実践演習 方程式・不等式・関数系

離散量の不動点定理【1973年度 名古屋大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

離散量の不動点定理と呼ばれる有名な話題を扱います。

計算自体はほとんどありません。

構造を見抜く目と、それを記述しまとめる力が求められます。

(以下ネタバレ注意)

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題意を噛み砕く

まず、問題文で何を言っているのかということをしっかりと把握します。

\(f\) という関数(写像)は「対応」という言葉で読み替えるとシックリくると思います。

イメージ的には

というように、

  • \(1\) を \(1\) から \(n\) のどれかに対応させる
    (上の例だと、\(2\) に対応:\(f(1)=2\))
  • \(2\) を \(1\) から \(n\) のどれかに対応させる
    (上の例だと、\(3\) に対応:\(f(2)=3\))
  • \(3\) を \(1\) から \(n\) のどれかに対応させる
    (上の例だと、\(1\) に対応:\(f(3)=1\))

という感じです。

\(f(k)=r\) というのは

\(k\) の対応先が \(r\)

と読むわけです。

条件を加味すると

ここで、\(f\) が広義単調増加であるという本問の条件を加味すると

というように、\(\downarrow\) 方向の対応、または \(\searrow\) 方向の対応しかないということです。

今回は

\(f(m)=m\) という不動点の存在を証明したい

わけですが、

というように、

  • \(f(m)=m\) とならないように対応させていっても、最後には \(\downarrow\) 方向の対応となってしまい、不動点が存在する

ということになります。

イメージを記述でまとめるには

先述の

頑張っても最後には行き先がなくなる

という構造を記述でまとめるには、背理法が大きな武器となります。

頑張っても最後には矛盾してしまう

というオチで仕留める未来を見据えてまとめていきます。

応用例について

応用例はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

構造を紐解いていくと、今回の離散量の不動点定理が元になっていることが分かります。

論証要素の純度が高く、処理力に重きを置きがちな東大にしては珍しいという点と、結果のインパクトから当時話題となった問題でもあります。

結構色々な問題集にも採用されています。

合否に影響があるかというと、恐らく影響はないでしょうが、腕を磨くにはいい題材です。

例題の解答はコチラ

応用例の解答はコチラ

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