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実践演習 方程式・不等式・関数系

放物線と円の共有点の個数【方程式の解の意味】【2015年度 大阪市立大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

放物線と円の共有点の個数について直球で訊いている問題です。

放物線と円の共有点については結構ウルサイので、場当たり的になってしまうことも多いかと思います。

直感的に処理できる部分や、式に教えてもらう部分が混在するところもあるため、一つずつ丁寧に整理していきましょう。

(以下ネタバレ注意)

 

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共有点を考察するにあたって

x^{2}+y^{2}=1y=ax^{2}+b

を連立することを考えます。

よくこの手の問題で解説されているのは

  • x^{2} を消去する方針

です。

確かに、次数的には y についての 2 次方程式となるため、処理しやすいという点ではメリットがあります。

ただし、注意していなかったり、根本的な理解に努めていないと事故る可能性も秘めています。

(【総括】でも少し触れています)

それに対して、

  • y を消去する方針

も考えられます。

そうなると、x^{2}+(ax^{2}+b)^{2}=1 となり、整理すると

a^{2}x^{4}+(2ab+1)x^{2}+b^{2}-1=0

という x に関しての 4 次方程式が登場します。

とは言え、見かけ上は4次ですが、x^{2} を塊と見れば実質は2次の処理でいけます。(複2次の形)

確かに

というように、共有点の個数が4個あるようなケースもあるため、

実数解の個数と共有点の個数がリンクして考えやすい

というメリットがあります。

用意した解答は

  • x^{2} を消去する方針【路線1】
  • y を消去する方針【路線2】

の2路線用意してあります。

共有点が2個のケース【(1) について】

このケースは -1 \lt b \lt1 であれば、a の値に関わらず成立します。

直感的に明らかですが、式的にバックボーンを立てようと思うと、y を消去する【路線2】の方がやりやすいと思います。

(このあたりは【解答】で確認してください。)

のケースは【路線1】で得る y の2次方程式が重解をもつという翻訳で進めるのが基本路線ですが、ただ重解をもつだけでなく、-1 \lt y \lt 1 の範囲内に重解をもつという部分まで考える必要があります。

なお、 y の2次方程式が重解をもつということは、判別式が 0 ということになります。

そこで問題提起

なぜ、判別式が 0 という処理をした際、

という状況が出てきて

は出てこないのか

これについては【総括】の後で触れています。

ヒントは「重解」という言葉の意味を分かっていますか?ということです。

共有点が3個のケース【(2) について】

というケースなので、直感的に b=-1 のときというのは分かると思います。

ただ、それはあくまで必要条件で、それで十分かと言われるとマズいですね。

ということも考えられるわけです。

つまり、開き具合を司る a はある程度大きくないといけないわけです。

このあたりをどのように式に教えてもらうかについても【路線1】【路線2】双方でマスターしましょう。

※このあたりは曲率半径の話題とも関わってきますが、その話は別の機会にします。

共有点が4個のケース【(3) について】

むしろ、これが一番分かりやすいかもしれません。

【路線1】の y の2次方程式の解の意味(交点の y 座標という意味)も見えやすいです。

【路線2】の x の4次方程式の解の意味(交点の x 座標という意味)も見えやすいです。

個人的にこれが (1) でもいいんじゃないかとさえ思います。

類題について

類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

(2) が今回の話題の円と放物線の共有点の個数に関する考察です。

例題と違い、今回の円 C には対称性がありません。

したがって、文字消去する際の判断力も問われます。

また、円 C

  • (x-p)^{2}+(y-q)^{2}=r^{2}
  • x^{2}+y^{2}+ax+by+c=0

のどちらで設定するかという判断力も問われます。

この選択によって微妙にとる態度が変わってくると思います。

解答を聞くだけではもったいない問題で、このあたりを考えるのも一興です。

例題の解答はコチラ

類題の解答はコチラ

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