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テーマ別演習 逆像法

逆像法 第1講【逆像法の考え方と使いどころをマスター】【最大最小問題への応用】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

今回は難関大を目指すにあたっては避けて通れない話題である「逆像法」について扱います。

このシリーズを通じて

  • 逆像法のもつイメージ
  • 逆像法の代表的な使いどころ

をマスターし、状況に応じて自分で使いこなせるようにすることでライバルに差をつけましょう。

このシリーズの一覧はこちら

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代表的な使いどころ

入試によく出題される話題の中で、逆像法が有効にはたらく場面というのは以下の話題です。

逆像法の代表的な使いどころ

  • 最大最小問題への応用
  • 方程式の実数解のとり得る範囲
  • 線形計画法
  • 通過領域

今回の第1講では、「最大最小問題への応用」について扱います。

逆像法の核となる考え方

逆像法の核となるイメージは

逆像法の考え方の核

しらみつぶしの考え方

というイメージです。

本問を例にとって説明します。

(以下ネタバレ注意)

 

+ クリック(タップ)して続きを読む

(1) について

従属2変数関数の最大最小問題では文字消去ができれば、文字消去して考えるのが手っ取り早いわけですが、本問は文字消去できません。

そんなとき逆像法の出番です。

例えば

x+3y=1 になるかな?

と考えます。

つまり、x^{2}-6xy+12y^{2}=1 を満たしつつ、x+3y=1 になれるかな?という問題で、

\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x^{2}-6xy+12y^{2}= 1 \\ x + 3y = 1 \end{array} \right. \end{eqnarray}

という連立方程式の解 (x \ , \ y) が正の組として存在するかどうかが、x+3y=1 になれるか、なれないかの分かれ目ということになります。

ここから、x が消しやすそうなので、x=1-3y として、x^{2}-6xy+12y^{2}= 1 に代入すると、

(1-3y)^{2}-6y(1-3y)+12y^{2}=1

すなわち

39y^{2}-12y=0

となり、y \gt 0 を考えると、y=\displaystyle \frac{4}{13} ということになります。

このとき

x=1-\displaystyle \frac{12}{13}=\displaystyle \frac{1}{13}

と正の値として存在します。

つまり、

x^{2}-6xy+12y^{2}=1 を満たしつつ、x+3y=1 になれるかな?

という疑問に対して、(x \ , \ y)=(\displaystyle \frac{1}{13} \ , \ \displaystyle \frac{4}{13}) をもってくれば、

x^{2}-6xy+12y^{2}=1 を満たしつつ、x+3y=1 になれる

と結論付けることができるわけです。

じゃあ、

x+3y=2 になるかな?

ということについても同じことですね。

x^{2}-6xy+12y^{2}=1 を満たしつつ、x+3y=2 になれるかな?という問題で、

\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x^{2}-6xy+12y^{2}= 1 \\ x + 3y = 2 \end{array} \right. \end{eqnarray}

という連立方程式の解 (x \ , \ y) が正の組として存在するかどうかが、x+3y=2 になれるか、なれないかの分かれ目ということになります。

このように、具体的に

x+3y=1 になるかな? x+3y=2 になるかな? x+3y=\displaystyle \frac{1}{3} になるかな? \cdots

と「しらみつぶしに」調べつくすことができれば、理屈上は x+3y がとり得る値の最大値を最小値は把握できるわけです。

とは言え、本当に具体的な数に対して全て調べつくすのは大変です。

そこで、

x+3y=k になるかな? なれるとしたらどんな k

と、文字の力を借りてしらみつぶすことを考えます。

これにより、

\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x^{2}-6xy+12y^{2}= 1 \\ x + 3y = k \end{array} \right. \end{eqnarray}

という連立方程式が正の値の組を解にもつための k の条件を求めることになります。

その k の条件(範囲)こそ、我々がほしい x+3y のとり得る範囲であり、それを把握できれば最大値も求められるわけです。

(2) についても同様の考え方です。

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