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巴戦という形式の勝者の決め方を題材にした問題です。
大相撲の千秋楽で同じ勝率の力士が3人いた場合に用いられます。
有名ネタであり、類題も散見されます。
本問のように、野球の試合で巴戦というのは時間的に相当かかるので1日でやるのは現実的ではないでしょうね。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む 確率の大きな方針決定の指針として ということが考えられます。 回を重ねても状態を追っていけるか、回を重ねると状態が複雑でとても追いきれないかというのが一つ基準です。 巴戦が続くという前提で言えば、勝者の移り変わりは のいずれかであり、規則性があります。 これであれば、状態を追っていけるので、漸化式を導入しなくても直接確率を追っていけるでしょう。 最後の対戦相手が B ということは B→C→A→B→C→A→ \(\cdots\) というパターンの4試合目以降に現れるどこかの B を A に変えるということが言えます。 A が \(n\) 試合目で優勝する確率を \(A_{n}\) とします。 勝者の移り変わりが周期3で変化していることから、\(A_{n+3}\) を計算してみたくなると思います。 と細分化して分けると、\(A_{n}=a_{n}+b_{n}\) です。 最初の3試合で勝者が A→C→B 残りの \(n\) 試合で A の勝利からスタートして \(A\) が優勝するので \(a_{n+3}=\displaystyle \frac{1}{8}a_{n}\) 最初の3試合で勝者が B→C→A 残り \(n\) 試合やるわけですが、\(n \geq 2\) なので、残りは2試合以上あります。 つまり、4 試合目で A が勝利してしまうと困ってしまうわけです。 よって、この後の \(n\) 試合は、B の勝利からスタートして \(A\) が優勝するので \(b_{n+3}=\displaystyle \frac{1}{8}b_{n}\) となります。 以上から \(A_{n+3}=\displaystyle \frac{1}{8}A_{n}\) という漸化式を得ることになります。 【総括】の中で、計算については軽く述べていますが、3者の実力差がない場合の巴戦では ということが言えます。 今回で言えば、C がやや不利ということになります。 C の立場になって考えてみると分かります。 A , B にとっては初戦で負けても、優勝のチャンスがゼロになるわけではありません。 しかし、C からすれば、初戦で負けると相手の連勝を許すことになり、そこで巴戦が終わってしまいます。 多くの類題がありますが、実力差がある場合と、待機となる確率にスポットを当てており、漸化式の導入から切り込んでいるものをもってきました。方針決定するうえで
勝者の移り変わり
(2) について
漸化式を導入する路線
\(a_{n+3}\) について
\(b_{n+3}\) について
巴戦の有利不利
類題について
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