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\(n\) 次関数 \(f(x)\) が導関数 \(f'(x)\) で割り切れるときに \(f(x)\)を求めるというシンプルな問題です。
サラリと訊かれているために、急所がどこにあるのかというのを見逃してしまいかねません。
まずは本問がどの分野の問題であるのかをしっかりと見抜きましょう。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む \(n\) 次式 \(f(x)\) に対して、その導関数 \(f'(x)\) は \(n-1\) 次式です。 \(n\) 次式を \(n-1\) 次式で割ったときの商は \(1\) 次式ですから \(f(x)=f'(x)(px+q)\) などというように設定することができます。 本問は \(x^{n}\) , \(x^{n-1}\) の係数のみ作為的 です。 つまり、 \(f(x)=f'(x)(px+q)\) という等式の両辺の \(x^{n}\) , \(x^{n-1}\) の係数を比較することで \(p\) , \(q\) が導出可能であることを看破したいところです。 具体的に右辺は \(\{nx^{n-1}+n(n-1)x^{n-2}+(n-2)a_{n-2}x^{n-3}+\cdots+a_{1}\}(px+q)\) ですから、\(x^{n}\) , \(x^{n-1}\) の項はそれぞれ \(npx^{n}\) , \(\{qn+pn(n-1)\}x^{n-1}\) ということになり、左辺の \(x^{n}\) , \(nx^{n-1}\) という項と比較することで $$\begin{eqnarray} という関係式を得て、これを解くと \(p=\displaystyle \frac{1}{n}\) , \(q=\displaystyle \frac{1}{n}\) となります。 これにより、 \(f(x)=\displaystyle \frac{1}{n}f'(x)(x+1)\) という関係式を得ることになります。 つまり、本問は結局 この微分方程式を解く という問題に帰着するわけです。 \(\displaystyle \frac{f'(x)}{f(x)}\) の形を作り、両辺積分する という方針が考えられます。 この路線については【解1】で扱っています。 \(f'(x)-\displaystyle \frac{n}{x+1}f(x)=0\) と見て、 両辺に \(e^{-n\log{|x+1|}}\) をかける という作業をすることで \(\{f(x)e^{-n\log{|x+1|}}\}'=0\) とまとまります。 初見ではほぼできない作業で、どこから 両辺に \(e^{-n\log{|x+1|}}\) をかける という発想が出てきたんだよと思うかもしれません。 これについては 例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 微分方程式は厳密には教科書範囲では発展扱いとなっていますが、知識の差で出来具合が大きくならないように誘導をつけて出題されることはしばしば ... 続きを見る でしっかりと取り扱っていますので参考にしてください。 詳しい計算結果は省略しますが、例えば、\(n=2\) で実験をしてみると \(f(x)=(x+1)^{2}\) という結論を得ます。 また \(n=3\) でも実験をしてみると \(f(x)=(x+1)^{3}\) となります。 このことから、 \(f(x)=(x+1)^{n}\) という結論自体は予想することができます。 この予想を裏付けるにあたって数学的帰納法はどうだろうかと思う人もいるかもしれません。 ただ、 \(f_{n}(x)=x^{n}+nx^{n-1}+\cdots+a_{1}x+a_{0}\) と \(f_{n+1}(x)=x^{n+1}+(n+1)x^{n}+\cdots+a_{0}\) との関連(漸化式)がよく見えないため、帰納法の橋渡しをうまく渡す見通しが立ちません。 (例えば上記実験で\(n=3\) のときの結論は \(n=2\) のときの結論を用いて導出したわけではなく、ゴリゴリに直接割り算して導出しています。) なので、数学的帰納法で予想を裏付けるという方向性は雲行きが怪しいことになります。 多くの問題で という作戦はとても強力で、この方針が功を奏すことが多いだけにショックは大きいかもしれません。条件の立式
本問における作為
\left\{
\begin{array}{l}
pn=1 \\
qn+pn(n-1)=n
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$路線その1
路線その2
参考微分方程式【積分因子法】【2000年度 東京理科大学】
下手なことを考えると