実践演習 整数系

2次方程式の整数解【整数問題の3大手法】【2003年度 千葉大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

 

2次方程式が整数解をもつように仕組んでください、という問題は整数問題として頻出です。

本問は整数問題の基本手法

整数問題の有力方針

  • 積の形から約数の拾い上げ
  • 余りで分類
  • 評価する(範囲を絞る)

を念頭に置きながらどのように進めていこうか考える訓練として非常にいい問題です。

これについては、詳しくは折りたたんでおきますので、基本をしっかりと確認したい方は以下の「+マーク」をクリック(タップ)して読んでください。

 

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積の形から約数の拾い上げ

例題:\(x ,  y\) は自然数とする。\(xy+2x+3y=6\)  となる \(x ,  y\) の値の組を全て求めよ。

解答例

与えられた方程式は \((x+3)(y+2)=12\) と変形できる。

\(x+3 , \ y+2\)  はともに自然数なので

\((x+3 ,  \ y+2)=(1, 12) \ (2 , 6) \ (3 , 4) \ (4 , 3) \ (6 , 2) \ (12 , 1)\)

よって ,  \((x , \ y)=(-2 , 10) \ (-1 , 4) \ (0 ,  2) \ (1 , 1) \ (3 , 0) \ (9 , -1)\)

このうち、\(x , \ y\) がともに自然数である組は

$$(x , \ y)=(1 , \ 1)$$

実際にはもう少し手際よく絞れたりしますが、このように積の形を無理やり作って \(12\) の約数を拾い上げていきます。

整数問題の中でもかなり頻出な考え方です。

余りで分類

例題:\(m\) を整数として、平方数 \(m^2\) を \(3\) で割った余りは \(2\) とならないことを示せ。

解答例

以下 , \(k\) は整数とする。

\(<1> \  \ m=3k\)  のとき

\(m^2=9k^2\)  で , \(m^2\) を \(3\) で割った余りは \(0\)

\(<2> \  \ m=3k\pm 1\)   のとき

\(m^2=9k^2\pm6k+1=3 \ (3k^2\pm2k)+1\)  で , \(m^2\) を \(3\) で割った余りは \(1\)

よって、平方数 \(m^2\) を \(3\) で割った余りは \(0\) または \(1\) に限られ、題意は示された。

今回の例題の場合、世の中の整数を \(3\) で割った余りで分類しました。

\(3k\) ,  \(3k+1\) ,  \(3k+2\)  と分類してもよいのですが、\(3\) で割って \(2\) 余る数というのは

「 \(3\) の倍数から見て \(1\) 足りない数」

ということもできるため、余り \(1\) のときと、余り \(2\) のときを合わせて

\(m=3k\pm 1\)   のとき

としてやるという工夫もよくやります。

また、「何で割った余りに注目するか」ということもレベルが高くなってくると大事になってきます。

評価する(範囲を絞る)

例題:\(xyz=x+y+z\) を満たす自然数 \((x , \ y , \ z)\) の組を全て求めよ。

解答例

問題の対称性からひとまず \(x \leq y \leq z\) として考える。

このとき , \(x+y+z \leq z+z+z\) であり , 条件から , \(xyz \leq 3z\)

すなわち , \(xy \leq 3\)

これより ,  \((x , \ y)=(1 ,  \ 1) , \ \ (1 , \ 2) ,  \ \ (1 , \ 3) \)

\(<1>  (x , \ y)=(1 ,  \ 1)\) のとき

与えられた条件式から , \(z=2+z\) でこれを満たす \(z\) は存在しない。

\(<2>  (x , \ y)=(1 ,  \ 2)\) のとき

与えられた条件式から , \(2z=3+z\) で ,  \(z=3\) を得る。
(これは \(x \leq y \leq z\) を満たす。)

\(<3>  (x , \ y)=(1 ,  \ 3)\) のとき

与えられた条件式から , \(3z=4+z\) で ,  \(z=2\) を得る。
(これは \(x \leq y \leq z\) を満たさない。)

以上 \(<1>\) , \(<2>\) , \(<3>\) から

\((x , \ y , \ z)=(1 , \ 2 , \ 3)\)

実際には  \(x \leq y \leq z\)  という制限はないので

\((x , \ y , \ z)=(1 , \ 2 , \ 3) , \ \ (1 , \ 3 , \ 2) , \ \ (2 , \ 1 , \ 3) , \ \ (2 , \ 3 , \ 1) , \ \ (3 , \ 1 , \ 2) , \ \ (3 , \ 2 , \ 1)\)

まず今回の数たちというのはそんなに大きくないだろうことが予測されます。

普通は (積)\( \gt \)(和)  にも関わらず、積と和が等しいと言っているのですから。

そして、今回の問題には「対称性」があります。

なので、いったん \(x \leq y \leq z\) という区別をつけて考えることで範囲を絞り込み、\((x , \ y , \ z)\) の組が出てきたら、その大小関係を外して答えとします。

変数が3文字以上になると、このように等式を諦めて不等式をつないでいくことが多くなると思います。

特に対称性がある整数問題ではそれを見落とさないようにしましょう。

 

さて、本問ですが、\(x=m\) という整数解を設定すれば

\(pm^{2}+(5-p^{2})m-3p=0\)

を満たす素数 \(p\) ,  整数 \(m\) を考えるという、いわば「不定方程式」として見るのが自然でしょうか。

(以下ネタバレ注意)

 

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\(=0\) のままこの方程式を見ても中々身動きがとりづらいと思います。

臨機応変に左辺と右辺に振り分ける姿勢が大切です。

積の形を狙っていこうと思うと

①:\(p (m^{2}-pm-3)=-5m\)  ( \(p\) で括る )

②:\(m( pm+5-p^{2} )=3p\)  ( \(m\) で括る )

という路線があると思います。

\(m\) は一般の整数、\(p\) は素数ということを考えると、約数を拾いやすいのは ② だと思いますが、

\(m=\pm 1 \ , \pm 3 \ , \pm p \ , \pm 3p\)

と少し数が多いです。(正面突破できなくはないです。)

①の路線で見ても色々考え方が派生していきます。

ぜひ様々な解法を考えてみてください。

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