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仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。
「手垢の付いていない問題で最後の力試しがしたい」
という方はぜひご活用ください。
今回の問題は「数値評価」です。
見た目のインパクト重視で作りましたので、誤差に関しては結構ガバガバだと思います。
とは言え、あまりにもラフな評価で倒せるわけではないと思うので、十分試験として機能はする問題のレベルだと思います。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む (1) は具体的な積分計算ですから、難関大において実際の試験場であれば落とすことは許されないでしょう。 \(I_{0}=\log{\displaystyle\frac{2e}{e+1}}\) , \(I_{1}=\log{\displaystyle \frac{e+1}{2}}\) を得ることになります。 (2) は倒すべき不等式を観察した上で、(1) の計算結果を見てみると、\(\displaystyle \frac{e+1}{2}\) がいます。 ここを皮切りに、示すべき不等式を逆算して考えると、目標が見えてくるはずです。 ちなみに、\(2 \lt e \lt 3\) というラフな評価をかましてみます。 流石に、\(e=2.71828182845904 \cdots\) という近似値を全面的に押し出すことは許されませんが、\(e\) が 3 の方に近いことから \(e \lt 3\) の方を使った方が誤差的には精度が高いことが予想されます。 そこで、\((\displaystyle \frac{e+1}{2})^{e+1}\) を大きくする方向で考えてみると \((\displaystyle \frac{e+1}{2})^{e+1} \lt (\displaystyle \frac{3+1}{2})^{3+1}\) , すなわち \((\displaystyle \frac{e+1}{2})^{e+1} \lt 16\) を得ます。 \(16 \lt e^{e}\) が言えれば解決なのですが、実は残念ながら \(e^{e} \lt 16\) なのです。 もちろん、それを言うにはもう少し情報が必要なのですが、 「\(16 \lt e^{e}\) が言えれば解決なのに」 と固執してしまうと、成り立ちもしない不等式に憑りつかれ、身動きがとれなくなりかねません。 ちなみに、この \(e^{e}\) の評価については、 こちらもCHECK 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 「数値評価」シリーズの第4弾です。 このシリーズの一覧はこちら 今回は \(e^e\) の評 ... 続きを見る において、扱っており、本問とは別の勉強になると思いますので、ぜひご覧ください。 また、今回の分野(トピックス)である、『定積分と不等式』については 定積分と不等式評価 第1講【定積分の評価方法】【2001年度 大分医科大学】 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 多くの人が苦手とする話題である「定積分と不等式評価」という話題です。 特に現役生の勝負のカギは数Ⅲの完成度にあると言っても過言ではないのですが、結局この分野を苦手としたまま当日をむかえてしまうことになる受験生は沢山いるでしょう。 そんな受験生たちに差をつけましょう。 このシリーズの一覧はこちら 不等式評価には絶対的な正解がありません。 例えば \(1 \lt □\) の □ に何を入れるかと言われたら人によるところ ... 定積分と不等式評価 第2講【ライプニッツ級数】【2012年度 琉球大学】 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回は \(\tan{ \ }\) に関する定積分を扱います。 積分漸化式の作成については「部分積分」というのが常套手段なのですが、\(\tan{ \ }\) に関する定積分については例外です。 今回の問われ方は「\(I_{n}+I_{n+2}\) を求めよ。」であり、これはかなり親切です。 「\(I_{n+2}\) を \(I_{n}\) と \(n\) を用いて表せ。」であれば正答率はもっと下がると思います。 その場合の対処 ... 定積分と不等式評価 第3講【ライプニッツ級数】【項別積分】【2006年度 名古屋市立大学】 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 前問に引き続き、ライプニッツ級数を題材とした定積分と不等式評価についての問題を見てみます。 このシリーズの一覧はこちら 今回は \(\tan{ \ }\) の逆関数を用いた誘導が付いた問題です。 (1) はイロハのイですが、今回は【総括】の中で \(x=\tan{\theta}\) の置き換えで上手くいくバックボーンについて触れておきました。 (2) においては「体の一部を定数化」です。 その際には、 ... 定積分と不等式評価 第4講【メルカトル級数】【2015年度 山形大学】 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定積分と不等式評価の第4講です。 今回は メルカトル級数 \(1-\displaystyle\frac{1}{2}+\displaystyle\frac{1}{3}-\displaystyle\frac{1}{4}+\cdots\cdots=\log{2}\) について扱った問題を見てみます。 とは言え、本問は、よく言えば丁寧な、悪く言えば過保護な誘導がついています。 ほとんど言われた通り進めていけば、完答できてしまうレベルだと ... 定積分と不等式評価 第5講【eの無限級数表示】【2004年度 高知大学】 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定積分と不等式評価の第5講です。 このシリーズの一覧はこちら 今回はネイピア数 \(e\) の無限級数表示がオチの問題です。 背景には \(e^{x}\) のテイラー展開(マクローリン展開) \(e^{x}=1+\displaystyle\frac{x}{1!}+\displaystyle\frac{x^{2}}{2!}+\displaystyle\frac{x^{3}}{3!}+\cdots\) があります。 しかし、それを前 ... で基本的な戦略や考え方を解説・紹介していますので、適宜ご利用ください。
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