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たかが微分、されど微分。
難関大受験生にとっては方針面で困ることはないでしょうが、試験場だと頭に血がのぼるタイプの問題です。
「いかに解決するか」というよりも、「いかに落ち着いて整理するか」といった工夫面での勝負となるでしょう。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む 和積公式の証明ですが、加法定理を用いてというのは、難関大受験生にとっては余計なお世話でしょう。 「普段から作っとるわい」 という感想がもてていれば問題ないはずです。 方程式においては ポイント
和よりも積の形の方が相性がよい ということは感覚として染みついていると思います。 三角関数分野では上記ポイントをピンポイントで解決してくれる和積公式という武器があります。 今回は というペアで和積公式を用いて、辺々引けばよいでしょう。 これにより、 \((\cos{4x}+\cos{x})+(\cos{3x}+\cos{2x})-\{(\sin{4x}+\sin{x})+(\sin{3x}+\sin{2x})\}\) \(=4\cos{x}\cos{\displaystyle \frac{x}{2}}(\cos{\displaystyle \frac{5x}{2}}-\sin{\displaystyle \frac{5x}{2}})\) と因数分解された形で整理できると思います。 余談 逆に積分などになってくると、積よりも和の方が相性がよいですね。 当然 \(f'(x)\) を計算していきます。 すると \(f'(x)=\cos{x}-\sin{x}+\cos{2x}-\sin{2x}+\cos{3x}-\sin{3x}+\cos{4x}-\sin{4x}\) という(2) の方程式を解くためにした式変形が見込める形が現れます。 先ほどの因数分解を利用すれば \(f'(x)=4\cos{x}\cos{\displaystyle \frac{x}{2}}(\cos{\displaystyle \frac{5x}{2}}-\sin{\displaystyle \frac{5x}{2}})\) と因数分解できます。 ここから \(f'(x)\) の符号を追っていく必要があります。 \(f'(x)=0\) にばかり注目する受験生も多いのですが、本来一番知りたい情報は \(f'(x)\) の符号のはずです。 今回、 \(\cos{x}\) , \(\cos{\displaystyle \frac{x}{2}}\) , \(\cos{\displaystyle \frac{5x}{2}}-\sin{\displaystyle \frac{5x}{2}}\) という3つの符号がどう絡み合うかを整理して考える必要があるわけです。 \(\cos{\displaystyle \frac{5x}{2}}-\sin{\displaystyle \frac{5x}{2}}\) の符号については 差形の符号
グラフの上下で判断 という技で対応します。 その際ですが、残りの \(\cos{x}\) , \(\cos{\displaystyle \frac{x}{2}}\) の符号がどう絡んでくるかも考える必要があります。 ここはクシャクシャになりかねない部分ですが、\(\cos{x}\) , \(\cos{\displaystyle \frac{x}{2}}\) の符号が確定する と区間を区切って考えることにします。 これによって、\(\cos{x}\) , \(\cos{\displaystyle \frac{x}{2}}\) の符号は確定しますから、 \(\cos{\displaystyle \frac{5x}{2}}-\sin{\displaystyle \frac{5x}{2}}\) の符号に集中できる ことになるでしょう。 それぞれの区間で増減表をかき、あとでそれを継ぎはぎすることで全体像を復元します。 という項目的な力に加えて も完答するためには必要でしょう。 方針面での発想的に難しさはないぶん、試験場で落とすと一際悔しい類の問題だと思います。(1) について
(2) について
(3) について
振り返ると