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2次方程式の虚数解をもとに複素数平面上で様々なことを考察する問題です。
(1) で困る人はいないでしょうから、実質は (2) からの勝負ということになると思います。
実際この問題を見たときの私のメモです。
大体見た感じでこのあたりまで読み解いて、あとは詰めていくか、といった感じで解き進めました。
詰めの作業のときに、最後の (3) で出した \(\tan{\theta}\) の値が (1) の \(\theta\) の範囲内で収まっているかのチェックの部分で少し「面倒だな」と思いましたが、大まかな流れはほとんど最初に掴んでいたので、やることには困らなかったです。
今回の2次方程式の2つの虚数解が共役な複素数どうしであるということを見抜くのが山場だったかと思います。
これについては【解答】では断りなく使ってしまいましたが、不安ならば証明しておけばよいと思います。
(そこまで手間ではありません。)
実数係数方程式が共役複素数解をもつ証明
実数係数の 2 次方程式 \(a_{2}x^{2}+a_{1}x+a_{0}=0 \) が \(x=\alpha\) という虚数解をもつとき
\(\ a_{2}\alpha^{2}+a_{1}\alpha+a_{0}=0 \)
\(\bar{ a_{2} } \bar{\alpha}^{2}+\bar{ a_{1} }\bar{ \alpha }+\bar{ a_{0} }=\bar {0} \)
\(a_{2}\) , \(a_{1}\) , \(a_{0}\) は実数なので , \(\bar{a_{2}}=a_{2}\) , \(\bar{a_{1}}=a_{1}\) , \(\bar{a_{0}}=a_{0}\) であるから
\(\ a_{2}\bar{\alpha}^{2}+a_{1}\bar{ \alpha }+a_{0}=0 \)
これより \(x=\bar{\alpha}\) も \(a_{2}x^{2}+a_{1}x+a_{0}=0 \) ということになる。
これは \(n\) 次方程式についても同様に証明できます。
このあたりは難関大受験生は準備しているはずですが、こういった実戦の問題の中でスッと反応できるように落とし込んでいるかどうかということが差を分けることになるでしょう。
そういった意味で難易度は標準だと思いますが、「合格者にとっての」標準問題かなと思います。