実践演習 幾何・ベクトル系

3辺の巡回ベクトル【隠れた条件と1次独立性】【2016年度 東京海洋大学】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

 

巡回性をもった設定であり、「そそる」香りが漂ってくる問題です。

アッサリと終わってしまう人もいれば、右往左往する人も出てくると思います。

キレイなバラには棘がある

とはよく言ったものですが、本問は若干棘があるように思います。

(以下ネタバレ注意)

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(1) について

「\(\triangle{ABC}\) が正三角形 ならば \(\vec{p}=\vec{0}\)」の証明 について

まずは

\(\triangle{ABC}\) が正三角形 ならば \(\vec{p}=\vec{0}\)

の証明ですが、これについてはすぐに終わります。

この正三角形の一辺の長さを \(k\) とでもおけば

\(\vec{p}=k (\vec{a}+\vec{b}+\vec{c})\)

ということになり、\(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}=\vec{0}\) ですから、\(\vec{p}=\vec{0}\) が得られることになります。

「\(\vec{p}=\vec{0}\) ならば\(\triangle{ABC}\)が正三角形」の証明について

もくろみ的には2次元の話なので、

  • \(\vec{p}\) を \(\vec{a}\) ,  \(\vec{b}\)  などの 2 本の主役ベクトル(基底)で表す。
  • その後、1次独立性から係数比較に持ち込む

という作戦をおぼろげながらでも見通せれば、しめたものです。

今回、\(\vec{p}\) は、\(\vec{a}\) ,  \(\vec{b}\) ,  \(\vec{c}\)  という 3 本のベクトルで表現されていますが、2次元の話においては1本消したいわけです。

そうなると、先ほどの \(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}=\vec{0}\) というこの問題における「隠れた条件」を用いて文字消去すればよいでしょう。

なお、【解答】では必要性と十分性をコンパクトに同時に示すように記述しました。

(2) について

シナリオは (1) 同様、1次独立性から係数比較に持ち込むことをもくろみます。

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