実践演習 幾何・ベクトル系

四角柱の切断【天国と地獄】【2014年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

東大にしては珍しく図を付けてくれており、状況が読み取りやすくなっています。

ただ、解法の良しあしははっきりと分かれ、差が付くと思います。

沼に嵌まると第1問という位置づけも相まって平常心を失う恐れもあります。

難易度としてはできれば確保したいレベルでしょう。

当時教えていた受験生で受かった人たちのほとんどはきっちりと本問は確保していました。

というと、プレッシャーを感じるでしょう。

そのプレッシャーの中で標準問題を確保するという重みを実感するためにも、まずは試験場のつもりで自力で解いてみてください。

(以下ネタバレ注意)

 

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(1) について

この四角形 \(\mathrm{OPQR}\) が平行四辺形であることを看破したいところです。

断りなく平行四辺形と断定するかどうかについては、もちろん記述した方が望ましいに決まっています。

ただ実際には時間との兼ね合いもあるでしょう。

座標系を設定すれば割とスムーズに話が進みます。

(2) について

(1) で正しい結論が得られれば

\(S=\sqrt{1+\tan^{2}{\alpha}+\tan^{2}{\beta}}\)

と得られているはずです。

条件 \(S=\displaystyle \frac{7}{6}\) から

\(1+\tan^{2}{\alpha}+\tan^{2}{\beta}=\displaystyle \frac{49}{36}\)

を得ます。

残る \(\alpha+\beta=\displaystyle \frac{\pi}{4}\) という条件を、いかに使うかで明暗が分かれます。

方針1

\(\tan{(\alpha+\beta)}=1\)

と見ると、加法定理から

\(\displaystyle \frac{\tan{\alpha}+\tan{\beta}}{1-\tan{\alpha}\tan{\beta}}\)

を得るため、

\(\tan{\alpha}+\tan{\beta}\) ,  \(\tan{\alpha}\tan{\beta}=1\)

という等式が得られます。

つまり、先ほどの

\(1+\tan^{2}{\alpha}+\tan^{2}{\beta}=\displaystyle \frac{49}{36}\)

と併せれば、

\(\tan{\alpha}+\tan{\beta}\) ,  \(tan{\alpha}\tan{\beta}\)

という和と積に関する情報が得られます。

和は今回求めるものの一つですし、個別に求める \(\tan{\alpha}\) についても、和と積を活かした

解と係数の関係

で仕留めることも定番の内容です。

方針2

\(\alpha+\beta=\displaystyle \frac{\pi}{4}\) から、

\(\beta=\displaystyle \frac{\pi}{4}-\alpha\)

などと、1文字消去という路線も愚直な方針に見えます。

(1) 、及び条件 \(S=\displaystyle \frac{7}{6}\) から得られる

\(1+\tan^{2}{\alpha}+\tan^{2}{\beta}=\displaystyle \frac{49}{36}\)

に、\(\beta=\displaystyle \frac{\pi}{4}-\alpha\) を代入することで、\(\tan{\alpha}\) のみの4次方程式に帰着します。

\(\tan{\alpha}=T\)

などとおいて整理すると

\(36T^{4}+72T^{3}++59T^{2}-98T+23=0\)

という鬼4次方程式と遭遇します。

最高次の \(36\) の約数が多いため、心が折れるでしょう。

因数分解すれば

\((2T-1)(3T-1)(6T^{2}+17T+23)=0\)

となりますが、正直試験場だと相当焦る4次方程式で、あまり現実的とは言えない路線と言わざるを得ません。

まとめ

対称性を崩して、1文字消去するとトンデモ4次方程式が出てきてしまいました。

まぁ対称性に逆らうとロクなことはないのですが、それにしてもここまで顕著なのも驚きでしょう。

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