実践演習 整数系

素数の各桁の数を係数にもつ2次方程式【素数という条件の活かし方】【1977年度 名古屋大学】

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問題の主張が高級です。

シンプルな主張ですが、難問の匂いが漂ってきます。

数学が好きな人は気を付けてください。

試験場だと深入りし、下手にムキになろうものなら冷静さを失って時間バランスが崩壊しかねません。

時間を気にせず粘り強く考えるという観点から見れば、本問は良問です。

比較的目につきやすい特徴から愚直に崩していく方針【解1】と、急所を突けば一撃で倒せる方針【解2】という2路線の解答を用意しました。

見えてしまえばなんてことはないのですが、冷静に急所を突けるかというと、言うほど簡単ではないと思います。

(以下ネタバレ注意)

 

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「整数解をもたない」という否定的な命題を直接証明するのは厄介だということで、手なりに背理法を選択したいところです。

\(ax^{2}+bx+c=0\) という 2 次方程式が \(x=m\) という整数解をもつと仮定します。

解が与えられたとき、

解の扱い

  • 代入
  • 解と係数の関係
  • 因数定理による因数分解

などという路線が考えられます。

今回は \(x=m\) という整数解以外のもう一方の解については整数解の保証がありません。

そこで解と係数の関係は捨てて、代入します。
(そこまで深く考えなくても代入したという人は多いと思います)

すると、\(am^{2}+bm+c=0\) という式を得ることになりますが、ここから何を見出すかです。

整数問題の有力方針

  • 積の形から約数拾い
  • 余りで分類
  • 評価する(範囲を絞る)

と、整数問題に対する有力な方針は3つあります。

ここで、「積の形から約数拾い」という方針を意識すると

\(c=-m(am+b)\)

と見て、\(m\) が 1 桁の自然数 \(c\) の約数であることが分かります。

\(m\) は明らかに負の整数解ですし、\(c\) は 5 を除く奇数で、何より

所詮 1 桁です

なので、愚直に潰していってもたかが知れています。

とは言え、それなりには茨の道です。

うまくやろうとするならば、\(f(x)=ax^{2}+bx+c\) とおいたとき、

\(f(x)=(x-m)(ax+n)\)

という形で因数分解できるということを利用します。

素数 \(p=100a+10b+c\) は \(p=f(10)\) ということを考えると、

\(p\)って積の形で書けちゃっているから合成数じゃね?

と見抜ければ、あとは(2以上の整数)×(2以上の整数)であることを示すという道が見えるでしょう。

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