実践演習 幾何・ベクトル系

空間ベクトルと三角関数【座標における角度の扱い】【2017年度 一橋大学】

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平面座標における角度の扱いと言えば

座標平面上で角度を扱うときの方針

  • ベクトルの内積を用いて、cos の服を着せて角度を扱う
  • tan の加法定理を用いて、傾きとtan の関係を用いる
  • 複素数平面として考えて、極形式を用いて回転させる

というのが一般的です。

 

ただ、今回のような空間座標となってくると、ベクトルの内積を用いる方針しか使えないでしょう。

あとは幾何的に翻訳するとかも考えられるかもしれませんが、本問においては少なくともパスです。

(以下ネタバレ注意)

 

 

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(1) は \(\angle AOC\) が影響する \(\overrightarrow{ OA } \cdot \overrightarrow{ OC }\) と ,   \(\angle BOC\) が影響する \(\overrightarrow{ OB } \cdot \overrightarrow{ OC }\)  を計算します。

その結果どちらも 0 となり \(\overrightarrow{ OA }\) と \(\overrightarrow{ OC }\) は直交し、 \(\overrightarrow{ OB }\) と \(\overrightarrow{ OC }\) も直交することが分かります。

(2) はこれに加えて\(\overrightarrow{ OA } \cdot \overrightarrow{ OB }=0\) と、\(\overrightarrow{ OA }\) と \(\overrightarrow{ OB }\) まで直交するため、3本のベクトル

\(\overrightarrow{ OA }\) ,  \(\overrightarrow{ OB }\) ,  \(\overrightarrow{ OC }\)  が互いに直交していることになり、体積を計算するにあたって考えるべき

「どこを底面と見て、どこを高さと見るか」

について余計な心配をする必要がありません。

変なことを考えない限り、求める体積 \(V\) は \(V=\displaystyle \frac{1}{6} |\overrightarrow{ OA }||\overrightarrow{ OB }| |\overrightarrow{ OC }|\) となります。

\(\overrightarrow{ OA } \cdot \overrightarrow{ OC }\) と  \(\overrightarrow{ OB } \cdot \overrightarrow{ OC }\)  はいつでも 0 です。

今回の四面体 \(OABC\) の形を決定づける式は条件である

\(\overrightarrow{ OA } \cdot \overrightarrow{ OB }=0\)

でしょう。

これを翻訳して \(\theta\) を求めてしまえばほぼ解決です。

また、本問の作問者は恐らくベクトルの外積

\(\overrightarrow{ OA } \times \overrightarrow{ OB }\)

を用いて \(\overrightarrow{ OC }\) を設定したと思います。

本問を解くにあたって、外積が何か美味しくはたらいているかの検証も一応してみました。

結論から言うと微妙な結論です。

「本問で求められていることに答える」という観点からすれば、外積を用いてやるよりも普通に解いた方が素直でした。

もしかしたら、私には見えなかった何かがあるのかもしれませんが \(\cdots\)

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