実践演習 整数系

2種類の数列を並べ替えてできる数列【2004年度 岡山大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

典型的な問題ではなく、その場での観察力や、式での翻訳力、見通しをもって解き進める力などの総合的な力が問われます。

(以下ネタバレ注意)

 

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(1) について

実験して要領を掴むための設問です。

\(a_{1}=2\) ,  \(a_{2}=5\) ,  \(a_{3}=10\) ,  \(a_{4}=17\) ,  \(a_{5}=26\) ,  \(\cdots\)

\(b_{1}=6\) ,  \(b_{2}=15\) ,  \(b_{3}=30\) ,  \(b_{4}=51\) ,  \(\cdots\)

となりますから、小さい方から並べていくと

\(c_{1}=2\) ,  \(c_{2}=5\) ,  \(c_{3}=6\) ,  \(c_{4}=10\) ,  \(c_{5}=15\) ,  \(c_{6}=17\) ,  \(\cdots\)

となり、\(c_{4}=10\) ,  \(c_{5}=15\) ,  \(c_{6}=17\)  と求まります。

(2) について

観察力の問題で、\(b_{n}\) は全て 3 の倍数です。

ここを皮切りに、\(a_{n}\) は 3 の倍数にならないのでは?と疑うことができれば、整数問題の基本である

「余りで分類する」

という態度で、\(n=3k\) ,  \(n=3k+1\) ,  \(n=3k+2\) などと \(n\) を 3 で割った余りで分類し、場合分けをしていくことになります。

(3) について

「 \(b_{n}\) から連続で \(\{c_{n}\}\) に採用されない」という否定的な命題であることから、背理法と言う路線を考えていきたいところです。

よって、 「\(b_{n}\) から連続で \(\{c_{n}\}\) に採用されることがある」と仮定します。

この後が問題であり、

①「\(b_{n}\) から連続で \(\{c_{n}\}\) に採用されることがある」ということを、式的にどのように翻訳するか。

② どのような形で矛盾するか

という部分で頭を使うことになるでしょう。

① について

\(a_{M} \lt b_{N} \lt b_{N+1} \lt a_{M+1}\) となる自然数 \(M\) ,  \(N\) が存在する

というように翻訳すればよいでしょう。

イメージとしては

\(a_{M}\) ,  \(a_{M+1}\) という連続する \(\{a_{n}\}\) 側採用の項の間に\(b_{N}\) ,  \(b_{N+1}\) という\(\{b_{n}\}\) 側採用の項が連続で入ってくる

という感じです。

②について

解き進めていくうちに分かる部分もあるかもしれませんが、

一番最初の実験から得られる

  • \(\{a_{n}\}\) 側の増え方(歩幅)は小さい
  • \(\{b_{n}\}\) 側の増え方(歩幅)は大きい

という感覚がモノを言うところが大きいと思います。

要するに、歩幅の大きい\(\{b_{n}\}\) 側の間に、小刻みに増えていく\(\{a_{n}\}\) 側の項が入ってしまうため、連続しないのであろうことが感覚的に分かると思います。

つまり、最後の矛盾の仕方については

幅の問題(不等式的な問題)で矛盾するであろう

ことが考えられます。

このあたりを見据えながら①で考えた不等式を変形していきます。

この部分を場当たり的に進めてしまうと、解けるかもしれませんが、右往左往する可能性が出てくると思います。

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