実践演習 方程式・不等式・関数系

2次不等式の整数解【両端が動く】【2006年度 中京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

2次不等式の解の中に含まれる整数の個数について考える問題です。

単元学習の段階では、2次不等式の解の両端のうち、片側が具体的な数値であるものが例題として与えられることが多いと思います。

例題

\(a\) を定数とする。

\(2x^{2}-(a+2)x+a \lt 0\) を満たす整数 \(x\) が \(3\) 個となるような \(a\) の範囲を求めよ。

解答

題意の2次不等式は

\((x-1) (2x-a) \lt 0\)

(i)  \(\displaystyle \frac{a}{2} \lt 1\) ,  すなわち  \(a \lt 2\) のとき

\(\displaystyle \frac{a}{2} \lt x \lt 1\) であり、これを満たす整数が \(3\) 個であるとき、その整数は

\(x=-2\) ,  \(-1\) ,  \(0\)

よって \(-3 \leq \displaystyle \frac{a}{2} \lt -2\)

すなわち、\(-6 \leq a \lt -4\)

(ii)  \(\displaystyle \frac{a}{2} \gt 1\) ,  すなわち  \(a \gt 2\) のとき

\(1 \lt x \lt \displaystyle \frac{a}{2}\) であり、これを満たす整数が \(3\) 個であるとき、その整数は

\(x=2\) ,  \(3\) ,  \(4\)

よって \(4 \lt \displaystyle \frac{a}{2} \leq 5\)

すなわち \(8 \lt a \leq 10\)

以上から求める \(a\) の範囲は

\(-6 \leq a \lt -4\) または \(8 \lt a \leq 10\)

本問においては因数分解こそ

\((2x-a)\{x-(3a-2)\} \lt 0\)

とできますが、この2次不等式の解の両端の値に \(a\) が入ってきて厄介です。

(以下ネタバレ注意)

 

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式的処理

手なりに進めていくとなると、まずはこの2次不等式を正式に解くということを考えるでしょうか。

すなわち、\(\displaystyle \frac{a}{2}\) と \(3a-2\) の大小で場合分けをしていきます。

\(a \gt 0\) であることに注意すると

  • \( 0 \lt a \leq \displaystyle \frac{4}{5}\) のとき
  • \(a=\displaystyle \frac{4}{5}\) のとき
  • \(a \gt \displaystyle \frac{4}{5}\) のとき

という場合分けになります。

\( 0 \lt a \leq \displaystyle \frac{4}{5}\) のとき

2次不等式の解は

\(3a-2 \lt x \lt \displaystyle \frac {a}{2}\)

ということになります。

この範囲内に整数 \(x\) が \(3\) つあればよいのですが、それは不可能です。

なぜなら、この解の幅 \(\displaystyle \frac {a}{2}-(3a-2)=2-\displaystyle \frac {5}{2} a\) は \(2\) より小さいからです。

\(a=\displaystyle \frac{4}{5}\) のとき

そもそも与えられた2次不等式に解がありません。

\(a \gt \displaystyle \frac{4}{5}\) のとき

2次不等式の解は

\(\displaystyle \frac {a}{2} \lt x \lt 3a-2\)

ということになります。

先ほど同様に、この2次不等式の解の「幅」に注目します。

\(L=(3a-2)-\displaystyle \frac {a}{2}=\displaystyle \frac{5}{2}a-2\) とします。

整数解が \(3\) つとなるためには、この幅 \(L\) が

\(2 \lt L \leq 4\)

である必要が出てくるわけです。

つまり、\(2 \lt \displaystyle \frac{5}{2}a-2 \leq 4\) であり、整理すると

\(\displaystyle \frac{8}{5} \lt a \leq \displaystyle \frac{12}{5}\)

ということになります。

このとき、

\(\displaystyle \frac{4}{5} \lt \displaystyle \frac{a}{2} \leq \displaystyle \frac{6}{5}\)

です。

つまり、2次不等式の解区間の両端のうちの1つ \(\displaystyle \frac{a}{2}\) が

\(0.***\cdots\) なのか \(1.***\cdots\) なのか

に限られます。

何がうれしいって、そうなると、題意の2次不等式の解

\(\displaystyle \frac {a}{2} \lt x \lt 3a-2\)

を満たす3つの整数解 \(x\) が

\((1 \ , \ 2 \ , \ 3)\)  または  \((2 \ , \ 3 \ , \ 4)\)

に限られるということです。

ここから先は、手が止まることがあってはいけません。

視覚的処理

式的処理では場合分けも含めて根気強さと集中力が必要です。

ただ、視覚的処理を試みる路線は

「見たまんま」

処理できます。

当たり前ですが、見たまんまなので、見えれば早いに決まっています。

この路線は【解2】で紹介しています。

解答はコチラ

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