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条件付きの不等式証明の問題ですが、見かけほど簡単ではないでしょう。
基本レベルだとは思いますが、スジが悪いと右往左往しかねない要素もあります。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む ひとまず愚直に手を進めるとなると ポイント
条件1つで1文字消去 という言葉にしたがって \(c=3-a-b\) などと文字を消す方針が考えられます。 手なりに差をとって \(3-(ab+bc+ca)=3-ab-b(3-a-b)-a(3-a-b)\) \(=a^{2}+ab+b^{2}-3a-3b+3\) と \(a\) , \(b\) のみの式にします。 ここからの方針としてはこれまた、式の扱いにおける格言である ポイント
文字の整理は1文字中心 という言葉に従って、どちらか1文字について整理していきます。 ここでは \(a^{2}+ab+b^{2}-3a-3b+3=a^{2}+(b-3)a+b^{2}-3b+3\) と \(a\) について整理していきます。 さらに平方完成して整理すれば \((a-\displaystyle \frac{b+3}{2})^{2}+\displaystyle \frac{3}{4}(b-1)^{2} \geq 0\) となり、解決します。 与えられた条件にせよ、示すべき不等式にせよ、対称性があります。 上の1文字消去の路線について振り返ってみると \(a\) , \(b\) , \(c\) は対等なはずなのに \(c\) を亡きものにし \(a\) , \(b\) だけの式になったら \(a\) に注目して \(a\) について整理する など明らかに \(a\) , \(b\) , \(c\) を対等に扱う解法ではありません。 そこで、条件式、示すべき不等式の双方に入っている数字 \(3\) に目をつけ \(ab+bc+ca \leq a+b+c\) と見る人もいるでしょう。 いわば 「\(3\) を消去」すれば \(a\) , \(b\) , \(c\) を対等に扱っているだろう という態度です。 ただ、このまま差をとって \(a+b+c-(ab+bc+ca)\) を考えてもここから中々手が進まないと思います。 示すべき不等式 \(ab+bc+ca \leq a+b+c\) は左辺が2次の同次式であるのに対して、右辺は1次です。 そこで、次数を揃えるために \(ab+bc+ca \leq \displaystyle \frac{1}{3}(a+b+c)^{2}\) と見れるとしめたものです。 ここから先は手なりに差をとって \(\displaystyle \frac{1}{3}(a+b+c)^{2}-(ab+bc+ca)\) を計算していけばよいでしょう。 その際、途中で \(a^{2}+b^{2}+c^{2}-ab-bc-ca \geq 0\) を証明する必要性が出てきます。 これについては初見ではキツイですが、 \(a^{2}+b^{2}+c^{2}-ab-bc-ca\) を \(\displaystyle \frac{1}{2}\{(a-b)^{2}+(b-c)^{2}+(c-a)^{2}\}\) と見る有名な形ですので、必ずインストールをしておきましょう。手なりに(愚直に)進める方針
条件1つで1文字消去
文字の整理は1文字中心
対称性を考える
次数に注目