作問の経緯
複素数平面の幾何的な問題は、
結局座標をつかってやった方が早いじゃん
というものも多く、複素数平面の旨味的なものが強烈に実感できるという問題はそこまで多くはありません。
ないのなら つくってしまえ ホトトギス
ということで、複素数平面によく出てくる別解としての道具である
座標、幾何、ベクトル
という分野のまな板の上で捌くと「かえって面倒だな」となるようなものをつくるというコンセプトで作成し始めました。
そうなってくると、
- 斜めの距離や回転という要素を含む
- 角度がキレイには出ない
という要素を入れる必要がありました。
そのような経緯で色々試行錯誤し、題意そのものはできる限りシンプルに、出てくる結論もシンプルになるようになることを目指して作成した問題です。
おおむねコンセプト通りの問題が作れたと思いますが、他人の作った入試問題と違い、作問の場合作問者自身に先入観がバリバリありますので、思いもよらぬ別解が生じてしまっている可能性があります。
もちろん、「簡単」という感覚には個人差があるため、自分のもつ感覚とギャップを感じる方もいらっしゃると思います。
どう考えてもこれだと一撃なんだが
というウルトラCを発見した方はご教授いただけると幸いです。
構図
今回日本語や数式でワーっと説明してある問題の条件やシチュエーションを図示すると

ということになります。
複素数平面において
- \mathrm{A}(\alpha) , \mathrm{B}(\beta) , \mathrm{C}(\gamma) , \mathrm{D}(\delta) , \mathrm{E}(z)
とします。
登場人物のうち
\beta , \gamma , \delta , z
は全て \alpha 及び k を用いて表せます。
これにより、
線分 \mathrm{CD} , \mathrm{CE} , \mathrm{DE}
という三角形 \mathrm{CDE} を構成する3辺の長さが Get できます。
あとは三角形 \mathrm{CDE} が二等辺三角形であるとき
- \mathrm{CD}=\mathrm{CE} のとき
- \mathrm{DC}=\mathrm{DE} のとき
- \mathrm{EC}=\mathrm{ED} のとき
という3パターンの場合分けを丁寧にして処理していけばよいでしょう。
座標で解くとなると
闇雲に座標設定しても苦しいでしょう。
結局本問において大切なのは
長方形の形
であり、向きは関係ありません。
なので
\mathrm{A}(1 \ , \ 0) , \mathrm{B}(1 \ , \ k) , \mathrm{C}(0 \ , \ k)
として考えても一般性を失いません。
ただ、私自身この方針でもやってみましたが、
まぁ解けなくはないかな
というぐらいのもので、劇的に負担が減るというわけではないと思います。
(私の計算の筋が悪く、実はアッサリ終わるということも考えられます。)
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