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訊き方をもう少しマイルドにすれば手が付く受験生も多少増えるとは思いますが、敷居の高い訊き方をしているので、(1) から怯んでしまった受験生も多かったと思います。
(1) は要するに
x^{n} をうまく式変形して
- (x-\alpha)(x-\beta)^{2}Q(x)+A(x-\alpha)(x-\beta)+B(x-\alpha)+C
という形にしてみてね。
という問いかけなのですが、「存在することを示せ」と言われ、何をすればよいのかがよく分からなくなってしまったという受験生が割といたのではないかと思います。
そうなってくると
- x^{n} を (x-\alpha)(x-\beta)^{2} で割った商を Q(x)
と設定したくなると思います。
余りは高々2次ですから
- px^{2}+qx+r
と設定できます。
すると、
x^{n}=(x-\alpha)(x-\beta)^{2}Q(x)+px^{2}+qx+r
と表すことができます。
前半部分は目標通りで、後半の px^{2}+qx+r の部分を
頑張って
A(x-\alpha)(x-\beta)+B(x-\alpha)+C
の形にもっていく。
ということになります。
(2) は (1) に
- x=\alpha , x=\beta を代入する
というのは見え見えです。
x=\alpha をぶち込めば、C が得られますし、x=\beta をぶち込めば B も得られます。
問題は A をどのように得るかです。
「もう代入するものがない」
という悩みをもった経験はあると思います。
この悩みの解消法はいくつか考えられますが、有名なのは
両辺微分してみる
という路線です。
初見では中々思いつけないかもしれませんが、九州大受験生であれば、この工夫は経験済みであってほしいところです。
(3) は、(2) ができていないと何もできないため共倒れで点を失います。
(2) ができている場合、考える極限の不定形の形から
微分の定義
を用いて捌いていく路線が目につくと思います。
(3) についてはご丁寧に 「n , \alpha を固定して」という、「\beta を変数と見なさい」という丁寧な指示があり、若干の緩衝材となるでしょう。
とは言え、完答するためには相応の力が必要であり、やや難です。