例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
放物線と円の共有点の個数について直球で訊いている問題です。
放物線と円の共有点については結構ウルサイので、場当たり的になってしまうことも多いかと思います。
直感的に処理できる部分や、式に教えてもらう部分が混在するところもあるため、一つずつ丁寧に整理していきましょう。
(以下ネタバレ注意)
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共有点を考察するにあたって
x^{2}+y^{2}=1 と y=ax^{2}+b
を連立することを考えます。
よくこの手の問題で解説されているのは
- x^{2} を消去する方針
です。
確かに、次数的には y についての 2 次方程式となるため、処理しやすいという点ではメリットがあります。
ただし、注意していなかったり、根本的な理解に努めていないと事故る可能性も秘めています。
(【総括】でも少し触れています)
それに対して、
- y を消去する方針
も考えられます。
そうなると、x^{2}+(ax^{2}+b)^{2}=1 となり、整理すると
a^{2}x^{4}+(2ab+1)x^{2}+b^{2}-1=0
という x に関しての 4 次方程式が登場します。
とは言え、見かけ上は4次ですが、x^{2} を塊と見れば実質は2次の処理でいけます。(複2次の形)
確かに
というように、共有点の個数が4個あるようなケースもあるため、
実数解の個数と共有点の個数がリンクして考えやすい
というメリットがあります。
用意した解答は
- x^{2} を消去する方針【路線1】
- y を消去する方針【路線2】
の2路線用意してあります。
共有点が2個のケース【(1) について】
このケースは -1 \lt b \lt1 であれば、a の値に関わらず成立します。
直感的に明らかですが、式的にバックボーンを立てようと思うと、y を消去する【路線2】の方がやりやすいと思います。
(このあたりは【解答】で確認してください。)
のケースは【路線1】で得る y の2次方程式が重解をもつという翻訳で進めるのが基本路線ですが、ただ重解をもつだけでなく、-1 \lt y \lt 1 の範囲内に重解をもつという部分まで考える必要があります。
なお、 y の2次方程式が重解をもつということは、判別式が 0 ということになります。
そこで問題提起
なぜ、判別式が 0 という処理をした際、
という状況が出てきて
や
は出てこないのか
これについては【総括】の後で触れています。
ヒントは「重解」という言葉の意味を分かっていますか?ということです。
共有点が3個のケース【(2) について】
というケースなので、直感的に b=-1 のときというのは分かると思います。
ただ、それはあくまで必要条件で、それで十分かと言われるとマズいですね。
ということも考えられるわけです。
つまり、開き具合を司る a はある程度大きくないといけないわけです。
このあたりをどのように式に教えてもらうかについても【路線1】【路線2】双方でマスターしましょう。
※このあたりは曲率半径の話題とも関わってきますが、その話は別の機会にします。
共有点が4個のケース【(3) について】
むしろ、これが一番分かりやすいかもしれません。
【路線1】の y の2次方程式の解の意味(交点の y 座標という意味)も見えやすいです。
【路線2】の x の4次方程式の解の意味(交点の x 座標という意味)も見えやすいです。
個人的にこれが (1) でもいいんじゃないかとさえ思います。
類題について
類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
(2) が今回の話題の円と放物線の共有点の個数に関する考察です。
例題と違い、今回の円 C には対称性がありません。
したがって、文字消去する際の判断力も問われます。
また、円 C を
- (x-p)^{2}+(y-q)^{2}=r^{2}
- x^{2}+y^{2}+ax+by+c=0
のどちらで設定するかという判断力も問われます。
この選択によって微妙にとる態度が変わってくると思います。
解答を聞くだけではもったいない問題で、このあたりを考えるのも一興です。