問題はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
(1) について
\(a\) が負だと速攻でマズイことに気がつくと思います。
例えば \(a=-1\) だと
\(3^{-1}-2^{b}=\displaystyle \frac{1}{3}-2^{b}\)
ということで \(\displaystyle \frac{1}{3}\) の時点で \(1\) を下回ってしまい、そこから \(2^{b}\) を引くわけですから、\(=1\) になるわけがありません。
つまり、\(3^{a} \lt 1\) となってしまうのがマズいわけですから、逆に言えば、\(3^{a} \gt 1\) となる根拠を探せばよいわけです。
すると
\(3^{a}=2^{b}+1 \gt 1\)
となりますから、\(a \gt 0\) が言えます。
このとき、
\(2^{b}=3^{a}-1 \gt 3^{1}-1=2 \gt 0\)
も言えるため、\(b \gt 0\) の方の証明も解決です。
(2) について
ひとまず累乗数を分けて
\(3^{a}=2^{b}+1\)
という形で見たいと思います。
整数問題の有力方針
- 積の形から約数の拾い上げ
- 余りで分類
- 評価する(範囲を絞る)
を意識しつつ、今回は偶奇に注目する問題の趣旨から、余りに注目したいと思います。
さらに
という上級者にとっての基本事項も後押しの材料です。
累乗数の余りの周期性については
-
-
参考自然数の累乗の余り【累乗の余りの周期性】【1999年度 お茶の水女子大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな整数問題で、教訓を多く含む問題です。 場当たり的に解き進めても、腕力がある人はねじ伏せることができるでしょうが、できれば戦略的 ...
続きを見る
でしっかりと取り扱っています。
本問の
\(3^{a}=2^{b}+1\)
という形においては
- \(2^{b}+1\) が \(3\) の倍数となっている
ということから
\(2^{n}+1\) を \(3\) で割った余り
に注目したいところです。
\(f(n)=2^{n}+1\) に対して
- \(f(1)=3 \equiv 0 \pmod 3\)
- \(f(2)=5 \equiv 2 \pmod 3\)
- \(f(3)=9 \equiv 0 \pmod 3\)
- \(f(4)=17 \equiv 2 \pmod 3\)
という実験結果から、\(f(n)\) を \(3\) で割った余りは
\(0\) , \(2\) の繰り返し
という予想が立ちます。
この後の周期性を裏付けるためには
\(f(n+2) \equiv f(n) \pmod 3\)
すなわち
\(f(n+2)-f(n) \equiv 0 \pmod 3\)
が言えればOKで、
- \(f(n+2)-f(n)\) が \(3\) の倍数であること
を言えばよいでしょう。
\(f(n)=2^{n}+1\) を \(3\) で割った余りが \(0\) , \(2\) の繰り返しであることが言えれば、\(2^{b}+1\) が \(3\) の倍数であるためには
\(b\) が奇数
ということになります。
すると、\(b\) は \(1\) より大きな奇数ということになり
\(b=2B+1\)
と自然数 \(B\) を用いて表せるため、
\(3^{a}=2 \cdot 4^{B}+1\)
という関係式を得ます。
今度は \(3^{a}\) が \(4\) で割って \(1\) 余るということになるため、
について調べたくなります。
先ほど同様に\(3^{n}\) を \(4\) で割った余りは
\(3\) , \(1\) の繰り返し
ということが言えますから、\(3^{a}\) を \(4\) で割った余りが \(1\) となるためには
\(a\) は偶数
ということになり、解決です。
(3) について
(2) という強力なヒントがありますから、\(b=1\) と \(b \gt 1\) のときに分けて考えたいところです。
\(b=1\) のときは \(a=1\) も即座に得られるため、問題ないでしょう。
\(b \gt 1\) のとき
\(b \gt 1\) のときは \(a\) が偶数であるため
\(a=2m\)
と自然数 \(m\) を用いて表せます。
このときは
\(3^{2m}-1=2^{b}\)
となり、
\((3^{m}+1)(3^{m}-1)=2^{b}\)
と因数分解が狙えます。
これにより、\(3^{m}+1\) , \(3^{m}-1\) は
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
3^{m}+1=2^{\alpha}\\
3^{m}-1=2^{\beta}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
と、それぞれ2の累乗の形で表せることになります。
ここからは、\(m\) を消去するために辺々引くことにします。
それにより
\(2^{\alpha}-2^{\beta}=2\)
を得るわけですが、ここから
- 左辺の素因数 \(2\) の個数は \(2^{\beta}\) が握っている
という部分をスムーズに見抜きたいところです。
\(2^{\beta}(2^{\alpha-\beta}-1)=2\)
とするとより明確で、\(2^{\alpha-\beta}-1\) は奇数ですから、
\(\beta=1\)
が得られることになり、あとは芋づる式に色々求まっていきます。
解答はコチラ