ホントかよという気持ち
もちろん、問題文で言われている主張は本当なのですが、
a_{n+1} \gt \displaystyle \frac{1}{2}a_{n}-p
を満たさないように最善を尽くしてみようという気持ちで実験してみます。
つまり、
a_{n+1} \leq \displaystyle \frac{1}{2}a_{n}-p
を満たすように作っていきます。
例えば p=1 ぐらいで実験してみます。
初項 a_{1} はなるべく大きな方がよいでしょう。
例えば a_{1}=2022 とでもしてみます。
そうなると
a_{2} \leq \displaystyle \frac{1}{2} \cdot 2022-1
を満たすように a_{2} を定めます。
そこで
a_{2}=1010
とします。
次の a_{3} は
a_{3} \leq \displaystyle \frac{1}{2} \cdot 1010-1
を満たすように a_{3} を定めます。
そこで
a_{3}=504
とします。
次の a_{4} は
a_{4} \leq \displaystyle \frac{1}{2} \cdot 504-1
を満たすように a_{4} を定めます。
別に等号成立のときばかり考える必要はないため
a_{4}=250
と定めてもいいですね。
実験の結果
さすがにここまで実験すれば分かると思いますが
a_{n+1} \leq \displaystyle \frac{1}{2}a_{n}-p
を満たすように a_{1} , a_{2} , \cdots を構築していくと、数列 \{a_{n}\} は単調減少となり、いずれ負の項となってしまうことが分かります。
一方で数列 \{a_{n}\} の各項は正の項からなるため、おかしなことになります。
実験を含めたこのカジュアルな実験と要領を、フォーマルに記述する武器と言えば
背理法
でしょう。
いつか負の項となってしまうということは、極限 \displaystyle \lim_{n \to \infty} a_{n} について考えることになるというオチなども見据えながら、話を進めましょう。
もちろん、実験をしなくとも直感的に背理法を選択できる人もいるでしょう。
それはそれで鋭さをもった力のある証だと思いますし、多分実戦の現場で背理法を選択できた人はいわゆる「手なりに」選択した人が多いと思います。
確かに試験場では思いついたもん勝ちという側面が強いですが、それがギャンブル的になってしまっては考えものです。
普段の学習においては、この「解法でいく必然性」のようなものを、出来る限り自分の中に見出していけるようにしていってください。
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