実践演習 整数系

素数に関する不定方程式【2019年度 同志社大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

不定方程式(文字の数に対して式の数が少ない方程式)の中でも少々対応力が問われる問題です。

誘導の活用力も問われます。

試験場のつもりで取り組んでみると、いい模擬訓練になるでしょう。

恐らく出題者側はある程度のレールを敷き、誘導を付けて無理のない範囲で仕立てようとしたのでしょうが、多分出題者側が期待しているように受験生は中々動いてくれないのが現状だと思います。

用いている基本事項は全て整数問題においては常套手段の一つなのですが、「100m先から見たって例のアレだ」と言えるようなマニュアル的な問題ではなく、

観察力を前提とした基礎の運用

というニュアンスが大きい実戦問題だと言えます。

(以下ネタバレ注意)

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(1) について

$$\begin{eqnarray}
(1+\displaystyle \frac{1}{a})(1+\displaystyle \frac{1}{b}) &=& \displaystyle \frac{q}{p} \\
\displaystyle \frac{a+1}{a} \cdot \displaystyle \frac{b+1}{b}&=& \displaystyle \frac{q}{p}\\
p(a+1)(b+1)&=&qab
\end{eqnarray}$$

と分母を払って整理して考えます。

この式の中に表立って \(b-a\) が現れているわけではありません。

そこで、\(b-a\) が奇数ということを

  • \(a\) ,  \(b\) の偶奇が異なる

と言い換えて証明したいと思います。

そうなると、\(a\) ,  \(b\) が一致すると仮定して矛盾を導く背理法が第一感です。

\(p(a+1)(b+1)=qab\)

における左辺と右辺の素因数 \(2\) の個数に注目すると分かりやすく矛盾します。

(2) について

\(a=2\) ,  \(p=1\) と、具体的に与えられていますから

\(p(a+1)(b+1)=qab\)

という関係式は

\(3(b+1)=2qb\)

となります。

ここから整数問題の基本の一つである

常套手段

積の形から約数を拾う

ということを狙い、

\((2q-3)b=3\)

と変形していきます。

ここから

\(b=1 \ , \ 3\)

と得られますが、\(a \leq b\) より、\(b=3\) と決定します。

(3) について

(1) が強力なヒントで、2つの素数 \(a\) ,  \(b\) の偶奇が異なるということは

  • \(2\) という素数が紛れ込む

ということになります。

大小関係的に

\(a=2\)

が確定します。

このことから

\(p(a+1)(b+1)=qab\)

という関係式は

\(3p(b+1)=2qb\)

となります。

(2) の話の進め方はここでも利用でき

\((2q-3p)b=3p\)

として、右辺の \(3p\) の約数を拾っていきます。

そうなると、

\(b=1 \ , \ 3 \ , \ p \ , \ 3p\)

ですが、\(b\) が素数であることを考えると

\(b=3 \ , \ p\)

ということになります。

路線2:約分の仕組みを観察する

\(p(a+1)(b+1)=qab\)

という関係式において

  • 連続2整数が互いに素である

ということも目につく特徴です。

約数や因数を振り分けるにしても中々茨の道に感じます。

この特徴を活かした路線については【戦略2】で解説しています。

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