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数列分野の中で一番最初に学習する基本的な数列である等差数列。
その等差数列と和について扱った問題です。
大抵この分野の問題は難易度的には基本レベルの問題になりがちですが、本問は定番の話題である等差数列の和の最大問題をベースとした運用力の上に
- 洞察力
- 構想力
- 処理力
などが求められる難問です。
各種スタミナが必要であり、機械的な態度だけでは完答するには厳しいでしょう。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む ひとまず、今回の等差数列の初項を \(a\) , 公差を \(d\) と設定します。 サラリと問題の条件が書かれているため、意識が薄いかもしれませんが、今回の \(\{S_{n}\}\) という数列には最大値があります。 ということは、公差 \(d\) が \(d \gt 0\) だと、どんどん正の値を足し続けるので数列 \(\{a_{n}\}\) が単調増加数列ということになります。 そうなってくると、\(n\) が大きくなっていくと \(S_{n}\) はやがて \(22\) を超えていってしまいます。 つまり題意を満たさないわけです。 \(d=0\) のときも \(S_{n}=a+a+a+\cdots+a\) ということですから、 ということになり、題意を満たすことはありません。 このことから公差 \(d\) は \(d \lt 0\) となるしかありません。 このとき、初項 \(a\) についても ということになり、題意を満たしません。 以上から、 ということが確定します。 この数列 \(\{a_{n}\}\) は正の値からスタートし、段々減少していくという減少数列です。 減少するとは言え、ある程度正の値であるうちは ということになります。 やがて負の値となる瞬間がやってくるわけですが、負の値が入り込みだすと ことになります。 つまり、 \(a_{1} \gt a_{2} \gt \cdots \gt a_{m} \gt 0 \geq a_{m+1} \gt a_{m+2} \gt \cdots\) というように、 \(a_{m}\) までが正の値 と設定すると \(S_{1} \lt S_{2} \lt \cdots \lt S_{m-1} \lt S_{m} \geq S_{m+1} \gt S_{m+2} \gt \cdots\) となり、上位3項が \(S_{m-1}\) , \(S_{m}\) , \(S_{m+1}\) ということになり、これらが \(22\) , \(21\) , \(20\) と 1 対 1 対応することになります。 最大である \(S_{m}\) が \(22\) であることは確定しますから、残るは という場合分けを行い、それぞれの場合を処理することになります。 この後の処理も基本の運用である 和から一般項
\(n \geq 2\) のとき \(a_{n}=S_{n}-S_{n-1}\) などを駆使しながら連立方程式を処理していくことになり、単純な連立方程式の処理で終わりません。 詳しい計算過程は解答 PDF で述べていますが、手を動かさずに答えだけ読んでしまっても「あぁそうかいな」で終わってしまいますから、計算部分だけでも手を動かしてみることをおススメします。等差数列の和に最大値がある?
等差数列の和の最大