(1) について
極大値、極小値をもつということの翻訳は
- \(f'(x)\) が正から負、負から正へと符号変化を起こす
ということになります。
今回は \(f'(x)=3x^{2}+6x+a^{2}\) と 2 次式であるため、上記のように符号変化を起こすとなると
\(f'(x)=0\) が相異なる 2 つの実数解をもつ
ということになります。
(2) について
\((t \ , \ f(t))\) における接線の式を立てると
\(y=(3t^{2}+6t+a^{2})x-2t^{3}-3t^{2}+a\)
です。
これが、今回指定された通過点である \((1 \ , \ k)\) を通るので
\(k=(3t^{2}+6t+a^{2})\cdot 1-2t^{3}-3t^{2}+a\)
すなわち
\(k=-2t^{3}+6t+a^{2}+a\)
を得ます。
3次関数においては、接線と接点が 1 対 1 に対応するため、接点の \(x\) 座標である \(t\) の個数がそのまま接線の本数になります。
したがって、 \((1 \ , \ k)\) を通るように仕組んだ \(t\) が 3 つあればよい、すなわち \(t\) の 3 次方程式
\(k=-2t^{3}+6t+a^{2}+a\)
が相異なる 3 つの実数解をもてばよいことになります。
そして、それは
\(y=-2t^{3}+6t+a^{2}+a\) と \(y=k\)
のグラフの交点の個数が 3 つであると言えればよいことになります。
この一連の流れは「接線が何本引けますか問題」における鉄板の流れであり、基本です。
(3) について
(2) で考えた3次方程式
\(k=-2t^{3}+6t+a^{2}+a\)
すなわち
\(2t^{3}-6t-a^{2}-a+k=0\)
から得られる相異なる3つの実数解を \(t_{1}\) , \(t_{2}\) , \(t_{3}\) とします。
接線の傾き \(m_{1}\) , \(m_{2}\) , \(m_{3}\) はそれぞれ
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
m_{1}=f'(t_{1})=3t_{1}^{2}+6t_{1}+a^{2} \\
m_{2}=f'(t_{2})=3t_{2}^{2}+6t_{2}+a^{2} \\
m_{3}=f'(t_{3})=3t_{3}^{2}+6t_{3}+a^{2}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
と表すことができます。
これにより \(m_{1}+m_{2}+m_{3}\) は
\(m_{1}+m_{2}+m_{3}=3 (t_{1}^{2}+t_{2}^{2}+t_{3}^{2})+6(t_{1}+t_{2}+t_{3})+3a^{2}\)
と \(t_{1}\) , \(t_{2}\) , \(t_{3}\) についての対称式として得られます。
そして、それは \(t_{1}\) , \(t_{2}\) , \(t_{3}\) の元々の出どころである3次方程式
\(2t^{3}-6t-a^{2}-a+k=0\)
における、解と係数の関係から得られる基本対称式を用いて処理していけることになります。
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