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対称軸を2本もつグラフについて考察させる問題です。
このような論証に慣れていない受験生も多いことでしょう。
感覚的には「そりゃそうだよな」と思える部分もあります。
主張が割と本格的なものであり、難問の匂いが漂います。
結果論から申し上げれば、解答を聞くと特別なことは特に何もしていないと感じると思います。
人によっては「難問?」と思う人がいても不思議ではありません。
ただ、寂しいかな現実的にはアタフタして終わってしまう人の方が多数でしょう。
差がつくかつかないかで言ったら、そこまで差はつかないでしょう。
ただ、確保したときの破壊力は大きいと思います。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む 先に (2) の主張に目を通すと、どうやら という \(n\) 次関数 (\(n\) は自然数) では対称軸が2本にはならないようです。 幼稚な探し方かもしれませんが と \(n\) 次関数以外の基本関数を探っていくと、周期性をもつ「三角関数」に目が行くと思います。 \(y=\cos{x}\) は \(x=0\) , \(x=\pi\) を対称軸にもっています。 これを \(x=a\) , \(x=b\) が対称軸となるように 幅の倍率調整と平行移動 をかましていきます。 \(y=\cos{x}\) の \(x=0\) , \(x=\pi\) という2本の対称軸の幅は \(\pi\) です。 これをまず、幅 \(b-a\) とするように \(x\) 軸方向に拡大(縮小)させることを考えます。 そうなると倍率は \(\displaystyle \frac{b-a}{\pi}\) 倍 ということになります。 なので、\(x\) 軸方向への\(\displaystyle \frac{b-a}{\pi}\) 倍拡大(縮小)を施し \(y=\cos{\displaystyle \frac{\pi}{b-a}x}\) とします。 基本
例えば \(y=\cos{x}\) を \(x\) 軸方向に2倍拡大(縮小)したかったら、 \(y=\cos{\displaystyle \frac{1}{2}x}\) と中身を \(\displaystyle \frac{1}{2}\) 倍すればいいですね。 中身の変化のスピードが半分だから、1周期にかかる時間は2倍かかるというイメージです。 上述の幅の倍率調整によって \(y=\cos{\displaystyle \frac{\pi}{b-a}x}\) は対称軸が \(x=0\) , \(x=b-a\) という状態です。 あとはこれを \(x=a\) , \(x=b\) という2本の対称軸に重ねるように平行移動すればよく、具体的には ということになります。 これにより、今回の \(f(x)\) の一例として \(f(x)=\cos{\displaystyle \frac{\pi}{b-a}(x-a)}\) が考えられます。 ということを示したいわけですが、背理法という路線を手なりに選択したいところです。 まずは条件 [ⅰ] , [ⅱ] を数式的に翻訳すると 任意の実数 \(x\) に対して が成り立つ。 ということになります。 これについては、例えば \(y=f(x)\) のグラフが \(x=k\) を対称軸にもつときに、 というイメージをもっていれば というように、立式できるでしょう。 今 \(f(x)=\displaystyle \sum_{i=0}^{n}c_{i}x^{i}\) とすると、 \(f(2b-x)-f(2a-x)=0\) が任意の実数 \(x\) で成立することになりますから、\(f(x)=\displaystyle \sum_{i=0}^{n}c_{i}x^{i}\) とおいたことを用いて実際に \(f(2b-x)-f(2a-x)\) を計算し、係数に注目していくことになります。 この辺りの計算については少しでも目に優しく丁寧に処理していきたいところです。 詳しくは解答 PDF をご覧ください。 京都府立医科大は何やら対称軸に関する問題がお好きなようで、 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) オマージュ問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 一般性の高い4次関数を2つの2次関数の合成で表すということをテ ... 続きを見る も面白い問題です。(1) について
簡単なケースで言えば
幅の倍率調整について
平行移動について
(2) について
参考4次関数を2つの2次関数の合成で表す【2006年度 京都府立医科大学】