(1) について
ひとまずは3次元空間のベクトルを扱うにあたり
という言葉に従い、始点を \(\mathrm{A}\) 、基底(主役のベクトル)を\(\overrightarrow{ \mathrm{AB} }\) , \(\overrightarrow{ \mathrm{AC} }\) , \(\overrightarrow{ \mathrm{AD} }\) として
\(\overrightarrow{ \mathrm{AG} }\) , \(\overrightarrow{ \mathrm{AH} }\)
というその他の登場人物を主役の3本のベクトルで表します。
三角形の重心の位置ベクトルについては、教科書に記載がありますから断りなく用いて構いません。
\(\overrightarrow{ \mathrm{AG} }=\displaystyle \frac{1}{3}\overrightarrow{ \mathrm{AB} }+\displaystyle \frac{1}{3}\overrightarrow{ \mathrm{AC} }+\displaystyle \frac{1}{3}\overrightarrow{ \mathrm{AD} }\)
\(\overrightarrow{ \mathrm{AH} }=\displaystyle \frac{1}{3}\overrightarrow{ \mathrm{AC} }+\displaystyle \frac{1}{3}\overrightarrow{ \mathrm{AD} }\)
となります。
これでお膳立てが整いました。
交点の位置ベクトルと共線条件
今回の \(\mathrm{O}\) は
直線 \(\mathrm{AG}\) , \(\mathrm{BH}\) との交点
として得られるものです。
したがって \(\mathrm{O}\) が
直線 \(\mathrm{AG}\) 上 , かつ 直線 \(\mathrm{BH}\) 上
という2点を翻訳していきます。
直線 \(\mathrm{AG}\) 上ということは
\(\overrightarrow{ \mathrm{AO} }=k\overrightarrow{ \mathrm{AG} }\)
と翻訳すれば一撃です。
直線 \(\mathrm{BH}\) 上ということは
\(\overrightarrow{ \mathrm{AO} }=(1-t)\overrightarrow{ \mathrm{AB} }+t\overrightarrow{ \mathrm{AH} }\)
と言えばよいでしょう。
これについては
- \(\mathrm{BO} : \mathrm{BH}=t : 1-t\) とおく
もしくは
- \(s+t=1\) として \(\overrightarrow{ \mathrm{OP} }=s\overrightarrow{ \mathrm{OA} }+t\overrightarrow{ \mathrm{OB} }\) であるとき、\(\mathrm{P}\) は直線 \(\mathrm{AB}\) 上
という直線ベクトル方程式の基本を用いる
(ここで言う \(\mathrm{O}\) , \(\mathrm{A}\) , \(\mathrm{B}\) は本問のアルファベットとは関係ありません。)
のいずれかから手際よく立式したいところです。
あとは、
\(\overrightarrow{ \mathrm{AO} }\) が \(\overrightarrow{ \mathrm{AB} }\) , \(\overrightarrow{ \mathrm{AC} }\) , \(\overrightarrow{ \mathrm{AD} }\) という1次独立な3本のベクトルを用いて 2 通りで表せるため、係数比較に持ち込めます。
(2) について
切り替えが難しいところですが、今度は始点を \(\mathrm{O}\) で考えます。
\(\mathrm{O}\) は \(\mathrm{A}\) , \(\mathrm{B}\) , \(\mathrm{C}\) , \(\mathrm{D}\) から見て対等な立場にあるため、将来的に扱いやすいためです。
そうなると今回考えるべき
\(|\overrightarrow{ \mathrm{AP} }|^{2}+|\overrightarrow{ \mathrm{BP} }|^{2}+|\overrightarrow{ \mathrm{CP} }|^{2}+|\overrightarrow{ \mathrm{DP} }|^{2}\)
は
\(|\overrightarrow{ \mathrm{OP} }-\overrightarrow{ \mathrm{OA} }|^{2}+|\overrightarrow{ \mathrm{OP} }-\overrightarrow{ \mathrm{OB} }|^{2}+|\overrightarrow{ \mathrm{OP} }-\overrightarrow{ \mathrm{OC} }|^{2}+|\overrightarrow{ \mathrm{OP} }-\overrightarrow{ \mathrm{OD} }|^{2}\)
となります。
そうなると、計算を進めるのに必要なのは
\(|\overrightarrow{ \mathrm{OA} }|\) , \(|\overrightarrow{ \mathrm{OB} }|\) , \(|\overrightarrow{ \mathrm{OC} }|\) , \(|\overrightarrow{ \mathrm{OD} }|\)
です。
2乗展開のクロスタームについては
\(\overrightarrow{ \mathrm{OA} }+\overrightarrow{ \mathrm{OB} }+\overrightarrow{ \mathrm{OC} }+\overrightarrow{ \mathrm{OD} }=\vec{0}\)
によって消えることが目論めます。
四面体の重心であることを知っているとこの辺りは若干有利です。
そうなると、結局
\(|\overrightarrow{ \mathrm{AP} }|^{2}+|\overrightarrow{ \mathrm{BP} }|^{2}+|\overrightarrow{ \mathrm{CP} }|^{2}+|\overrightarrow{ \mathrm{DP} }|^{2}=4|\overrightarrow{ \mathrm{OP} }|^{2}+(定数)\)
という形になることが見込まれ、
\(|\overrightarrow{ \mathrm{OP} }|\) の最大・最小
を考えることに集中すればよくなります。
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