等差中項
一般に a , b , c がこの順に等差数列であるとき、
①:(a \ , \ b \ , \ c)=(a \ , \ a+d \ , \ a+2d)
②:(a \ , \ b \ , \ c)=(b-d \ , \ b \ , \ b+d)
③:2b=a+c
という翻訳の仕方があります。
特に ③ は、
b=\displaystyle \frac{a+c}{2}
と、両端の相加平均となっています。
この等差数列の並びの真ん中の項 b を
等差中項
と言います。
③ については ① , もしくは ② から即座に導ける関係式で、実戦の現場では常識レベルで持ち出せなければいけない関係式です。
等比中項
一般に a , b , c がこの順に等比数列であるとき、
①:(a \ , \ b \ , \ c)=(a \ , \ ar \ , \ ar^{2})
②:(a \ , \ b \ , \ c)=(\displaystyle \frac{b}{r} \ , \ b \ , \ br)
③:b^{2}=ac
という翻訳の仕方があります。
特に ③ は
b=\pm \sqrt{ac}
と、両端の相乗平均となっています。(符号のことについて触れだすと相乗平均と呼んでいいのかどうかという問題になりますが、ここでは目くじらを立てないことにします。)
この等比数列の並びの真ん中の項 b を
等比中項
と言います。
これについても ③ は ① , ② から即座に導ける関係式で、等差中項同様、実戦の現場においては必要に応じて即座に持ち出せる必要があります。
例題について
例題はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

例題においては、等差数列となる順序や、等比数列となる順序が決まっています。
先ほどの等差中項、等比中項に関する関係式から
という式を得ます。
これに加えて、(1) , (2) の条件式が加わるため、実際の処理としては連立方程式の問題となります。
これ以降の処理については、煮るなり焼くなり刺身にするなりと、捌き方は様々です。
目に付く方針で確実に処理してほしいと思います。
類題について
類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

ある程度の実力がある人からすれば、こちらを例題としてもよいかもしれません。
例題から少しパワーアップして、
並びが確定していない
という要素があります。
数学における「適当に並べる」というのは、日常生活で使う「適当(いいかげん)」という意味ではなく、「適切に並べる」という意味です。
この並びについては自分で考察をする必要があり、この問題の醍醐味と言えるでしょう。
考察がはまると気持ちよさを感じると思います。
例題の解答はコチラ
類題の解答はコチラ