x)+A(x-\alpha)(x-\beta)+B(x-\alpha)+C\) という形にしてみてね。 という問いかけなのですが、「存在することを示せ」と言われ、何をすれ ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) よくある整数問題に見えますが、(3) まで完走しようと思うと大変です。 (1) は 「\(n\) が偶数だと整数にならなくないか?」 という疑問が湧いてくれば、 今回の問題で考える①を満たす \(n\) というのが奇数である ということに気がつくと思います。 なので、 \(n=2N-1\) などとおいて手なりに進めていけば解決です。 (2) については \(168=2^{3} \cdot 3 \cdot 7\) と、素因数分解し、\(n^{2 ...
2022年度 九州大学 理系第4問【定積分の定義と性質の証明】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題文が長く、圧倒されそうですが、よく読んで解き進めてみると、内容は 定積分の計算上の定義 定義から言える定積分に関する各種性質 についての理解度を問う標準的な内容です。 どちらかというと、公式の証明に近い内容です。 新たな概念やそれに伴う記号を学習する際、定義やそれにまつわる諸性質についてきちんと理解してきた人は、本問は難なくこなせるでしょうが、逆にそのあたりをなぁなぁに済ませてきてしまった人は強烈なボディーブローのように感じるでしょう。 ...
2022年度 九州大学 理系第5問【パラメータ表示された曲線】【ハイポサイクロイドの概形と面積】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) パラメータ表示された曲線に関する概形と面積について考える定番の話題です。 最終的にこの曲線 \(C\) の概形を図示することになりますが、それに向けてうまく工夫して考えるように誘導がついています。 誘導に乗れるかどうかということは、誘導のありがたみを感じることができるかどうかということです。 \(x\) 軸についての対称性 \(\displaystyle \frac{\pi}{3}\) ごとの回転対称性 という「対称性」を駆使し、省エネしなが ...
2022年度九州大学理系 各解説記事 150分 5題 記述式 と、形式に変更はありません。 分野的トピックス 第1問:空間ベクトル 第2問:整式 極限 第3問:整数 第4問:微分法・積分法(Ⅲ) 第5問:微分法・積分法(Ⅲ) 第4問は文章を読んで、その内容の補足や証明について考えるという、九州大としては目新しい形式でした。 第5問は表面上微分法・積分法の問題ですが、その処理過程において複素数平面の内容が入っていました。 各大問について 第1問(標準) 問題はこちら(画像をクリッ ...
北海道大学 理系
2022年度 北海道大学 理系第1問【絶対値付きの2次関数の最小値】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 絶対値付きの2次関数の最小値を考える問題ですが、2変数 \(a\) , \(b\) を含んでおり、整理力が必要です。 個人的には東大文系の匂いを感じました。(主観) まずは丁寧に場合分けをして絶対値を外す作業をします。 (1) は \(x \lt 0\) , \(x \gt 1\) という範囲が決まっており、条件 \(0 \leq a \leq b \leq 1\) ということを加味すると、この範囲では各絶対値はそのまま外れることになりま ...
2022年度 北海道大学 理系第2問【平面ベクトルと漸化式】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 与えられたベクトルに関する漸化式により、点列 \(\{\mathrm{P}_{n}\}\) , \(\{\mathrm{Q}_{n}\}\) が定まっていきます。 この \(\mathrm{P}_{n}\) の座標を \((x_{n} \ , \ y_{n})\) としたときの \(x_{n}\) や \(y_{n}\) が求められています。 図形的にアプローチする 式をゴリゴリ処理していく という2路線が考えられますが、図形的なイメージで ...
2022年度 北海道大学 理系第3問【不等式で表される領域と面積】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不等式で表される領域と、面積に関する問題です。 方向性自体は割と一本道で、迷うことはありませんが、それを処理しきるためには 「見るべき部分を見る」 ということが必要になってきます。 不必要な部分にとらわれすぎてしまい、身動きがとれなくなってしまう恐れは多々あります。 一つ一つの処理で特別なことはしていませんが、「やり方」に終始して根本的な部分を蔑ろにしてきた受験生からすると、 「聞けば分かる」 で終わってしまいます。 本番の入試で「聞けば分か ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 同じものを含む円順列と確率について考える問題です。 非常に教育的な内容であり、教材として使いたい問題です。 本問のポイントは 確率では全てのものを区別せよ という鉄則にしたがって考える部分です。 なまじ \(\mathrm{O}\) , \(\mathrm{K}\) など、同じ文字を含んでいるがゆえに、身構えて変なことを考えてしまったという受験生もいたかもしれません。 ただ、できれば本問は確保したいレベルの基本的な問題です。 分野的に苦手意 ...
2022年度 北海道大学 理系第5問【複素数平面の各種基本】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面における標準的な問題です。 複素数平面からの出題は2018年度以来です。 不気味なぐらい基本的な難易度であり、今年の北大のセットでは落としてはならない問題です。 確保するのは前提としたうえで、どれだけ時間的余裕を捻出できるかという次元の問題だと思います。 円の方程式 垂直二等分線 図形の交点 ド・モアブルの定理 という基本事項がバランスよく入っており、さらに捻った要素もほぼないため、これら基本事項の単純運用で解決してしまいます。 来 ...
2022年度北海道大学理系 各解説記事 120分 5題 記述式 と、形式に変更はありません。 分野的トピックス 第1問:2次関数 第2問:ベクトル・数列 第3問:微分法・積分法(数Ⅲ) 第4問:場合の数・確率 第5問:複素数平面 と、幅広い分野から出題されましたが、どちらかというと計算主体の問題に寄っていました。 各大問について 第1問(やや難) 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 絶対値付きの2次関数の最小値を考える問題です。 2変数 \(a\) , \(b\) を含む設定で ...
大阪大学 理系
2022年度 大阪大学 理系第1問【1次分数変換】【アポロニウスの円】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 1次分数変換による点の軌跡を求める定番の話題です。 手元に \(|z-\displaystyle \frac{3}{2}|=r\) という \(z\) を縛っている式があります。 この状況で、\(w\) を縛っている式を Get したいわけです。 \(z\) , \(w\) の関係式である \(z+w=zw\) という式から \(z=w の式\) という形にして、先ほどの \(|z-\displaystyle \frac{3}{2}|=r\ ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\cos{n\theta}\) が \(\cos{\theta}\) の \(n\) 次式で表せるという チェビシェフの多項式 という有名ネタをベースとした問題です。 阪大受験生であれば、この類の類題は経験したことがあるとは思います。 流れが独特なところもあるため、経験による部分が大きい問題ではあります。 特に最後のオチの (3) については、 整数係数方程式特有の話題 \(a_{n}x^{n}+a_{n-1}x^{n-1}+ \cdot ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 線分の通過領域をテーマとする難関大では頻出の話題です。 本サイトでも、 などで扱っています。 この話題に対しては、順像法、逆像法、包絡線など、様々な解法があります。 特に逆像法については、考え方が独特であり、ある程度数をこなし慣れていないと中々自分のものにすることが難しいでしょう。 本サイトでは テーマ別演習:逆像法 で扱っており、通過領域に関しては第3講で扱っています。 通過領域は、話題的に難易度は高いですが、難関大においては登場頻度は高く ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 縮小関数によって定まる漸化式によって定まる数列の極限を考える問題で、難関大を目指すにあたっては経験を積んでおきたい話題です。 本問は今回のテーマを学ぶにあたって、標準的な内容であり、今後このテーマの例題として様々な教材で扱われるでしょう。 キーワード ①:\(f'\) の範囲 ( 最大・最小 ) ②:\(f(x)=x\) (不動点の存在) ③:\(a_{n+1}=f(a_{n})\) という漸化式 オチはあらかた決まっていて、③の漸化式と② ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) パラメータ表示された曲線による面積を考える問題です。 話題としては定番の話題であり、方針面で何をしてよいのかが分からないということがあってはなりません。 今回のパラメータ曲線を図示すると という概形になります。 見づらくて申し訳ないですが、微妙に膨らんでおり、\(x\) 軸に沿って積分していく場合、くり抜きの作業が発生します。 本問の山場は パラメータ表示された曲線の図示 くり抜き作業を伴う積分計算の工夫 ということになります。 ...
2022年度大阪大学理系 各解説記事 150分 5題 記述式 と、形式に変更はありません。 分野的トピックス 第1問:複素数平面(Ⅲ) 第2問:高次方程式・三角関数 第3問:図形と方程式 第4問:極限・微分法(Ⅲ) 第5問:積分法(Ⅲ) と、半分以上が数Ⅲ分野からの出題で、数Ⅲ主体の出題は例年の傾向です。 各大問について 第1問(やや易) 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面上で点 \(z\) の動きに対し、 \(w=f(z)\) という関係で与えられる点 \(w\) ...
名古屋大学 理系
2022年度 名古屋大学 理系第1問【整式の割り算】【3次方程式の実数解の個数】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 整式の割り算をベースにした問題で、最後は3次方程式の実数解の個数に帰着します。 2,3年ほど前の凶悪なセットをガンガン出題していた頃からすると拍子抜けしてしまうレベルで、実際に割り算をし、余りを導出して手なりに状況を翻訳していけば、特別なことをせずとも解決できる問題です。 あまりに捻りがないため、逆に勘繰ってしまいますが、凝ったことをやろうとして時間をかけるよりも愚直に進めた方が得策です。 (1) が (2) のどこかで効いてくるのかと身構え ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) サイコロの目によって得られる値に関する確率を考える問題です。 この手の問題は、 最終的に愚直に調べきる という方向性となることが多いです。 その際は闇雲に調べるのではなく、 何かを固定して、残りがどうなっているかを考える のが、自然かつ基本です。 例えば、(1) だと \(c=1\) のときは \(a\) , \(b\) はどうだろ? \(c=2\) のときは \(a\) , \(b\) はどうだろ? というような感じです。 また、サイコ ...
2022年度 名古屋大学 理系第3問【正六角形の頂点と複素数の対応】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3つの複素数 \(\alpha\) , \(\beta\) , \(\gamma\) が正六角形の頂点のどれかと対応しており、その対応を考える問題です。 どれがどれに対応するかを求めるという一見面食らう設定ではありますが、適切な誘導がありますから、うまく誘導に乗って走り切りたいところです。 (1) は \(4{\alpha}^{2}-2\alpha \beta+{\beta}^{2}=0\) の両辺を \({\alpha}^{2}\) で ...
2022年度 名古屋大学 理系第4問【抽象関数に関する定積分】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 抽象関数に関する定積分について扱った問題です。 2020年度にも名古屋大は抽象的な関数に関する微積分の本格的な問題を出題しています。 単純にゴリゴリ進めていく側面の強い微積分分野にあって、本問は機械的に処理する類の問題とは一線を画します。 本問はヒントと思われる誘導が至る所にありますが、多くの受験生はヒントと受け止め切れなかったと思われます。 訊かれていることを本当の意味で理解できた受験生はクリアーできるでしょうが、数は少ないでしょう。 今年 ...
2022年度名古屋大学理系 各解説記事 150分 4題 記述式 と形式に変更はありません。 分野的トピックス 第1問:整式の除法 微分法(Ⅱ) 第2問:場合の数・確率 第3問:複素数平面 第4問:微分法・積分法(Ⅲ) 昨年度コロナの配慮により(?)出題されなかった数Ⅲ分野からの出題も復活し、2015年度入試から現行過程に入った複素数平面の本格的な問題がようやく出題されました。 整数や漸化式などの名大頻出のトピックスは見当たりませんでした。 (第2問に若干整数の要素は入ってはいましたが。) 各大問について ...