解くだけであれば
(1) について
\vec{a} , \vec{p} , \vec{q} については与えられています。
まずここから \alpha , \beta が Get できます。
ここから次に \vec{b} が Get でき、それができたら \vec{c} が Get できます。
(2) について
体積計算に必要な \vec{a} , \vec{b} , \vec{c} に関する大きさや内積を計算していくうちに
- \vec{a} \cdot \vec{b}=0
- \vec{b} \cdot \vec{c}=0
- \vec{c} \cdot \vec{a}=0
という強力な情報が Get できます。
これより
\vec{a} , \vec{b} , \vec{c} が互いに直交する
ということになりますから、体積を得るために必要な底面積、高さを得ることは容易です。
グラム・シュミットの直交化法について
今回設定された
- \vec{b}=\vec{p}-\alpha\vec{a}
- \vec{c}=\vec{q}-\beta\vec{a}-\displaystyle \frac{\vec{q}\cdot \vec{b}}{|\vec{b}|^{2}} \vec{b}
という作為バリバリの設定がどこからやってきたのかについて、気になる人は気になるでしょう。
今回、
\vec{a} , \vec{p} , \vec{q}
という3本のベクトルから、直交する
\vec{a} , \vec{b} , \vec{c}
を得ました。
このように、一般に
\vec{x_{1}} , \vec{x_{2}} , \vec{x_{3}}
という3本のベクトルから、直交する
\vec{u_{1}} , \vec{u_{2}} , \vec{u_{3}}
というベクトルを得る有名な方法として
グラム・シュミットの直交化法
という手法があります。
やり方だけ言ってしまえば
- \vec{u_{1}}=\vec{x_{1}}
- \vec{u_{2}}=\vec{x_{2}}-\displaystyle \frac{\vec{u_{1}} \cdot \vec{x_{2}}}{|\vec{u_{1}}|^{2}}\vec{u_{1}}
- \vec{u_{3}}=\vec{x_{3}}-\displaystyle \frac{\vec{u_{1}} \cdot \vec{x_{3}}}{|\vec{u_{1}}|^{2}}\vec{u_{1}}-\displaystyle \frac{\vec{u_{2}} \cdot \vec{x_{3}}}{|\vec{u_{2}}|^{2}}\vec{u_{2}}
と設定すれば、これら \vec{u_{1}} , \vec{u_{2}} , \vec{u_{3}} は互いに直交します。
なぜこの設定で上手くいくかについては、正射影ベクトルに関する基本が肝になるのですが、詳しくは【総括】の中で触れてあります。
類題について
類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

例題とは少しテイストが違います。
先ほど正射影ベクトルが肝ということを述べました。
正射影ベクトルへのアプローチが例題と類題との違いですが、根っこにあるのはグラムシュミットの直交化法です。
例題の解答はコチラ
類題の解答はコチラ